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第3回 Linuxディストリビューションを知ろう(Debian編) (小澤昌樹) 2017年5月

はじめに

みなさん、こんにちは。株式会社シオラボの小澤です。コラム「Linuxでブラ散歩」の第3号です。

前回まで2回のコラムでは、ラズパイをセットアップし、温湿度・気圧センサーを使った気温、湿度、気圧の測定をしてみました。IoT関係は、今後需要が拡大しそうな分野ですので、動向をチェックしながらいろいろと試してみるとよいですね。

さて、今回のコラムからは、Linuxを改めて勉強し直すようなテーマを取り上げようと思います。

Linuxには様々なディストリビューションがあります。開発や運用で使っていてお馴染みのものもありますが、名前は聞くけど実はよく知らないものも多く存在します。そもそも何がどう違うか説明できないことや、初心者におススメのディストリビューションと言ってすぐに思いつかないこともあったりします。

このコラムでは、これから数回に渡って、いくつかのディストリビューションを取り上げつつ、それがどのような特徴を持っているのか、どのような用途に向いているのか、などを紹介していこうと思います。

ディストリビューションタイムライン

まず、Linuxのディストリビューションには系統があります。UbuntuとCentOSでは、パッケージインストールコマンドが違うなと思っていた方もいるのではないでしょうか。これは源流の違いからきています。

GNU/Linux Distribution Timelineというサイトに、ディストリビューション系列のタイムラインが掲載されています。とても多くのディストリビューションが存在することが分かりますね。一覧ではすべてを見ることができないほどの数です。

そのタイムラインを抜粋すると、

fig01

このような感じですが、これで全体の4分の1ほどです。

タイムラインをざっと眺めると、ディストリビューションの源流には数種類しかないことに気づきます。源流となっているものは、Debian、Slackware、Red Hatです。そして、これらの源流の他に、途中から誕生したArch Linuxなどがあることが分かります。

さらに、もう少しタイムラインを追って見ていくと、Debian系ではKnoppixやUbuntu、Red Hat系ではFedoraから派生したディストリビューションが多いことも分かります。Red Hat系ではCentOSというとても有名なディストリビューションがありますが、こちらからの派生はほとんどないですね。

もっとも大きな派生を作っているのは、Debian系です。派生した中でも、特にUbuntuはとても有名なディストリビューションです。Debian自体も汎用性と安定性から人気がありますし、Linux Mintというディストリビューションもデスクトップが洗練されていることで、ここのところ人気が出ています。

今回は、最初ということで、多くの方にお馴染みの「Ubuntu」を紹介します。

Ubuntu

fig02

ホームページ:Ubuntu Japanese Team

Ubuntuとは、アフリカの単語で「他者への思いやり」や「皆があっての私」といった意味を持っているそうです。「誰にでも使いやすい最新かつ安定したOS」を提供することが開発目的となっています。

誰にでも使いやすいというところでは、Ubuntuからさらに派生している、教育用にカスタマイズされた「Edubuntu」というディストリビューションもあります。このディストリビューションは特徴的なので、機会を見つけて紹介したいと思います。

さて、ディストロウォッチによると、過去6ヶ月のページヒットランキングで、Ubuntuは4位となっています。もっと高いと思っていましたので、これは意外でした。

Linuxというとサーバー用途が多いイメージですが、Ubuntuはデスクトップ用途として使われることが多いようです。デスクトップ環境には、Ubuntu11.04から「Unity」という独自システムが採用されました。最近では軽快に動作するようになっていますが、このGUIに慣れずに、Linux Mintに移行したユーザーもいるようです。先ほどのディストロウォッチのランキングでは、Linux Mintが1位です。

ちなみに、Ubuntuは、デスクトップ環境の違いで、ディストリビューションが変わります。
デスクトップ環境がKDEだと「Kubuntu」、LXDEだと「Lubuntu」、Xfceだと「Xubuntu」、GNOME Shellだと「Ubuntu GNOME」となっています。

Ubuntuのリリースですが、通常、4月と10月の年2回、半年ごとに定期的に行われます。頻繁にアップデートがリリースされるディストリビューションと言えます。ただし、リリースバージョンには通常版と長期サポート版(LTS版)があり、それぞれサポート期間が異なるので注意が必要です。

通常版のサポート期間は、リリースから9ヶ月なので、常に最新バージョンへのアップデートを行う必要があります。一方、長期サポート版のサポート期間はリリースから5年です。バージョンアップを行わずに安定した環境を求める場合はこちらを選択したほうがよいでしょう。長期サポート版の最新は2016年4月にリリースされた「Ubuntu16.04 LTS」です。

まとめ

今回は、Ubuntuしか紹介できませんでしたが、次回もDebian系で別のディストリビューションを紹介します。

導入のハードルが少しでも下がるような紹介ができればよいなと思っています。それでは、また!

 


 

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