IT・技術研修ならCTC教育サービス

サイト内検索 企業情報 サイトマップ

研修コース検索

コラム

1週間でCCNAの基礎を学ぶ

CTC 教育サービス

 [IT研修]注目キーワード   Python  UiPath(RPA)  最新技術動向  Microsoft Azure  Docker  Kubernetes 

第2回 1週間でCCNAの基礎を学ぶ 第2日目 (土井ゆうか氏) 2016年5月

<PR>

こんにちは。土井ゆうか(ドイ ユウカ)と申します。

このコラムでは、2010年3月に初版が発行され、現在は、2015年5月に第1版第10刷が発行されている、株式会社ソキウス・ジャパン編著の「1週間でCCNAの基礎が学べる本」を用いて、初心者の私が学んだことをまとめて参ります。

コラムの中のページ表記は、この書籍のページを示します。

今回は、「物理層の役割」と「データリンク層の役割」について学んでいきましょう。

1.物理層の役割
2.データリンク層の役割

1.物理層の役割
1-1 物理層の仕事(P.58)

「1日目」においては、OSI参照モデルの概要を学びました。
今回は「2日目」となりますが、この「2日目」から「4日目」までは、OSI参照モデルの各層の具体的な機能を学んでいきます。

fig01

まず、物理層の役割は、信号(ビット)を正しく伝送することです。そのため、物理層では、信号を正しく伝えるための電気信号の規格や、ケーブル(ネットワークメディア)の種類、コネクタの形状などが取り決められています。

現在のコンピューターネットワークでは、データのやりとりに「0」と「1」を使用したデジタル伝送が使用されています。あるタイミングで電気信号の電圧が上がれば「0」、下がれば「1」と取り決められており、送ったデータと受け取ったデータの「0」と「1」の並びが同じであれば、データが正しく送信できたことになります。

1-2 ネットワークメディア(P.60)

ネットワークメディアとは、日本語では伝送媒体と呼ばれ、有線と無線に分類できます。有線のネットワークメディアとしては、一般的には、ツイストペアケーブルや、光ファイバケーブルなどが、無線のネットワークメディアとしては電波や赤外線などがあります。

■ツイストペアケーブル

ツイストペアケーブルは、より対線(よりついせん)とも呼ばれる2本の電線をより合わせたケーブルで、UTPとSTPに分類できます。

UTP(ユーティピー。Unshielded Twisted Pair)は現在のLANでよく使用されているケーブルで、8本の銅線を2本ずつより合わせた4対の線をさらにより、外側をビニールの皮膜で覆っています。安価で使用しやすい一方で、外側からのノイズの影響を受けやすいという欠点があります。

STP(エスティピー。Shielded Twisted Pair)は、2本ずつより合わせた線をシールドで覆い、さらにその外側を金属箔などでシールド処理をしたケーブルです。ノイズの影響を受けにくい一方、UTPよりコストは高いため、特殊な環境で利用されます。

ケーブルの先端にはコネクタと呼ばれる接続装置があり、これをネットワーク機器やPCのポートに挿入します。ツイストペアケーブルでは一般に、RJ-45と呼ばれるコネクタが使用されます。

また、ケーブルの品質は、「カテゴリー」という規格で示されます。カテゴリー3はCat3、カテゴリー5はCat5などと表され、数字が大きいほど1秒あたりに送信できるデータ量が多くなり、品質と価格が高くなります。

なお、ツイストペアケーブルを使用する場合は、長さに制限があり、最長100メートルまでとされています。この長さを、最大セグメント長といいます。100メートル以上の距離を接続したい場合は、ハブやスイッチなどのネットワーク機器で中継し接続距離を伸ばすことができます。

また、ツイストペアケーブルは、ストレートケーブルとクロスケーブルの2種類に分類できます。
この二つは銅線の並び方が異なり、接続する機器の種類によってどちらを使用するか決まります。

同じ種類のポートの接続をするときはクロスケーブルを使用します。例えば、スイッチ同士を接続する場合は、クロスケーブル、PCとスイッチを接続する場合はストレートケーブルを使用します。一般に、PCのLANポートやルータのイーサネットインターフェイスなどはMDIポート、ハブやスイッチのインターフェイスはMDI-Xポートになっています。MDIポートは1、2番の線が送信、3、6番の線が受信、MDI-Xポートは、1、2番の線が受信、3、6番の線が送信用です。

なお、最近ではAuto-MDIという種類のポートが使用されるようになり、このAuto-MDIのポートは信号を受信して自動的に送信、受信を決定してくれるので、ストレート、クロスのどちらのケーブルでも接続することができます。

■光ファイバケーブル

光ファイバーケーブルは、中心部のコアとその周辺のクラッド、さらにそれを覆う皮膜から構成されています。
光は電気信号よりも減衰が少なくノイズの影響も受けにくいため、高速な長距離伝送に適しています。光ファイバケーブルにはSMF(シングルモードファイバ)とMMF(マルチモードファイバ)の2種類があり、シングルの方がより長距離の伝送が可能です。

欠点としては、取扱いが難しいことです。ガラス質を使用しているため、どこか一部分が損失しただけでも、正しく伝送できなくなってしまいます。

1-3 物理層のネットワークデバイス(P.67)

