IT・技術研修ならCTC教育サービス

サイト内検索 企業情報 サイトマップ

研修コース検索

コラム

スーパーエンジニアの独り言

CTC 教育サービス

 [IT研修]注目キーワード   OpenStack  OpenFlow/SDN  情報セキュリティ  Python  システムトラブルシュート 

第65回 オブリビオン 2017年2月

『最高のチームですか?』:

暦は2077年3月14日、人類は大気圏を越えて静止軌道上に巨大な三角錐の形状をした「テット」"The Tet" を創り避難していました。荒廃した地球を捨てて移住するための備えを粛々と実行しています。

主人公(トム・クルーズ)の説明(ナレーション)に拠れば遡ること六十年前の2017年(今年です)、異星人は彼らが住む惑星が死にかけているのが理由でインベーダーとなって地球侵略を開始します。彼らは手始めに夜空に輝く地球の「月」"Luna, Moon" を破壊します。地球は重力バランスが崩れ自然の脅威が地上を襲い地震と津波の天変地異に因って荒野と化します。機に乗じて侵略を開始したエイリアンとの戦争が始まり人類は遂に「核兵器」を使用することに踏み切ります。 戦火の果てにエイリアンの侵略を退けることに成功しましたがその代償として地上は汚染されて人が住めなくなってしまいました。

そこで「ミッション・コントロール・センター(宇宙管制センター)」"Mission Control Center; MCC" の「テット」"The Tet" を建設し仮住まいとして逃れていますが、準備が完了次第すぐさま人類は荒廃した地球を捨てて土星の月(第六衛星)「タイタン」"Titan" へ移住を計画しています。

移住のための準備とは地球上の海を汲み上げるというものです。移住するためにはエネルギーが必要ですが海水から重水素を採取し核融合によるエネルギーを得るという企みです。そこで地球にある「豊饒の海」(ほうじょうのうみ)を持ち出そうと「リグ」"Hydro-Rig" と呼称される空中に浮遊する重量級の採水機(ポンプの要塞)を複数用意して海水を汲み上げます。その巨大ポンプを狙って破壊しようと画策する「スカヴ」"scavs"(エイリアンの残党 "alien scavengers" の意)から警護するのが本作の主人公達です。

主役のパートナーは連絡担当の「ヴィクトリア・"ヴィカ"・オルセン」(Victoria "Vika" Olsen) 役で「アンドレア・ライズボロー」(Andrea Riseborough) が演じ、巡回パトロールと戦闘用ドローンの修理担当がコード名「テック49」"Tech-49"「ジャック・ハーパー」(Jack Harper) です。この何だかバーボン・ウイスキーの銘柄のような名前の主役を「トム・クルーズ」(Tom Cruise) が演じます。

今回の書き出しは「オブリビオン」"Oblivion" から始めました。コンピューターグラフィックスのエンジニアである「ジョセフ・コシンスキー」"Joseph Kosinsk" が原作、脚本、制作、監督の四役を務める「オブリビオン」"Oblivion" は、2013年公開された映画です。前回コラムからの流れで「木星」の次は「土星」へと繋がる様にも思えることもあるのが一つの理由でありますが、もう一つの大きな理由のなったのが劇中で何度も登場する台詞が印象的だったので今回のモチーフに相応しいと感じたからです。

その台詞というのはテットにある管制室から指令を出している「サリー」"Sally" という上司が交信する度毎に口癖の様にヴィカに問う質問なのです。「サリー」"Sally" の映像は受信状態が悪くて画面が乱れているモニター越しにだけ登場するというものでこの難しい役をベテランの「メリッサ・レオ」"Melissa Leo" が演じています。サリーは映画の中である種の象徴として存在感を出しています。彼女が問うフレーズは以下のようなものでした。

Sally: Are you still an effective team?
Vika: Yes, we are an effective team.

