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第10回 XenDesktop 7のアプリケーション配信を試す (遠山洋平@日本仮想化技術株式会社(提供:デスクトップ仮想化ニュース )) 2013年11月

 デスクトップ仮想化といえばXenDesktop、アプリケーション仮想化といえばXenAppということはご存知の通りだと思います。これまでXenDesktopを導入した環境で仮想デスクトップにアプリケーションの配信も実現したいとなると、XenDesktopの構築の他、別途XenApp環境の構築が必要でした。XenDesktopとXenAppは別々の製品であったため、構成が複雑になるほど環境の構築やメンテナンスなどの負担は大きかった実情があります。
 しかし、XenDesktop 7では、デスクトップ仮想化とアプリケーション仮想化のアーキテクチャーが統一されて提供されます。

デスクトップ配信、アプリケーション配信を完全統合したXenDesktop 7

 クラウド時代に向けXenDesktop 7では、複数のデスクトップ配信モデルを提供する中核技術であるFlexCastを刷新しました。今までデスクトップ配信モデル、アプリケーション配信モデル毎に存在した別々の内部アーキテクチャーは、シンプルに統合化されたFlexCast Management Architecture(FMA)として提供されます。このシンプルなアーキテクチャーは拡張性や管理性に優れたクラウド時代のアーキテクチャーへと進化し、デスクトップ仮想化を真のクラウド環境へと導きことになるのです。

XenDesktop 7以前のアーキテクチャー

fig01

シンプルになったXenDesktop 7のアーキテクチャー

fig02

 これは技術者にとっても大きなメリットをもたらします。XenDesktop 7であれば、Windows ServerにServer OS用のVDA7をインストールして、Citrix Studioで構成を行うだけでアプリケーションの配信サーバーとしても、公開デスクトップとしても利用できるようになります。Windows Serverに対して専用のサーバーをインストールする必要がなく、公開アプリケーションサーバーの構築ができるというわけです。

 XenAppはインストール前の準備から、Windows Update、XenAppのインストールと修正パッチの適用、XenAppとXenDesktopの連携の設定...と、カンタンに見積もっても構築には半日から1日程度掛かっていたのが、ほんのわずかの時間で利用可能になるのはXenDesktop 7の魅力と言えるでしょう。

 特別編の今回は、XenDesktop 7のコンポーネントの一つとして統合されたアプリケーション配信機能について環境の構築方法をご紹介します。

アプリケーション配信サーバーの構築

 それではまず、アプリケーション配信サーバーを構築します。XenDesktop 7ではすべてのエディションのWindows Server 2012および2008 R2 SP1に対応しており、公開デスクトップや公開アプリケーションインフラとしてWindows Serverを配信することができるようになりました。今回はハイパーバイザー上に構築した仮想マシンにWindows Server 2012をインストールし、アプリケーション配信サーバーとして構築しましょう。

Windows Server 2012のインストールと設定

 まずはWindows Server 2012のインストール、Windows Updateを行ってください。アップデートの適用が終わったら以下のようにあらかじめ設定したWindows Server 2012をActive Directoryに参加させます。

項目 内容
Active Directory ドメイン vdi.example.com
仮想マシン名 appsrv
コンピューター名 appsrv
VDA for Windows Server OSのインストール

 Active Directoryへの参加まで終わったら、次にサーバー用のVDA7をインストールします。以下の手順に従ってソフトウェアのインストールを行なってください。

(1)XenDesktopのインストールCDもしくはISOイメージを仮想マシンに挿入します。

(2)XenDesktopのインストールDVDが仮想マシンに読み込まれたらダブルクリックしてインストーラを起動します。

(3)インストーラで「開始」ボタンをクリックします。

fig03

(4)「インストールコンポーネントの選択」画面が表示されます。「Vitrual Delivery Agent for Windows Server OS」をクリックします。

fig04

(5)「VDA 7のインストールウィザード」が表示されます。

(6)「環境」では、「サーバーマシンへの接続を有効にする」を選び、「次へ」ボタンをクリックします。

fig05

(7)「コアコンポーネント」はCitrix Receiverのチェックを外して「次へ」ボタンをクリックします。

(8)「Delivery Controllerの構成」では「手動で入力する」を選び、Delivery Controllerの場所を入力します。「接続テスト」を実行して場所が正しいことを確認し、サーバーを追加してください。

(9)Delivery Controllerの追加が終わったら、「次へ」ボタンをクリックします。

(10)「機能」では、すべての項目にチェックを入れて、「次へ」ボタンをクリックします。

fig06

(11)「ファイアウォール」の設定では、デフォルトのまま、「次へ」ボタンをクリックします。

fig07

(12)「概要」ではこれまでの設定を確認して、問題がなければ「インストール」ボタンをクリックします。VDAのインストールが始まります。

fig08

(13)VDAのインストール中、Windows Serverの再起動が要求されますので速やかに再起動を行います。再起動後、VDAのインストールが続行されます。

(14)Windows Server 2012にVDAのインストールが終わったら、「完了」ボタンをクリックして再起動をします。

fig09

 以上で、VDAのインストールは完了です。
 続いてCitrix Studioを起動してWindows Server 2012をリソースとして追加します。

マシンカタログの作成

 VDA7をインストールしたWindows Server 2012をXenDesktop 7のリソースとして追加するには、仮想デスクトップを登録したときと同様、Citrix Studioでまず「マシンカタログの作成」を行います。以下の手順に従って環境を構築してください。