物理層で動作する代表的な装置としては、「ハブ(HUB)」があります。ハブには、信号を整形、増幅したり、ノードを接続するケーブルをまとめたりする機能があります。ハブは、UTPケーブルを接続するための複数のポートを持っていて、コンピュータとUTPケーブルで接続されます。

ハブは、他のポートに信号を送出する際に、元の波形に整形・増幅します。この機能を使用することで、「100メートル+ハブ+100メートル=200メートル」のように、接続距離を延長することが可能になります。

ハブは、受信したデータを受信したポート以外のすべてのポートに送信します。つまり、PC-AからPC-Bにデータを送信したい場合、PC-B以外のPC-CやPC-Dにもデータが届いてしまいます。

2.データリンク層の役割
2-1 データリンク層の役割と機能(P.70)

次に、データリンク層について学びましょう。

fig02

データリンク層では、物理層と異なり、隣接ノードと正しく通信するためのルールを取り決め、また、エラーチェックにより送信中にデータが変化していないかをチェックするためのルールも取り決めています。

2-2 イーサネット(P.71)

データリンク層の代表的なプロトコルに、イーサネットがあります。現代のLANのほとんどはこのイーサネットで構築されており、イーサネットはIEEEにより規格化されていますが、速度やメディアによってさまざまな種類があります。

初期のイーサネットは、CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access/Collision Detention)という制御方法を使用していました(現在はこの方式は、あまり使用されていません)。

このCSMA/CDとは、日本語にすると、「キャリア検知多重アクセス⁄衝突検出」などと訳されます。
これは、通信路を監視して他のマシンがデータを送信していないかをチェック(キャリア検知)してから、データ伝送を行うことで、複数のマシンが同じメディアを使うこと(多重アクセス)を可能にし、データの衝突があればそれを検出(衝突検出)してしばらく待ってからデータを再送する、という方式です。
データの衝突とは、複数のマシンが同じタイミングでデータを送信することっで2つの送信データが混ざることです。

ネットワーク機器やコンピュータにはイーサネット用のインターフェイスが用意されていますが、これをイーサネットインターフェイスと言います。データリンク層では、目的のノードにのみデータを届ける役目がありますが、その際の宛先に利用され、イーサネットインターフェイスに必ず設定されているものが、MACアドレスです。

MACアドレスは製造時に焼き込まれ変更することができない、固有の(世界で一つだけの)アドレスであるため、物理アドレス、ハードウェアアドレスとも呼ばれます。MACアドレスは48ビット(6バイト)の12桁で構成されており、最初の6桁(前半の24ビット)はベンダーコード、後ろの6桁(後半の24ビット)はシリアル番号です。前半はIEEEが各メーカーに割り振り、後半は各メーカーで割り振っています。

イーサネットヘッダには複数の種類がありますが、最も一般的なのはEthernetⅡ(DIX仕様)です。
イーサネットヘッダは、宛先MACアドレス、送信元MACアドレス、タイプ部という3つのフィールドから構成されています。

このようなイーサネットは、通信速度や使用するメディアによりさまざまな規格に分類されますが、100Mbpsの速度で通信できるものをファストイーサネット、1Gbps(1000Mbps)の速度で通信できるものをギガビットイーサネットと呼びます。

fig03

イーサネットの詳細は、以下もご参照いただくことをお勧めいたします。
http://www.cisco.com/web/JP/news/cisco_news_letter/tech/ether/index.html

2-3 データリンク層で動作するスイッチ(P.79)

データリンク層では、スイッチと呼ばれる機器が動作します。レイヤ2スイッチ(L2スイッチ)、スイッチングハブなどと呼ばれることもあります。

スイッチには、MACアドレス学習機能があり、データの送信元MACアドレスを自身の着信ポート番号と関連付けて、MACアドレステーブルと呼ばれるデータベースに登録します。この情報をもとにして、スイッチはMACアドレスを基準に送信先を選択できます(MACアドレスフィルタリング)。なお、MACアドレステーブルに宛先のアドレスがないときは、受信したポート以外の全ポートにデータを送信します(フラッディング)。

なお、スイッチは、全二重通信という通信方式をとっており、受信も送信も一度に処理することができます。一方、物理層で動作するハブのポートは、基本的に半二重通信という通信方式をとっており、受信か送信のいずれかしか一度に処理できません。このため、同時にデータを送信すると、衝突が発生します。衝突が発生する範囲を、コリジョンドメインといいます。

本日は以上です。

なお、ネットワークを基礎から学びたい方には、CTC教育サービスの研修「ネットワークファーストステップ」がお勧めです。
http://www.school.ctc-g.co.jp/course/N606.html

また、実機で学びたい方にはシスコ認定コースがお勧めです。詳細は、以下のリンクをご参照ください。
http://www.school.ctc-g.co.jp/cisco/

最後まで読んでくださってどうもありがとうございました。次回もどうぞお楽しみに。

 


 

<PR>

 [IT研修]注目キーワード   Python  UiPath(RPA)  最新技術動向  Microsoft Azure  Docker  Kubernetes