「最高のチームですか?」という問い掛けです。

高い評価を受けているという有能なチームのメンバーはヴィカとジャック・ハーパーの二人だけ。警護のために地球に残されているという設定です。今回のコラムは「有能なチーム」"effective team" についての論考です。

 

『スクラム手法は凄いのか?』:

今回もたまたま賜った質問が引き鉄となり調べることにしましたが、その頂いた質問内容の一部を掻い摘んで正確に記載しますと、

「スクラム手法で仕事を進めているらしいのですが、これってスゲーのですか? 」

この話は確か以前にも上がった話題であり、それが再燃して取り上げられた御様子でした。
以前のコラム(『第16回 四肢の王 』)に関係する内容を記載しておりますので併せてご覧くださいませ。

門外漢ではあるもののこの話題に興味を持てたのでこのキーワードに関して限られた時間で再度周辺調査を試みることにしました。短い調査に於ける道程の到達目標を「一体何者なのか?」のあらましが理解出来るような情報に加えて、可能であれば「有効なのか?」と「適用すべきか否か?」の判断を下すための材料を集めることにしました。

 

『スクラムとは何か?』:

「スクラム」"Scrum" は、ソフトウェア開発手法の一つで「アジャイルソフトウェア開発」"Agile software development" という手法の中の一つです。要するにラグビーでスクラムを組むように役割決めてがっちりやっていきましょうという事からの命名であるらしいです。
具体的には「チームで仕事の進めるための枠組み(フレームワーク)」で「スクラム」のフレームとして実際に枠組みされているのは「役割」"Roles" と「工程」"Workflow" それだけです。軽量で実施できるのが良い点であると謳われています。

「工程」(行程)とは以下の流れです。

(ふりだし)
	->「計画ミーティング」
	->「製品基準の調整・レビュー・配布」
	->「スプリント」
	->「スプリントレビュー」
    	--> レビューの結果で何度か「ふりだし」(「計画」)に戻ります。
    	--> 「戻る」必要が無ければ以下に進みます。
	->「振り返り」
	->「クロージャ(終了)」
(あがり)

(出典:Wikipediaより引用)

上記の工程中で「スプリントレビュー」で振り出しに戻るなどの手戻りを繰り返すことで反復型の開発を試行します。なかなか終らない「絵双六(えすごろく)」形式と捉えることができましょう。このゲームを投了するのに擁する時間を一週間程度、長くても四週間で終えることが想定されており、このゲームを何度も行う(つまり全工程を繰り返す)事で変更に柔軟にして確実に前進していく事が趣旨であろうと捉えることが出来ます。

「役割」とは以下が想定されています。

「プロダクトオーナー」"Product Owner" -> 成否の責任者、対顧客の折衝役であり仮想の顧客代表も兼ねる、顧客の要望(ユーザーストーリー)をチームに優先順位を付けて繁栄させるのが役割
「スクラムマスター」"Scrum Master" -> チームのコーチ、外からチームを見守り外部からの妨害を排除し同時に内部の調停役を兼ねる、チームを円滑に動くようにケアするのが役割
「開発チーム」"Development Team" -> スクラムを組む人、アスリートの集団、数名の少数精鋭で構成、計画から開発まで全てを行う、チーム主体でセルフマネジメントを行う

スクラムを組むメンバーと組み方の指示をしてボール入れる人、そして的確にボールを投げ入れてそれを受け取りジリジリと前進することでゴールへと向かいタッチダウンを目指します。

 

『水平器(水準器)』:

「アジャイル」"Agile" は従来の「ウォーターフォール」"Waterfall" の反発から産まれた気運(ムーブメント)です。ウォーターフォール・モデルとの関係は、下記の水平器(水準器)を模した図でご理解いただけるでしょう。

<--アジャイル--> <--反復型開発--> <--ウォーターフォール-->
<------|----------------|----------------------|------->
   適応的開発                                計画重視

(出典:Wikipediaより引用)

要するに「右」(保守)と「左」(急進)の違いです。どちらが良いとか悪いとかではなく考え方の違い、主義主張の問題であることが分かります。

「アジャイル」と「ウォーターフォール」のプロセスの違いについては個々に言及しますが、従来からある保守派の「ウォーターフォール」は、特に日本に於けるトップ・ダウン構造の硬直化した組織の体質にマッチしており大企業の様にトップ・ダウンの中間に多重の層となって様々な雑念が混入される意思決定プロセスを経ての物事の進め方としてはこれ以外を採用するのは組織構造を大きく変革させるので無ければ事実上難しいと見て取れるのは間違いではないでしょう。それは意思決定のプロセス簡略化と承認者の変更つまり実質的な担当者への権限の委譲が必須となります。

