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第10回 仮想マシンの管理、設定、リモート接続(3) (小澤昌樹) 2020年10月

本コラムは過去コラム「なるほど、Microsoft Azure」の2020年補足版です。

なるほど、Microsoft Azure - 第4回 仮想マシンの基礎知識 (2) ~仮想マシンの管理、設定、リモート接続編~

1. はじめに

みなさん、こんにちは。株式会社シオラボの小澤です。前回のコラムでは、仮想マシンを作成した後に新たにディスクを追加する方法について説明しました。Azureポータルでのディスクの追加操作以外に、仮想マシンにSSHでログインしてからの、マウントコマンドの発行が必要になるところが注意点でしたね。
さて、今回は、仮想マシン作成後に発生しがちな変更として、仮想マシンのIPアドレスを固定する方法と、サブネットマスクを設定する方法について解説しましょう。

2. 仮想マシンのIPアドレスを固定する

仮想マシンを作成すると、パブリックIPアドレスとプライベートIPアドレスが自動で割り当てられます。割り当てられたパブリックIPアドレスは、仮想マシンを停止して「割り当て解除」状態にすることで開放され、次回起動時には、ほぼ別のIPアドレスに変更されてしまいます。仮想マシン上にWebサービスを構築して提供しているような場合は、パブリックIPアドレスが変更されるたびに、DNSへドメインとパブリックIPアドレスの紐付けを登録し直す必要が出てきます。また、アクセスログなども多くの場合はIPアドレスが記録されます。このように、IPアドレスが途中で変更されてしまうと、現実的な運用に支障が出る場合もありますので、IPアドレスの固定化をおこなった方がいい場合もあります。

①パブリックIPアドレスの固定化

Azureの仮想マシンで、パブリックIPアドレスの固定は次のようにおこないます。
まず、Azureの管理ポータル(https://portal.azure.com)を開き、仮想マシンを選択し、「ネットワーク」のところにあるパブリックIPアドレスのリンクを押します。

fig01

パブリックIPアドレスの構成画面に遷移したら、割り当てを「静的」に変更し、「保存」を押しましょう。これだけで、現在割り当てられているパブリックIPアドレスが固定化されます。

fig02

なお、静的なパブリックIPアドレスは、最初の5つまで、1時間あたり0.4032円です。それ以降は、1時間あたり0.896円となります。(執筆時点。東日本リージョン。)1時間あたり0.4032円は、1ヶ月(30日)あたり、約290円となります。IPアドレスが動的な場合は、仮想マシンを停止して「割り当て解除」とすると課金も停止されますが、固定化した場合には、仮想マシンを停止しても課金されることに注意しましょう。

②プライベートIPアドレスの固定化

一方、仮想ネットワーク内に複数の仮想マシンが存在し、相互に連携しているような場合には、プライベートIPアドレスを固定したいといった要望もあるでしょう。プライベートIPアドレスの固定は次のようにおこないます。
パブリックIPアドレスの固定化と同じように、管理ポータルの仮想マシンを選択し、「ネットワーク」-「ネットワークインターフェイス」-「IP構成」を選択します。

fig03

ここで、「ipconfig1」を開きます。その中にある「プライベートIPアドレスの設定」を「静的」に変更することで、指定したプライベートIPアドレスを固定化することができます。

fig04

なお、指定できるプライベートIPアドレスは、仮想マシンが所属するサブネットマスクに含まれている必要があります。もし、サブネットマスクも自由に設定したいという場合は、仮想マシン作成時に設定しなければなりません。また、プライベートIPアドレスを静的にする設定をしたとしても、仮想マシンのTCP/IP属性はDHCPクライアントのままなので注意点として留めておきましょう。

3. 仮想マシンのサブネットマスクを変更する

仮想マシンは通常、事前に設定されている仮想ネットワーク上の特定のサブネットマスクに配置されます。サブネットとは、ネットワークの範囲を定義するもので、「10.0.0.0/24」であれば、論理上は256個のアドレスを使用することができます。このサブネットを指定するには、仮想マシン作成時に指定するしか方法がなく、次のようにします。
仮想マシンの作成画面で、基本情報やディスク情報を入力し、「ネットワーク」のタブに進みます。「仮想ネットワーク」の「新規作成」を押して、「仮想ネットワークの作成」画面を開きます。

fig05

「仮想ネットワークの作成」画面を開いたら、アドレス空間にすでに設定されているアドレス範囲(10.x.x.x等)を削除し、新たに「192.168.0.0/16」を入力します。さらにサブネットのアドレス範囲にも「192.168.0.0/16」を指定します。この場合は、65536個のアドレスを使用できる設定となります。

fig06

OKを押して、仮想ネットワークを作成したら、仮想マシンを作成します。すると、「192.168.0.4」というプライベートIPアドレスで仮想マシンが作成されていることが分かります。

fig07

仮想マシンの作成後にサブネットを変更しなければならない場合は、仮想マシンを削除しなければなりません。よって、サブネットの設計は仮想マシン作成前に十分検討しておく必要があります。

今回は、仮想マシンに接続されている仮想ネットワークに関連したTipsを2つ紹介しました。仮想ネットワークは、Azure内に独自のネットワークを構築できるサービスで、その設定には少しポイントがあります。次回は、この仮想ネットワークについての解説を進めていくことにしましょう。次回もよろしくお願いいたします。

 


 

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