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第5回 デスクトップ仮想化ROI を最大化させるポイント (小林伸睦) 2012年12月

 デスクトップ仮想化は、物理PCの導入よりも初期費用がかかるというのは一般的事実ですが、いくつかのポイントを抑えることで初期コストや運用コストを抑えROIを高めることができます。今回はこの初期コストを抑えるためのポイントを解説します。また、今回は詳細まで触れませんがデスクトップ仮想化によりビジネスにおける機動力強化、ユーザや管理者の生産性向上、事業継続性など、もたらされるメリットは多岐に渡り、これらもROIを押し上げるポイントです。これらも併せて定量的に見積もる視点も重要です。

1.ハードウェアコスト・ソフトウェアコストを最小化する
サーバ・ストレージ

 デスクトップ仮想化は大量のリソースを準備することになる為、ハードウェアベンダ・機種を統一することが重要です。統一することで調達面ではコストメリットが得られたり、運用面では大きなリソースプールを構成できるため利用効率が高まります。これは基本的なポイントですがリソースを大量に必要とするデスクトップ仮想化だからこそ重要なポイントとして挙げておきます。ストレージについても既存のストレージ環境と統合しプールから切り出して使えるようにするなど運用コストを効率化することが可能です。

クライアントデバイス

 既存の物理PCに動作や権限の制限を加えることでシンクライアントデバイスとして流用することができます。この既存のクライアントデバイスが壊れた時点でシンクライアントデバイスを購入し切り替えていくという運用にのせます。こうしてシンクライアントデバイスの新規購入を先延ばしすることで初期投資コストを平準化することができるわけです。クライアントデバイスは非常に小さなリソースしか必要としないので古いPCでも十分なのです。

デスクトップ共有型に集約する

 デスクトップ仮想化の方式はいろいろありますがサーバ共有デスクトップ型はデスクトップを高い集約度で構成できます。その結果、ハードウェアコストを大きく圧縮できることができます。一般的に仮想化というとVDI型(仮想PC型)を検討しがちですが、コストの観点を踏まえれば、まずサーバ共有デスクトップ型で構成できないかを検討するべきなのです。VDI型は各ユーザの仮想デスクトップOSに対して一定のリソース量を定量的に割り当てていくことになるため必要となるリソース量が非常に大きくなりますし、Windows OSにVDAライセンスが必要となるため大規模になるとそれなりのコストになります。サーバ共有デスクトップ型にはターミナルサービスに関わるライセンスが必要となりますがVDAライセンスよりは安価なライセンスなので、ソフトウェアライセンスという点でも投資コストを抑えることに貢献します。

VDI構成における管理コスト・ストレージコストを最小化する

 VDI型の展開は、一般的にテンプレートイメージをクローン化して必要数分の仮想デスクトップを展開するという方法が想像されます。しかし、この仕組みを用いると管理すべきデスクトップ数やデスクトップを構成する各ソフトウェアスタックの数は物理PCの場合と変わらないため運用上の管理コストを大きく削減できるわけではありません。そこで、ひとつのマスターイメージを利用して展開と運用まで実現する技術を駆使して運用コストを最小化します。この技術は必要となるストレージの容量を抑えることができハードウェアのコスト削減にも貢献します。シトリックスから提供しているこの仕組みのひとつを下記に紹介しておきます。

 Citrix Provisioning Server
 http://www.citrix.co.jp/products/cpros/index.html

2.スモールスタートで逐次拡張するプロジェクトシナリオ

 初期コストを抑制するにはスモールスタートを切って投資を分散させるという視点もあります。特定の範囲のユーザ・組織などから、ある程度の規模でスタートさせ順次拡張展開するというかたちにします。これは運用上の複雑性をコントロールするという意味でも重要であり、トラブルを回避しながらプロジェクトのプロフィットを高めることにも貢献します。

3.Bring Your Own Device 運用を導入する

 BYODとは、ユーザが個人所有のデバイスを使ってアプリケーション、データにセキュアにアクセスし仕事をする運用のことをいいます。ユーザのモチベーションや利便性を最大化させることで生産性を高める狙いがありますが、同時にコストへのインパクトを与えます。クライアントデバイスが個人所有のものですので企業の固定資産として計上する必要がなく経営のシート上でオフバランスさせることができるのです。また、メンテナンス・サポートも、原則、個人に委ねることになるので運用コストも削減できるモデルとなのです。ただ、この運用はポリシーを変える必要があるためすぐに全てのプロジェクトでスムーズに導入できるとは限りません。次世代の運用の在り方としてご認識いただければと思います。

 次回からは、IaaSを中心としたクラウドソリューションについて解説します。

 


 

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デスクトップ仮想化ニュース
http://www.desktop2cloud.jp/

「デスクトップ仮想化ニュース」は、デスクトップ仮想化、モビリティに関する最新情報の提供とデータや動画を活用した分かりやすく解説します。
 

クラウド&ネットワーク情報サイト
http://www.cloudandnetwork.jp/

「クラウド&ネットワーク情報サイト」は、クラウドコンピューティングやネットワークに関するさまざまな情報をデータや動画を活用した分かりやすい解説でお届けします。

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