(1)Citrix Studioでマシンカタログの作成を実行します。

(2)「マシンカタログの作成」ウィザードが表示されます。

(3)「オペレーティングシステムおよびハードウェア」で「Windowsサーバーオペレーティングシステム」を選び、「次へ」ボタンをクリックします。

fig10

(4)「マシン管理」では「仮想マシン」、「ほかのサービスまたはテクノロジ」を選び、「次へ」ボタンをクリックします。

fig11

(5)「仮想マシン」では、追加するWindows Server仮想マシンを選択します。ハイパーバイザー上の仮想マシンから、アプリケーション配信サーバーとする仮想マシン(本例ではappsrv)を選び、「OK」ボタンをクリックします。

fig12

(6)仮想マシンの選択が終わったらコンピュータアカウントを紐づけます(本例ではVDI¥appsrv)。追加が終わったら「次へ」ボタンをクリックします。

fig13

(7)「概要」ではこれまでの設定を確認して、問題がなければ追加するカタログに名前の設定します。任意でカタログについての説明を設定することもできます。入力と確認が終わったら、「完了」ボタンをクリックします。

fig14

(8)マシンカタログが追加できました。

fig15

 次にこのカタログを利用するために、デリバリーグループを作成しましょう。

デリバリーグループの作成

 マシンカタログの作成により、サーバーリソースの追加を行いました。次はサーバーリソースでどういった内容のリソースをクライアントに提供するのか設定しましょう。
 デリバリーグループの作成「デリバリーグループの作成」は以下の手順に従って環境を構築してください。

(1)Citrix Studioでマシンカタログの作成を実行します。

(2)「デリバリーグループ作成」ウィザードが表示されます。

(3)「マシンカタログ」からリソースを選び、追加するマシン数を1に設定し、「次へ」ボタンをクリックします。

fig16

(4)「配信の種類」は「アプリケーション」を選び、「次へ」ボタンをクリックします。

fig17

OnePoint!
追加するWindows Serverのデスクトップ環境を公開するには「デスクトップ」を、Windows Serverのデスクトップを公開し、アプリケーションも公開するには「デスクトップおよびアプリケーション」を選んでください。

(5)「ユーザー」ではデリバリーグループにアクセスを許可するユーザーおよびグループを設定します(本例ではOU「XenDesktop7」を追加)。

fig18

(6)「アプリケーション」では公開するアプリケーションを選択します。アプリケーション配信サーバー(本例ではappsrv)にインストール済みのアプリケーション一覧が表示されます。公開するアプリケーションを選び、「次へ」ボタンをクリックします。

fig19

One Point!
アプリケーションによって正常に動かない場合があります。

(7)「概要」ではこれまでの設定を確認して、問題がなければ追加するデリバリーグループに名前の設定します。任意でこのグループについての説明を設定することもできます。入力と確認が終わったら、「完了」ボタンをクリックします。

fig20

(8)公開アプリケーションの設定が終わりました。Citrix Studioでアプリケーションが登録されていることを確認します。

fig21

StoreWebサイトからアクセス

 StoreWebにログインして、公開アプリケーションを実行してみましょう。

(1)ユーザー名、パスワードを入力してログインします。

fig22

(2)下部にある「アプリケーション」と「デスクトップ」のボタンのうち、「アプリケーション」ボタンをクリックします。

(3)左端の「+」ボタンをクリックします。

fig23

(4)「すべてのアプリケーション」一覧から、ユーザーが利用したいアプリケーションを選択します。

fig24

(5)アプリケーションを追加できました。

fig25

アプリケーションの起動

 公開アプリケーションの起動は、追加したアプリケーションのアイコンをクリックするだけでアクセスできます。たとえばLibreOfficeを起動するとこのように利用できます。

(1)公開アプリケーションの中から「LibreOffice」アイコンをクリックします。

fig25

(2)LibreOfficeが起動します。

fig26

(3)ローカル上でアプリケーションを実行しているかのように公開アプリケーションを実行できます。日本語入力ももちろん可能です。

fig27

 いかがだったでしょうか。アプリケーションの配信にはXenAppを必要としていた以前のバージョンと比べて、公開アプリケーションの設定が非常に分かりやすく、手間無くできるようになったのがわかっていただけたと思います。

 まだデスクトップ仮想化を迷っている事業者の皆さん、XenDesktopには30日評価版がありますので、ぜひ実際に環境を構築してみて、使い勝手や操作感などを実際の目で見て確認してください。以前のバージョンのCitrix製品を使ったことがあるのであれば、より便利に、導入しやすくなったXenDesktop 7に驚くことでしょう。

 


 

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