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第35回 Beaconフレーム 2014年3月

 今回のInst. Tech Viewは、「Beaconフレーム」についての話題です。

 Beaconとは、無線LANのアクセスポイント(AP)が定期的に発信している管理フレームの一種です。BeaconにはAP自身の情報が含まれており、無線LANクライアントは近隣のAPが発信するBeaconを収集し、最適なAPを選択します。

 Beaconの中身を知ることで、無線LANクライアントがどうやって接続するAPを見つけるのかを理解することができます。また、無線LANクライアントが目的のAPに接続できない際に、その理由を特定できる可能性もあります。そこで今回は、Beaconに含まれる情報(その中でも特に重要な部分)についてご紹介します。

 実際の無線LAN環境でキャプチャしたBeaconフレームの中身(データ部)を以下に示します。


-------------------Beaconフレームのデータ部(一部抜粋)-------------

【Timestamp】: 3979782523 Microseconds 【Beacon Interval】: 102 【Capability Info】: %0000010000110001 <-------------------1. x....... ........ Reserved .x...... ........ Reserved ..0..... ........ DSSS-OFDM is Not Allowed ...x.... ........ Reserved ....0... ........ Robust Security Network Disabled .....1.. ........ G Mode Short Slot Time [9 microseconds] ......x. ........ Reserved .......x ........ Reserved ........ 0....... Channel Agility Not Used ........ .0...... PBCC Not Allowed ........ ..1..... Short Preamble ........ ...1.... Privacy Enabled(暗号化機能に関するフラグ) ........ ....0... CF Poll Not Requested ........ .....0.. CF Not Pollable ........ ......0. Not an IBSS Type Network ........ .......1 ESS Type Network
【SSID】 <-------------------2. Element ID: 0 SSID Length: 4 SSID: ctct
【Supported Rates】 <-------------------3. Element ID: 1 Supported Rates Length: 8 Supported Rate: 1.0Mbps (BSS Basic Rate) Supported Rate: 2.0Mbps (BSS Basic Rate) Supported Rate: 5.5Mbps (BSS Basic Rate) Supported Rate: 6.0Mbps (Not BSS Basic Rate) Supported Rate: 9.0Mbps (Not BSS Basic Rate) Supported Rate: 11.0Mbps (BSS Basic Rate) Supported Rate: 12.0Mbps (Not BSS Basic Rate) Supported Rate: 18.0Mbps (Not BSS Basic Rate) Supported Rate: 24.0Mbps (BSS Basic Rate) Supported Rate: 36.0Mbps (Not BSS Basic Rate) Supported Rate: 48.0Mbps (Not BSS Basic Rate) Supported Rate: 54.0Mbps (Not BSS Basic Rate)
【RSN Information】 <-------------------4. Element ID: 48 RSN Information Length: 20 Version: 1 Grp Key Cipher Suite: 0x000FAC04 (AES-CCMP) PairwiseKey Count: 1 PairwiseKey Cipher List Pairwise Key Cipher: 0x000FAC04 (AES-CCMP)
AuthKey Mngmnt Count: 1 AuthKey Mngmnt Suite List AuthKey Mngmnt: 0x000FAC02 (PSK認証)
RSN Capabilities: 0x2800
---------------------Beaconフレームのデータ部(一部抜粋)-------------

 このようにBeaconには様々な情報が含まれていますが、その中でも特に重要なのは「SSID」「サポートレート」「セキュリティ設定」です。

 APに設定されているSSIDは、2.の「SSIDフィールド」に記載されています。このBeaconを発信しているAPには、「ctct」というSSIDが設定されていますから、同じID(ctct)が設定されているクライアントしか接続することができません。

 APのサポートレートについては、3.の「Supported Ratesフィールド」に記載されています。少し複雑ですが、APのサポートレートには「BSS Basic Rate」と「Not BSS Basic Rate」の2種類があり、以下のような違いがあります。

◆BSS Basic Rate
 このAPに接続するクライアントが必ずサポートしなければいけない必須のデータレート。

◆Not BSS Basic Rate
 APがサポートするデータレート。クライアント側は必須ではない。

 このAPでは「24Mbps」がBSS Basic Rateとして設定されているため、802.11bのクライアントは接続できないことがわかります。(802.11bの端末がサポートするデータレートは1/2/5.5/11Mbpsの4種類だけです。)

 1.の「Capability Infoフィールド」には、APで暗号化機能が有効になっているかどうかが記されています。このフィールドの中には暗号化機能に関するフラグがあり、このフラグが「1」にセットされている場合は暗号化機能が有効であることを表します。

 さらに、暗号化がWEPではなく「WPA2/IEEE802.11i」の場合、Beaconの中に4.の「RSN Informationフィールド」が追加され、その中に暗号化方式や認証方式に関する情報が記載されます。このAPではWPA2/IEEE802.11iが設定されており、暗号化方式は「AES-CCMP」、認証方式は「PSK認証」であることがわかります。
 当然、異なるWPAバージョン/暗号化方式/認証方式のクライアントは接続することができません。

 このように、Beaconに関する知識が無線LANのトラブルシュートに役立つケースもありますので、参考にしていただければと思います。

 なお、今回のコラムではBeaconについてだけ紹介しましたが、無線LANにはこの他にも重要なフレームが数多く存在します。こうした様々な無線LANフレームの解析に興味がある方は、ぜひ弊社の無線LANコースをご検討ください。
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