 

『ウォーターフォール』:

「ウォーターフォール」"Waterfall" の悪い点は、最初に決めた事が間違っていたとしても突き進んで最後までやります。創るもの自体が無意味で不要だったとしても計画続行です。手戻りを基本許しませんし修正を加えるにしても計画当初に予定していた範囲と時間でしか対応出来ず融通が利かないのです。万有引力の自然法則に拠って、「水は上から下へ」と一方向に流れ続けるだけです。

例えば、業務として受注した場合には契約した際に決めた期日までに必ず納品しなければ、大きな問題として契約不履行になってしまう柵(しがらみ)があるからです。それが故に不具合がある動作しないガラクタであったとしても取り敢えず納品することもあるでしょう。そして納品後に問題が露呈することで不具合が発覚し既に瑕疵(かし)期間に入って発火します。それが周囲に飛び火して次々に炎上します。地元の火消しが登場して何と鎮火しようと奔走しますが、それまでの開発経緯や意匠や要求事項などの流れが充分に分からないまま局所的に刹那的な対応となるため大元の修正に達しないばかりか、大幅に工数を請負側の費用で持つために赤字となります。でも取引先を逃したくないので大赤字で続けます。これが最悪のシナリオとも言えますが日常で起こります。

このように「ウォーターフォール」を律儀に遂行しようとすると多くの問題を抱えますが、その中で最大の問題として埋め込まれる要因は「最初に立てた計画」そのものが愚かしい(おろかしい)事でしょう。
その理由としては計画を立案、交渉したプランナーが無能であることに由来するのが一番の要因であるのかもしれません。
これは計画策定、交渉を進める上流工程で、自分やりたい事自体を明確に理解していない「顧客」がその後に具現化する過程で要求内容を変更し続けるという事が大元の原因でありますが、他方の要因としてプランナーが「顧客」を実現可能な道へと誘導出来ないばかりか、顧客がいったい何をしたいのかプランナーが理解していない上に、顧客からの要求事項の中で何が計画進行の妨げになるのか見極めが出来ていない、何が比較的容易に実現可能で、何が技術的困難を伴うのか、近い将来に障害となることに何がありそうなのか、といった懸念点などを計画時点で全く予想できず大局を見極められない「受注側」との双方に問題があると思えます。

現実の事象としても小池都知事が築地移転や五輪競技場などの大規模な計画の中で噴出している様々な問題を掘り起こしていることで同じ様に開発計画の上流で行われている無意味な会議とネゴシエーションをご想像してご理解いただけると思います。東京都政の一番の問題は複数の利害関係が絡んだ承認プロセスの不明確さとオープンな情報共有が為されていないことに付きます。もし外野が五月蠅いということを厭わなければ情報隠蔽せず公開することで適切な知見や示唆も得られたのでしょうが、その気概と姿勢を持ち得なったのではと勘ぐります。大企業の中の人たちが勝手に創作している組織体質は人格など無い組織に意思があるかのように語る隠蔽体質であり役所と全く同質です。

問題の多くは始めが悪く無謀な計画を立てるからです。加えて意思決定に関与している大勢のプレイヤー各々に問題があるからなのでしょう。舞台を整えて良い役者を揃えなければ良い演劇を鑑賞することは適えることが出来ません。

ですが、「ウォーターフォール」は物事を進めるためのただの方法論であってウォーターフォール自体は決して悪くはない筈です。進め方から見えるのは「初志貫徹」を具現化します。覚悟を決めて始めた場所へと後戻りせずまっすぐ前を向いて目的地まで歩いていきましょうという生き様です。武士の心得の如く命尽きるとも前のめりの精神です。もし一年後の未来が見通せる神通力をもった方が計画を立てるのであれば、完璧に計画通りに進むからです。ウォーターフォールは千里眼を持つような異能者がプランナーとなれば何も問題が無いです。

 

『アジャイル』:

