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第9回　Linuxのテキストエディタに慣れよう　vi編 (1) viのモードという概念を理解しよう (濱田康貴) 2022年7月

みなさんこんにちは。株式会社パイプラインの濱田です。今回より、Linuxのテキストエディタについて取り上げてみたいと思います。そもそも何故テキストエディタを使えるようになったほうがよいのか、を一言であらわすなら、 Linuxの設定はテキストファイルの編集で行うことが多いからです。ネットワークの設定など、最近ではコマンドラインから設定を行うこともありますが、設定内容はテキストファイルに書き出されますので、テキストエディタを使って設定を確認できるようにもなりたいものです。 Linuxで利用できるテキストエディタにはviおよびvi派生エディタ(vimなど)、nanoなどがありますが、まずはviコマンドを利用してテキストファイルを扱うことができるようになることをおすすめします。

viでテキストファイルを開いてみよう

まず、viをはじめて使う場合、viの起動方法はもちろんのこと、viの終了方法を必ず理解してください。viコマンドで何かしらのテキストファイルを開くこと、正しくviエディタを終了する手順を確認することを本章の目標とします。まずコマンド比較として、catコマンドを使って/etc/hostsファイルを開いてみましょう。

cat /etc/hosts

/etc/hostsファイルの内容が表示されたあと、シェルはプロンプト表示に戻ります。
次に、viコマンドを起動してテキストファイルを開いてみましょう。以下のように「vi ファイル名」とコマンドを打ち込んで実行します。

vi /etc/hosts

先ほどのcatコマンドとは異なり、シェルに戻らずviの画面が開きっぱなしになります。また、vi起動直後は文字列を入力すると、テキストファイルの変更ではなくviのコマンドが実行されます。この状態をviのコマンドモードと呼びます。

それでは、/etc/hostsファイルを不用意に編集してもよろしくないので、viを終了させます。viを終了させるには、viがコマンドモードである状態において、以下の順序でキーをタイプし、Enterキーを押下します。
1. :
2. q
3. !
Enterキー押下後、viの画面が終了し、シェルに戻ります。

viでテキストファイルを作成してみよう

先ほどはviコマンドで既存のテキストファイルを開いて保存せずに終了するところまでできました。しかし、テキストエディタを使うからには、テキストファイルを作成、編集できるようになりたいものです。本章では、ホームディレクトリ直下にtest-ctct.txtというファイルを作成し、文字列を書いて保存するところまでを目標とします。それでは、以下コマンドを実行し、 test-ctct.txt ファイルの編集を開始します。

vi ${HOME}/test-ctct.txt

前章で説明したように、viの起動直後はコマンドモードです。

fig01

画面左上、1行目の1文字目にカーソルがある状態です。このカーソルの位置から文字列を入力しますので、「i」キーを押下します。すると、画面下部に -- INSERT -- と表示されました。

fig02

この状態をコマンドモードから入力モードへ移行した、といいます。それでは「abc」と入力してみましょう。

fig03

1行目に「abc」と入力され、カーソルは1行目の4文字目に位置しています。これはvi編集画面下部にも「1,4」と表示されていることからもわかります。それでは、この状態から test-ctct.txt ファイルを保存します。viコマンドの中でファイルを保存するには、viをコマンドモードにします。先ほど、文字列を入力していた入力モードからコマンドモードへ移行するには、ESCキーを押下します。

viが入力モードからコマンドモードへ移行すると、画面下部に表示されていた ? INSERT -- 表示が消えますので、今どのモードかを判別することができます。

fig04

もし今どのモードかわからなくなった場合は、ESCキーを押してコマンドモードに戻る癖をつけるとよいでしょう。

コマンドモードに戻りましたので、viの保存コマンドを実行します。

fig05

viがコマンドモードである状態において、以下の順序でキーをタイプし、Enterキーを押下します。
1. :
2. w
3. q
4. !
Enterキー押下後、viの画面が終了し、シェルに戻ります。

それでは、catコマンドでtest-ctct.txt ファイルを開いて、「abc」文字列が書き込まれたことを確認しましょう。

cat ${HOME}/test-ctct.txt

以下のように「abc」と表示されれば成功です。

fig06

今回はviコマンドを用いて以下のテキストファイル操作ができるようになりました。

1. テキストファイルを開いて保存せずにシェルへ戻る
2. 新しいテキストファイルを作成し、保存してシェルへ戻る

次回は、今回作成した test-ctct.txt テキストファイルをviコマンドで編集する手順を取り上げます。
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