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第12回 サポート終了までわずか!Windows XPからデスクトップ仮想化へ (提供:デスクトップ仮想化ニュース) 2013年11月

13年の月日を経てWindows XPサポート終了

 2014年4月9日のWindows XPのサポート終了は既にマイクロソフト社からアナウンスされてご存知のことと思います。サポート終了によりWindows XPユーザーや導入企業は以下のサービスを受けられなくなります。

  • 修正プログラムやサービスパックの提供
  • セキュリティ更新プログラムの提供
  • テクニカルサポートやカスタマーサービスの提供

 2001年から販売を開始しているWindows XPは、いまだに数多くの企業で利用されています。そして多くの企業は、Windows XPが販売されてから13年の月日を経ていよいよ新しいオペレーティングシステムへの移行を余儀なくされています。

なぜWindows XPを移行しないといけないのか?

 その理由は大きくわけて2つに集約されます。一つ目は「セキュリティ」です。今まではOSにおけるセキュリティ問題が発生した場合には、マイクロソフト社により随時修正されてきました。

 しかし、2014年4月9日以後はそれが行われなくなります。その結果、XPを使用しているPCはウィルス・ハッキング等の攻撃対象になりやすく、企業経営に大きな損失を与える可能性があるのです。

 2つ目は「各種Windows XP対応ソフトの互換性」です。現在、業務で利用している各種ソフトウェアもXP対応を終了してしまいます。たとえば、マイクロソフト社では、Windows XP終了に伴いOffice 2003およびInternet Explorer 6もサポートを終了しますし、3rdパーティ製のソフトウェアに関して同じような状況になっています。

 その結果、サポートを受けられず、業務に多大な支障が発生する可能性があるのです。

 また、ノークリサーチの調査結果によると、2012年の段階で企業がクライアントOSとして採用している割合は、全体ではWindows 7が46.0%で最も高いものの、次にWindows XPが45.4%となっています。特に従業員数が50人から1000人までの中堅・中小企業になると半数以上がWindows XPを利用しています(出典:2012年中堅・中小企業におけるPC刷新の現状と今後に関する調査報告(ノークリサーチ))。

 つまり、多くの企業ではクライアントPCのOSをWindows 7/8に移行する必要に迫られているのです。

多大なコストと作業が発生する新OSへの移行

 企業は、多くのWindows XPを搭載したPCをアップグレードするのに多大なコストと労力を余儀なくされています。新しいOS上での既存のソフトウェアやハードウェアの動作検証やインストール作業、またBIOS、OS、アプリケーションの設定やデータの移行、変換作業など、そして動作確認作業などOSの移行の際に発生する作業は膨大なだけでなく深い知見を有した従業員の負担が必要なのです。これらの作業は、企業が有しているPCやアプリケーション数に比例しているため大企業になればなるほど、その労力が大きくなります。

 そうした中、Windows XPからの移行に当たって、次なるクライアント環境としてぜひとも検討したいのが、デスクトップ仮想化の導入です。デスクトップ仮想化は、セキュリティ強化や生産性向上、変化への迅速な対応、ワークスタイル変革、運用コスト低減、業務の継続性など数々の経営課題を解決できるソリューションであり、企業の規模を問わず現在注目を集めています。

 IDC Japanの発表によると、デスクトップ仮想化の導入率が20%に達しキャズムを超え、導入が促進されると報告されています。導入のニーズが非常に高まっているにも関わらず、デスクトップ仮想化の導入を検討する企業の中には途中で断念するところも多いのが現実としてあります。

 その大きな理由が、初期コストアプリケーション互換性の評価が課題となってしまうことにあるのです。しかしどちらの課題も、適切な手法やソリューションを適用することで解決できます。では、いかにすれば自社に合ったデスクトップ仮想化環境を導入できるのか説明することにします。

適切なデスクトップ仮想化を選定しコストを削減する

 一般的に「デスクトップ仮想化=VDI(Virtual Desktop Infrastructure)」という認識が定着していますが、実はこれは正確ではありません。デスクトップ仮想化には、いくつかの配備方式が存在します(関連記事:デスクトップ仮想化とVDIの違い)。

 そして、デスクトップ仮想化の初期コストを最適化するために有効なのが、従業員(ユーザー)のタイプに合わせてそれぞれの配備方式を適用することになります。

 デスクトップ仮想化の導入時に初期コストが増加してしまう原因のほとんどは、すべてのユーザーにVDIで配備しようとするために生じてしまうということを理解する必要があるのです。

 主要な、仮想デスクトップ配備方式には、サーバー共有デスクトップ、VDI、リモートPC、ネットブート、クライアントハイパーバイザー、オンデマンドアプリケーション配信があります。働き方に応じてデスクトップ配備方式を使い分けることにより最適なコストでデスクトップ仮想化を実現するのです。より詳細は、「デスクトップ仮想化の導入を阻害するコスト問題を解決する」をご覧ください。

プロジェクトの成功には、アセスメントによる現状把握が重要

 実は、全社規模のデスクトップ仮想化の導入を検討する企業にとって、現行のユーザー業務の把握および使用しているアプリケーション、端末要件とデスクトップ配備方式の適切なマッチングは決して容易ではありません。この点を踏まえ、シトリックスは、導入前のアセスメント(デスクトップトランスフォーメーションアセスメント)をはじめとする各種コンサルティングサービスを提供しています。

