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第8回 Hyper-Vでも活用したいWindows Server 2012 R2のストレージ新機能 (小塚大介) 2013年9月

 Hyper-Vをはじめとしたサーバー仮想化のシステムでは、ストレージのパフォーマンスが仮想マシンのパフォーマンスに大きく影響します。ストレージがボトルネックになって仮想マシンのパフォーマンスが低下してしまっては、せっかく構築したシステムが台無しです。Windows Server 2012は、自ら低コストで実現可能なストレージとして振る舞えるようになっていますが、最新OSであるWindows Server 2012 R2ではストレージの機能も強化されて、安価に高いパフォーマンスを実現可能になる予定です。
 今回はHyper-Vを利用する皆様にとって、とても重要な機能となるであろう、Windows Server 2012 R2に搭載予定の階層化ストレージについて取り上げます。

 現在、多くのサーバーにはハードディスクが搭載されており、より高いパフォーマンスが必要な場合はSSDを搭載するケースも出てきました。 ハードディスクは現在も進化していて容量の他にIO性能も向上しています。このハードディスクはサイズが大きなファイルを読み書きするようなシーケンシャルIOは高速ですが、サイズの小さなファイルを大量に読み書きするなどのランダムアクセスは苦手としています。
 結果として、OSやアプリケーションの起動や複数のアプリケーションから同時に読み書きするなどの処理に時間を要してしまう傾向があります。
 一方SSDはシーケンシャル・ランダムIO共に高速で、とても高いIO性能を必要とするサーバーに搭載されています。また、振動に強いこともあってノートパソコンへの搭載も進んでいます。SSDの弱点は価格でハードディスクと比較すると高価で容量の少ないことが一般的です。

価格と容量とパフォーマンスのバランスをとる階層化ストレージ

 このHDDとSSDを組み合わせてそれぞれの弱点を打ち消そうとしたのが階層化ストレージという考え方で、一部のストレージ専用機では以前から搭載されていた機能です。考え方はシンプルで、SSD等で構成する高速低容量階層をHDD等で低速高容量階層を作り、頻繁にアクセスするファイルや高速なレスポンスが必要なファイルは高速階層へ、それ以外のファイルは低速階層を使って処理を行います。この2つの階層はアプリケーションからは1つのストレージとして認識されるため、高速で高容量なストレージとして扱うことができます。

fig01
図:Windows Server内のストレージとしての動作

 この階層化ストレージがWindows Server 2012 R2では記憶域プールの新機能として追加されました。Windows Server 2012 R2では、接続されているストレージドライブがHDDかSSDなのかを識別し、記憶域プールを作成するときにHDDとSSDによる階層化ストレージを構成可能になります。

fig02

 この新機能によって、価格・容量・性能のバランスが取れたストレージをWindows Server標準の機能で実現が可能になります。

さらに書き込みパフォーマンスを向上させるWrite Back Cache機能

 合わせて、ストレージのパフォーマンスを向上させるために投資されているのがWrite Back Cacheです。これはWindows Serverで階層化ストレージを作成した際に自動で設定されます。このWrite Back Cacheの機能は、SSDの一部を書き込みキャッシュとして利用するものです。Windows Server 2012 R2ではデフォルトで1GBの領域を書き込みキャッシュ領域として確保します。この機能によって、HDDが苦手なランダムIOの書き込みもキャッシュを利用して高速なレスポンスを実現できます。

fig03

 Windows Server 2012 R2ではHyper-Vそのものの強化だけではなく、ストレージやネットワークなど、仮想化基盤としての価値を高めるための機能が搭載されています。現在はWindows Server 2012 R2のPreviewがダウンロード可能ですので、ぜひ新しいWindows Serverをお試しください!(ダウンロードはこちらから)

 


 

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