これらに反発するように大きく反対方向に振れて登場したのが「アジャイル」"Agile" です。

つまり、最初に出来もしないことの大法螺(オオボラ)吹いてしまうのではなくて、出来そうなところから小さくやっていきましょうというのが中核の考え方です。小さく進めているので間違ったと思ったら戻れば良いのだというやり方です。暗闇の中で見知らぬ道を暗い行灯(あんどん)一個だけで進むのは大変ですが、その都度何らかの「道しるべ」があれば見当違いの場所で吸血鬼が住むような洋館に辿り着いてそこでおぞましい惨劇と悲劇が繰り返されるのを回避して確実に前進できる筈です。それに遠い道のりを一気に進もうとせず短い行程に分けて「ビバーク」"bivouac" してそれを何回か繰り返すことで先が見えない洞窟をクリア出来ます。

繰り返し行うことでリスクを最小化するのがアジャイルの本質であり「反復 (イテレーション)」"iteration" と呼ばれる短い期間設定をしてサイクル化するのが一つの特徴です。
問題を解決するために分割して一単位毎に値を求めてその複数の値から問題を解決しようとする「ユニタリー・メソッド」"Unitary method"と同様の方法論だと解釈して頂いて宜しいかとも思います。

「一日一歩 三日で三歩 三歩進んで 二歩さがる」つまり「チータ(水前寺清子)」の「三百六十五歩のマーチ」こそが「アジャイル」なのだと准えて理解しました。この「三百六十五歩のマーチ」をどのように実践するのかを考えて様々な手法が登場しました。

「アジャイル」の中の一つの方策が前述の「スクラム」"Scrum" となります。「スクラム」以外にも様々な場面で適用可能な手法(宗教)があります。

「スクラム」以外では「エクストリーム・プログラミング」"extreme programming; XP"があります。「エクストリーム・プログラミング」は、ケント・ベックが提唱してその中で彼が紹介する技法として「テスト駆動開発」(Test-Driven Development; TDD) が有名であり、まさに「三百六十五歩のマーチ」を開発の実施の際に体言したものです。ですが、この素晴らしい具体的技法であるTDDすらも実際の開発現場に適用するには様々な問題が露出して諦めざるを獲ないということも付け加えておきます。理想と現実は人間の数だけあるのでしょう。

「アジャイル」を論じる際にはもう一つの観点があって「持続性」です。「継続的インテグレーション」(Continuous Integration; CI)と呼ばれますが、小さく進めて一歩一歩確実に進めていくためには継続して歩みを止めないで前に進む必要があるからです。そのためには方向を定めて歩きながらも大きな視点で臨機応変に進むべき道を変えて行かなければなりません。勿論、ただただ一本の道を歩き続けることを許して貰える環境にあって、自らは歩き続けることそのものが大事となりましょう。

これらを鑑みると適用できる状況が限定されることが理解できます。例えば受託開発の様に一回ぽっきりという仕事の進め方には全くそぐわないでしょう。その反対にベンチャー企業が自社のサービスや商品を提供するための目的で内省的にソフトウェア開発を行うのであれば向いているかもしれません。勿論、オーナーは社長さんで技術リーダーはCTOです。チームも小さいでしょうから意思疎通も円滑で進むべき道は言わずもがなで各々が自覚しているという状況が適していると思います。少し大きな会社であればサービス毎に数名のチームを構成すれば適用できるでしょう。

 

『李小龍と李連杰』:

ご判断の要素となればと調査内容を基に「スクラム」への一意見を書きます。所感です。

「スクラム」はただのフレームワーク(枠組み)です。

この枠組みであることが幸いして、様々にカスタマイズしてその現場に合った形で適用できるのは良い点でしょう。「スクラム」を枠として「XP」や「TDD」だけではなく「かんばん」、「リーン」などと他の手法や技法、方式と組み合わせて利用も可能でしょう。状況に合わせて採用できるのは良い点です。

その上に単にソフトウェア開発という工事現場だけでなく、さらなる適用範囲として実際にも営業やマーケティングなどの部署での計画遂行のフレームワークとして利用している例も多く散見されました。このことから客観的にスクラムが「無用の長物」ではないのだろうと判断できます。