 同サービスは、現行の端末とバックエンドインフラストラクチャーを含む現行環境分析やユーザーユースケース分析、アプリケーション互換性分析などを基にユーザーセグメンテーションを行い、各ユーザーに最適な仮想デスクトップの配信方式 - FlexCastモデルを確立し、デスクトップ仮想化の全体構成と導入ロードマップを策定します。

 デスクトップトランスフォーメーションアセスメントによる方式策定によって、ユーザーのカバー率と導入コストを兼ね備え、ユーザーサイドの満足度と経営サイドの満足度を両立させる結果となり、構築・テスト時・パイロット導入時のリスクを最小化させます。また、現状分析の結果、導入対象や規模を決定した後には、システムの基本設計、詳細設計から構築・テスト、パイロット・本番稼働まで一貫してコンサルティングサービスから導入支援を提供します。シトリックスのコンサルティングに関しての詳しいインタビュー記事は、「デスクトップ仮想化の全社展開成功の秘訣とは」をご覧ください。

アプリケーション互換性評価を自動で実施するAppDNA

 一方で、企業は数多くのアプリケーションを有しています。企業が、一度バージョンアップを行うことを決めると、それらのアプリケーションが新しいOSで動作するのかどうかを確かめなければなりません。大企業などではアプリケーションの数が数千に及ぶ場合もまれではなく、ガートナー社の調べによると、1つのアプリケーションを移行するのに約1.5人月かかると試算されているほどです。これが数百、数千に上ることを考えると膨大なコストがかかってしまいます。

 アプリケーション互換性検証の負荷を軽減するソリューションが「Citrix AppDNA」(以下、AppDNA)なのです。

 AppDNAのような互換性ツールを用いる事により、企業は新OSでの互換性を予めチェックすることが可能になります。これは、企業が利用する数多くのアプリケーションが移行後に問題なく動作するかを、独自の評価アルゴリズムを持ったソフトウェアで確認すると言うものです。

 AppDNAのような互換性評価ツールを利用することで、従来、企業が行っていた、OSの移行の際に全アプリケーションの互換性確認を行う必要がなくなります。つまりテスト作業のほとんどを自動化して、移行に伴う時間、コスト、リスクを低減させることが可能になるのです。もちろん、物理PCへの移行だけでなくXenDesktopを利用したデスクトップ仮想化への移行の際に発生する検証作業も短縮可能です。

fig01

AppDNAの検証プロセス

 AppDNAは、互換性評価のためにWindows上で稼働するパッケージアプリケーションやカスタムアプリケーション、Webアプリケーションの内部構造の分析を行います。具体的にはWindows InstallerのファイルであるMSI形式やEXE形式のインストーラから、アプリケーションが利用しているAPIやライブラリの情報を集め、それらが固有のOS環境で引き起こす問題を分析・レポートしてくれるのです。

 また、移行対象に関しても、デスクトップ仮想化におけるサーバー共有デスクトップでの互換性はもちろん、Windows 7 やWindows 8、さらにはIE(Internet Explorer)の各バージョンに依存した互換性を評価することが可能なだけでなく、さらにはMicrosoft App-VやCitrix XenApp Application Streamingのようなアプリケーション仮想化方式での適用可否分析もできます。

 例えば、物理Windows XP環境をサーバー共有デスクトップへ移行する際には、物理Windows XP環境で利用していたアプリケーションのインストーラ(MSIやEXEなど)をAppDNAにインポートすることで、各アプリケーションをサーバー共有 デスクトップへ移行した際に発生しうる問題やその対策がレポートされます。

 具体的には、OS側の設定による回避策や、アプリケーションの改修が必要な場合は、その改修箇所、改修内容の詳細な情報をレポートなども行なってくれます。さらには、インストールパッケージに問題がある場合は、対策済みのインストールパッケージの再作成をも自動的に行うため、互換性評価のみならず必要な修正を行う機能も持っている特長があります。加えてサーバー共有デスクトップにおけるアプリケーション互換性を評価するためにサーバーデスクトップ環境を構築しなくても、問題や対策の情報を得られるのです。

fig02

アプリケーションの互換性を3種類のレベル別に分析・表示

AppDNAの効果

 実際にAppDNAを利用した場合、どれくらいの効果が得られるのか? すでにAppDNAを用いた企業の成果からその効果を紹介します。

 4,700名のユーザー数、500のアプリケーションを有したタワーハムレット社では、Windows XPからWindows 7へと移行するのにAppDNAを利用した。この企業では、元々1,000人日以上の作業工数が見込まれていたが、AppDNAを利用することで工数を大幅に削減。たった2名のリソースでバージョンアップを完了しました。

 さらに、ユーザー数10,000名、350のアプリケーションを有したヴァーテックス社では、Windows Server 2008を使ったサーバー共有デスクトップ環境への移行にAppDNAを利用しました。これにより、移行の工数の89%に当たる620人日を削減するだけでなく、移行プロジェクトを3カ月短縮。プロジェクト費用の32%を削減しました。

まとめ

 企業は「Citrix XenDesktop」と「Citrix AppDNA」を上手に活用することで、クライアント環境をWindows XPからデスクトップ仮想化へと安全かつ低コストで一気に移行することが可能になります。

 


 

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