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第74回 ITエンジニアのための英語学習法(その2) (中井悦司) 2015年9月

はじめに

 みなさん、こんにちは。今回は、おもむろに宣伝から始めさせてください。待望(?)の「Docker実践入門」が技術評論社より発売になりました。Dockerの基礎から応用、そして内部構造の解説まで、コンパクトに凝縮した一冊です。書店で見かけた際は、一度、手にとっていただけると幸いです。

 それでは、前回に続いて、ITエンジニアの英語学習法をテーマに話を進めたいと思います。今回は、「英語で考える練習」についてです。

「脳みその構造」を理解する

 前回は、「普段からいろいろな事を英語で考えておくことで、自分の考えを英語で説明することが得意になる」という話をしました。しかしながら、「いきなり英語で考えるなんてどうすれば・・・」という方も多いでしょう。そこでまずは、エンジニアらしく、「脳みその構造」を分析するところからはじめましょう。

 図1は、筆者が経験的に感じている自分自身の「脳みその構造」です。ある程度英語が得意な方なら、「そうそう、こうなってるよね」と共感してもらえると思います。人間の頭の中には、特定の言語によらずに物事を考える仕組みが用意されており、それを日本語で表現したり、あるいは、英語で表現したり、ということを行います。Webアプリケーションで言えば、ビジネスロジック層とプレゼンテーション層の違いのようなものですね。

fig01

図1 日本語と英語を使う「脳みその構造」

 一方、伝統的な日本の学校の授業では、「日本語」と「英語」を互いに翻訳する方法を習います。たとえば、英文の読解では、与えられた英文の文法を解析して、それぞれのパートに対応する日本語の文章を当てはめていきます。鉛筆を握りしめて、英文に区切り記号や矢印をつけていく練習をした思い出があることでしょう。

 しかしながら、これでは、日本語と英語の表現を相互変換することはできても、自分の考えをはじめから英語で表現することは不可能です。英語がネイティブの人々には「日本語で表現する回路」はありませんので、「言語に依存しない思考回路」からの出力を「英語で表現する回路」に直結することで、英語での表現を行っているはずです。日本人が英語で考える場合でも、これと同じことを実現する必要があります。

「言いたいことの本質」をまとめる練習法

 それでは、英語がネイティブの人々と同じ方法で考えるにはどうすればよいのでしょうか? それは、「言語に依存しない思考回路」と「英語で表現する回路」のつながりを意識的に鍛えることです。母国語である日本語を使う場合、脳みその内部では、「言語に依存しない思考回路」からの出力を「日本語で表現する回路」に直結する操作が自然に行われています。あまりにも自然すぎて、もはや、「言語に依存しない思考回路」の存在を意識することすらありません。これは、2つの回路のつながりが十分に鍛えられているからこその状態です。

 そこで、日本語で考えた内容をそのまま英語に翻訳するのではなく、まずは一度、「自分が言いたいこと」をなるべく簡単な形で箇条書きにしてみます。そして、その箇条書きを1つずつシンプルな英語に直してみましょう。はじめは、1項目を1センテンスでできるだけ簡潔に表現してください。その後は、元の日本語の内容は忘れて、箇条書きの英語を頭の中で繰り返します。やがて、その内容が英語のままで理解できるようになるはずです。これが、「言語に依存しない思考回路」と「英語で表現する回路」がつながった状態に他なりません(図2)。

fig02

図2 「言いたいことの本質」を抽出して考える練習法

 英語でそのまま理解できることであれば、それをいきなり英語で言うこともそれほど困難ではないはずです。この練習を続けて、「いきなり英語で言えること」のストックを増やしていけば、「最初から英語で考える」という感覚がつかめるようになるでしょう。

次回予告

 今回紹介した「脳みその構造」は、筆者が勝手に考えだしたものですが、英語で会話をしていると、突然、日本語の単語が思い出せなくなるなど、「日本語の回路」と「英語の回路」が独立している事を実感するのは事実です。「言語に依存しない思考回路」と「英語で表現する回路」のつながりを鍛えるという意味では、英語の文章を読む際にも、「日本語の回路」を使わずに、英語のままで理解する訓練をするとよいでしょう。

 次回は、英語の学習法をテーマにした最後の話題になります。上級者向けの学習法として、あえて「日本語と英語を同時に使う」という事について考えてみます。「それよりもっとオープンソースの技術の話が聞きたい!」という読者の方も、もう一度だけお付き合いください。

 

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