しかしながら、筆者の理解としては「エクストリーム・プログラミング (XP) 」に代表されるように個々の手法は、各々に定められた「価値」や「実践」が決められているだけで、それはまさに宗教です。

禅宗では何を修行として「実践」すべきは「掃除」と「座禅」です。修行僧は何かの教えを乞う訳ではなく座禅や掃除を通して「悟り」を「自覚」することである境地に達するのですが、修行僧が皆悟りを啓いて「上人」となれる訳ではないのは自明です。境地を高めて行けるかどうかは修行僧自体に委ねられています。

「価値」"value" や「実践(プラクティス)」"practice" を理解してそれを上手に実施できるのかは当人次第なのです。悟りを開くためにどの宗派に入信するかも大事ですが、入信したお寺でちゃんと修行を積めるのか否かはもっと大事ですし、それよりも大事なのは自分が修行しているお寺に「李小龍(ブルース・リー)」(Bruce Lee) の様に尊敬出来て教えを請う事が出来るような師匠(マスター)が居るのか否かは大きい境目でしょう。また将来こうなりたいと思わず願ってしまう「李連杰(リー・リンチェイ、ジェット・リー)」(Jet Li) の様な人当たりが優しく卓越した技量を持つ兄弟子が居れば、毎日その超人技を目の当たりにして修行に精が出るのであろうと大いに期待できます。

空想ではありますが「李小龍」のスクラムマスターと「李連杰」がメンバーとなっているチームに入ることができれば、毎日が意気揚々と修行に励むことを厭わないと考えます。
ブルース・リーやジェット・リーの様な逸材は唯一無二の存在であり、おいそれと探し出すことは出来ませんが、スーパースターが居ないとしてもどこのチームに入るのかでメンバーは決まるのですから、自分は「誰」と一緒に修行(仕事)したいのかの一点に全てが掛かっていると考えます。禅問答ではなく、何のために仕事するのかという根源的な問い掛けに対する筆者の回答でもあります。

またチームとしての成否だけでなくメンバー各々が相当な技量と経験を積むことが将来への財産となります。メンバー個々にとってだけはなく、組織や社会としてその成長したメンバーが拡散し新たなチーム編成の中核となり発展していくのが望ましい姿ではありましょう。

現実に適用することを想像して目も向けて考えると「スクラム」自体を否定しているのではありませんし、枠組みはあってもよろしいでしょう。またその枠組みとしての環境を提供するのは「オーナー」の役割であるので快適な開発環境を提供されるのであれば、責任の所在が明確な役割付けも良いと思います。寧ろ(むしろ)枠組みがあって励行すべきことが慣例化されることでお座なりに成りがちな物事がスムースに進むことも予想出来ます。

しかし大事な事は、各々が日々何を大事に過ごしているのか?仕事に取り組む快適な環境が提供されているのか?円滑な交流と信頼できる人間関係が構築されているのか?が肝心だと考えます。枠組みに甘んじることなく自問し続け修練を怠ることなく続けることができれば。その「型」の中から何かを産み出すことも出来ましょう。枠組みだけでそれができるのであれば、苦労は無いのでしょう。

「スクラム」そのものに言及しても「開発チーム」の個々のメンバーは「アスリート」でありメンバー個人は自ら律して励むのが大前提であり、成果物である品質に言及するのであれば、相応のメンバーを擁してそして相互に刺激し合い能力を高めて行く素性でなければ意味を成さないでしょう。それが前提です。実際にはそれだけのメンバーを集めるのが至難の業ですし、それらメンバーを纏めることが出来るような人徳を持った「功夫師匠」(カンフーマスター)を探して擁立するのは更なる困難となります。
チームを構成するメンバーにも各々に長けた特徴が必要です。有効なチーム構成とするためには個の構成を発揮してメンバー間で補いチーム全体として増強する組み合わせがあるからです。これらを満たせずメンバー招集に失敗し編成、配置にしくじりチーム自体が陳腐になれば全く前提を満たしませんので、朝のラジオ体操を励行するのと同程度の日課(フレームワーク)に成り下がると容易に想像できます。要するに「誰がチームに参加するのか」が最大のファクターでありましょう。

