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第11回　Pythonの基本（6）制御構文 (小澤昌樹) 2023年6月

1. はじめに

みなさん、こんにちは。前回までのコラムで、Pythonのデータ型について解説してきました。Pythonの主要なデータ型には、数値型、文字列型、リスト型、タプル型、辞書型、集合型などがあります。それぞれの性質や操作について理解できたでしょうか。データ型はプログラミングにおいて非常に重要な概念であり、つまずきの原因にもなります。しっかり復習しておきましょう。

さて、今回からは制御構文について説明します。制御構文は、プログラムの実行フローを制御するための構文です。制御構文を使用すると、特定の条件に基づいた動作や反復的な処理を実現できるため、プログラムの柔軟性や機能性を向上させるために重要な役割を果たします。制御構文には、条件分岐や繰り返しがあります。

2. 条件分岐

条件分岐は、ある条件に基づいて処理を分岐させるために使用します。条件式が真の場合には if 節の中のコードが実行されます。Pythonでは、インデント（字下げ）によってコードのブロックを形成するので、適切なインデントを使ってブロックを作成する必要があります。

また、必要に応じてelif節やelse節を追加して、複数の条件を評価することもできます。条件式内で論理演算を行うために使用される演算子をブール演算子といい、主なブール演算子には、and、or、notがあります。これらの演算子を使って複雑な条件を組み立てることができます。

条件分岐の制御構文は以下の形式です。

if 条件式1:
    # 条件式1が真の場合に実行されるコード
elif 条件式2:
    # 条件式1が偽で条件式2が真の場合に実行されるコード
else:
    # 条件式1と条件式2が偽の場合に実行されるコード

具体的なサンプルコードは以下のようになります。

value = 10
if value == 5:
    print('5です')
elif value > 10:
    print('10より大きい')
elif value > 5:
    print('5より大きい')
else:
    print('5より小さい')

3. 繰り返し

繰り返しは、与えられた条件が満たされている限り、同じ処理を繰り返し実行するものです。Pythonでは、for文またはwhile文を使って繰り返しの処理を書くことができます。

1.for文

リストや範囲などのイテラブルなオブジェクトの要素を順番に処理するために使用します。for文は指定された回数だけ繰り返し処理を行います。

for 要素 in イテラブルオブジェクト:
    # 要素ごとに実行されるコード

>>> for c in 'Hello':
...     print(c)
... 
H
e
l
l
o

2.while 文

条件式が真の間、繰り返し処理を行うために使用します。while文は条件式が真である限り、ブロック内のコードが繰り返し実行されます。

while 条件式:
    # 条件式が真の場合に実行されるコード

>>> i = 0
>>> while i < 5:
...     print(i)
...     i += 1
... 
0
1
2
3
4

3.range()関数

range() 関数は、連続した数値のシーケンスを生成するために使用されます。主に繰り返し処理において、指定した範囲の数値を反復的に取得するために利用されます。range() 関数の基本的な構文は以下の通りです。

 range(start, stop, step)

 a. start: シーケンスの開始値（省略可能）。デフォルトは0。
 b. stop: シーケンスの終了値（必須）。指定した値は含まれません。
 c. step: 値の増分（省略可能）。デフォルトは1。

具体的には以下のようになります。

>>> for i in range(5):
...     print(i)
... 
0
1
2
3
4

4. まとめ

今回は、Pythonの制御構文について説明しました。基本的な構文であるif文、for文、while文について簡単に説明してきましたが、理解できたでしょうか。次回は、これらの制御構文を使って少し応用的なプログラムを書いてみましょう。次回もお楽しみに！

 

 

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