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こんにちは、穂苅智哉と申します。
このコラムでは、「Webガバナンス」をテーマに様々な切り口で、突っ込んだ内容までお届けしてみたいと思います。
初回は、「Webガバナンス」そのものについてです。
Webガバナンスと聞いて、皆さんはイメージがつきますでしょうか。
「Webのガバナンスのことだろう」と思われた方、その通りです。しかしどういうものなのか、なぜ必要なのか、についてはもしかするとあまり知られていないかもしれません。
そもそも「ガバナンス」というと、統治という日本語で訳されることがあります。会社でもコーポレートガバナンスというものがありますが、東京証券取引所から、「コーポレートガバナンス・コード」という資料がでていました。(※1)以下のように書いてあります。
本コードにおいて、「コーポレートガバナンス」とは、会社が、株主をはじめ顧客・従業員・地域社会等の立場を踏まえた上で、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うための仕組みを意味する。
(※1) https://www.jpx.co.jp/equities/listing/cg/tvdivq0000008jdy-att/nlsgeu000005lnul.pdf
会社が関係者各位に対して、透明で公正な判断を即時に行えるための仕組み・ルールのことと書いてあります。
さて、Webガバナンスの話に進みますが大枠はコーポレートガバナンスの考え方と近いものです。様々な定義があるとは思いますが、本コラムでは以下の定義で統一していきます。
Webガバナンスとは、企業や組織が運営するWebサイトやWebアプリケーションを「統一された方針」と「明確な体制」のもとで管理し、安全性や効率性、ブランド価値を維持・向上させるための枠組みのこと。
企業や団体では、少なくとも1つ、通常は複数のWebサイトやWebアプリケーションを持っています。となると、企業の責任としてはこれらをしっかり管理していくことが求められます。
例を上げてみます。ほとんどのWebサイトには「お問い合わせフォーム」があります。お問い合わせがある人がそこに個人情報を入れて送信する仕組みですが、その個人情報はしっかりと安全に管理されていますでしょうか。
別の例ですが、多くのWebサイトではCMSを使っています。WordPressが一番数としては多いですがそれらのログイン情報は安全でしょうか。
といったように、Webガバナンスが不十分だと、セキュリティを始めとしたかなり多くのクリティカルな問題がでてくるのです。
すべての会社でWebガバナンスはしっかり考えるべきですが、そもそもWebガバナンスが必要となった理由として、Webサイトの増加があります。もちろん量としても増えている状況です。例えば日本のJPドメイン登録数を見ると2025年に1,778,823件で、前年比+22,716件となっています。(※1)
また、上場企業のCMS利用数を調査したデータではWordPressが圧倒的1位の4,930件で、前年比+587でした。(※2)
(※1) https://jprs.jp/about/stats/domains/
(※2)https://oshiete-url.jp/report/cms/2024_8/
更に、生成AIの進化により実務でどんどん利用されるようになってきていることから、ますますWebサイトやWebページは増えてくるでしょう。
そうなると大きな問題としてでてくるのが、「自社管理のWebサイト全体を把握できていない」「セキュリティ対策が不十分」「部署ごとやチームごとに動いているため、無駄なコストが多く発生してしまう」などです。
まとめると以下の点です。
【多くの企業で発生しうる、Webガバナンスがない事による問題】
これらの問題から、Webガバナンスを各企業でしっかり整備していくことが求められています。特に大事な部分を5つの項目で紹介します。
詳細は別の記事で説明していきますが、自社のWebサイト・システムを見た際に、これら項目がクリアかどうかをチェックしてみることをおすすめします。おそらく緊急性が高いであろうものは、「セキュリティ強化」だと思います。
企業として、Webサイト・Webアプリケーションに関する全員が知っていて守るべき部分をルール化し、運用していくことはとても重要です。
このコラムを掲載しているCTC教育サービスでは、Webセキュリティに関するコースを提供しています。Webガバナンスの一環で、Webセキュリティに関する基礎知識を習得し、社内のガバナンスルールとして形にしていくことは非常に大事なことだと考えています。
ご興味ある方は、こちらのリンクを御覧ください。
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