結論とはなりませんが、現在時点で理解していることから導いた筆者の見解です。

 

『ランブル・オン』:

「オブリビオン」のサウンドトラックを「M83」 (Anthony Gonzalez) が担当しています。彼のファンタジーをモチーフとした電子サウンドとは異なりサントラに徹した削ぎ落した音創りで少し驚きます。ジャックが荒野をバイクで疾走するシーンでは「ヴァンゲリス」"Vangelis" が手掛けた「ブレードランナー」"Blade Runner" のエンドタイトル"End Titles" をオマージュした様な BGM が流れてくるのは好感が持てます。

劇中挿入歌では、ジャック・ハーパーが湖畔の隠れ家で LP レコードをプレイヤーにかけるシーンがあります。
レコード棚に並んでいるLPレコードのコレクションは、

「コンウェイ・トゥイッティ」(Conway Twitty) の「ネクスト・イン・ライン」"Next in Line"、
「デュラン・デュラン」(Duran Duran) の「リオ」"Rio"、
「ブルー・オイスター・カルト」(Blue Öyster Cult)の「暗黒の狂宴」"Some Enchanted Evening"、
「ザ・ローリング・ストーンズ」(The Rolling Stones) の「メインストリートのならず者」"Exile on Main Street"、
「ピンクフロイド」(Pink Floyd) の「ザ・ウォール」"The Wall"、
「エイジア」(Asia) の 1st アルバム「エイジア」"Asia"。

60年代終盤から70年代を経て80年代初頭に掛かかる時代での名盤が並んでいて、それらLPレコードのジャケットを指でパラパラと迷いながら一枚の円盤を取り出して針を落として庭に出て寛ぎ(くつろぎ)ます。掛かった楽曲は「ランブル・オン」"Ramble on" で隠れ家に面した庭に流れ出します。「ランブル・オン」"Ramble on" はレッド・ツェッペリンのセカンドアルバム "LED ZEPPELIN II" に収録されている曲ですが、ストーリーの終盤にもう一度流れます。

音楽に加えて映像にも監督の趣味が出てきます。未来の地球へと帰還してきたNASAの宇宙船の名前が「オデッセイ号」"Odyssey" というのは、「2001年宇宙の旅」"2001: A Space Odyssey" のオマージュとも捉えることができますし、渓谷でのドローンとのチェイスは「スター・ウォーズ」"Star Wars" 、二人目のヴィカに出会うシーンは「惑星ソラリス」"Solaris"、トム・クルーズが伸されて基地に運ばれる上からの俯瞰シーンは「マッドマックス2」"Mad Max2:The Road Warrior" なのかもしれません。単なる深読みなのか勘違いかは知る由も無いですが、グラフィックに造詣が深い監督の趣向として音楽やシーンなど様々な映画を糧にしているのだろうと憶測しており、それは嫌いじゃないというよりも寧ろ好感を持ちます。

監督の映像での拘りは、夢で見るだけで行ったことがない街の風景は記憶なのか覚束無い(おぼつかない)映像としてモノクロームで写し、現実の映像はカラーですがグレーを基調として色味が少ない。シャープで鋭角な創りのインテリアやシンプルで装飾の少ない居住スペース、白と黒を基調とした色調で丸みを帯びた形状の機械 (The Bubble Ship and Combat Drones) それらと同じく白とグレーを基調とした衣服が、荒廃した地球の大地の黒とコントラストを為しています。現実である筈の世界の色味が希薄なのです。
反対にジャックの隠れ家には草木や池があって生命の色を醸し出していますし、隠れ家で寛ぐ(くつろぐ)ジャック・ハーパーも派手で草臥れた(くたびれた)ネルシャツを着てニューヨーク・ヤンキースのベースボールキャップを被っています。

記憶の色を取り戻すのは、「ジャック・ハーパー」(Jack Harper) を覚醒させる役目として「マルコム・ビーチ」(Malcolm Beech) という反乱軍リーダーの役で「モーガン・フリーマン」(Morgan Freeman) が出演しています。ディスカバリー・チャンネルの「モーガン・フリーマンが語る宇宙」"Through the Wormhole" (或いは「時空を超えて」)のドキュメンタリー番組でナビゲーターも努める彼は佇むだけの風体ですらその存在感と説得力を映像に醸し出すモーガン・フリーマンは、主人公を真に覚醒させる導師として打って付けの配役です。
ビーチの導きによってジャックは夢で観た彼女を連れバイクで「エンパイアステートビル」"Empire State Building" に向かいます。エンパイアステートビルの展望台にあるコイン式の「双眼鏡」"Tower Optical" が記憶を呼び起こす手がかりとして出てきます。往年の英国ロックバンド「マリリオン」(Marillion) の 「サムホェア・エルス」"Somewhere Else"のジャケットにも使われていたあの双眼鏡です。
ここで「オルガ・キュリレンコ」(Olga Kurylenko) 扮する「ジュリア・ルサコーヴァ」"Julia Rusakova"との過去の記憶を呼び覚まし何度も夢で見たモノクロ映像に鮮やかな色が付いて鮮明に想い出すのです。彼女が誰でそして自分が何者だったのかを。

Sally: Are you still an effective team? 
Vika: We are not an effective team.

人類が最初に「テット」"The Tet" に接触したのは2017年5月3日。「タイタン」"Titan" の調査航海に向かう途中だった「ジャック・ハーパー」(Jack Harper) 達を乗せたNASA宇宙船「オデッセイ号」"Odyssey" でした。

ジャック・ハーパーが覚悟を決めて「サリー」(Sally) が待つ敵の本陣である「テット」に向けて成層圏を越えて「バブルシップ」"The Bubble Ship" で乗り込んで行く時にも再び「ランブル・オン」"Ramble on" が BGM として聴こえて来ます。「ジミー・ペイジ」(Jimmy Page)と「ロバート・プラント」"Robert Plant" の手による楽曲の歌詞が「指輪物語」"The Lord of the Rings" から影響を受けているらしい事から、これから主人公を待ち受ける大きな困難を予感させるのと同時に「大切な人」を守るのだという強い決意を表現したかったのかもしれません。それと「さよなら」という意味も込めて。

 

『パッセンジャー』:

「イミテーション・ゲーム」"The Imitation Game" の「モルテン・ティルドゥム」(Morten Tyldum) の監督作品で、「パッセンジャー」"Passengers" という映画が近日公開だそうです。

パッセンジャーでは宇宙船の中で二人だけという設定ですが、オブリビオンと同じく「二人だけ」取り残される状況は似ているようにも思えます。

出演は「ウィンターズ・ボーン」"Winter's Bone" や「世界にひとつのプレイブック」"Silver Linings Playbook" の「ジェニファー・ローレンス」(Jennifer Lawrence) が主役の「オーロラ・レーン」(Aurora Lane) です。「X-MEN: ファースト・ジェネレーション」"X-Men: First Class" での「ミスティーク」"Mystique" と言った方が思い出しやすいかもしれません。彼女の相手役「ジム・プレストン」(Jim Preston) はスカウトを経て徐々にキャリアを重ねてきた「クリス・プラット」(Chris Pratt) が配役されています。本作の脇役で「フロスト×ニクソン」"Frost/Nixon" の「マイケル・シーン」"Michael Sheen" がアンドロイドのバーテンダー役で出演するのが気になります。

予告編であるトレイラーを見るとマイケル・シーンのアンドロイドが出てきて期待値が相当上がりますが、画面の雰囲気からS.F.映画というより宇宙を舞台としたラブロマンスの部分が主軸の様にも受け取れます。オブリビオンも昼メロのような男女の愛憎劇が物語の流れに大きく影響を与えていましたしシナリオ上でロマンスのエッセンスを否定はしませんが、パッセンジャーではS.F.に固執するのであればでは過剰な期待は禁物なのかもしれません。何せどの映画のトレイラーも観たいと思わせる様に面白く創ってありますから裏切られることは頻繁ですし、肝心の本編は観ていないので何とも言えないですが、可視域の範囲を広げる意味で観ようかなとは想っています。

次回もお楽しみに。

 


 

 [IT研修]注目キーワード   OpenStack  OpenFlow/SDN  情報セキュリティ  Python  システムトラブルシュート