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第7回　Windows Server 2012 R2 Previewが公開されました！ (小塚大介) 2013年8月

　ついにWindows Server 2012 R2 Previewが公開されました！　このWindows Server 2012 R2 Previewは、たくさんの新機能を実装しており、エンタープライズクラスのシステムへの対応できる力を持ちつつ、高いコストパフォーマンスを発揮するサーバーOSへと進化しています。

（Windows Server 2012 R2 Previewのダウンロードはこちら）

　今回はWindows Server 2012 R2 Previewに搭載されるHyper-Vの新機能の中から注目の新機能の概要と魅力をお伝えします。詳細については次回以降、順次お伝えします。

※以下の内容はすべてWindows Server 2012 R2 Previewをもとに記載しています。
　製品版のリリース時には仕様等が変更されている場合もありますのでご了承ください。

第2世代の仮想マシン

　Windows Server 2012 R2 Previewでは2種類の仮想マシンを作成することができます。1つは今までと同じ第1世代の仮想マシン、もう一つは新しい第2世代の仮想マシンです。この第2世代の仮想マシンでは、UEFIというインターフェースが採用されています。UEFIとはこれまでのBIOSに代替されるもので、システムの起動時に最初に読み込まれてOSの起動などを行います。UEFIではBIOSと比較してより高速にOSを起動でき、システムのセキュリティ強化などが可能になります。現在販売されているPCの多くはUEFIが採用されており、Windows 8やWindows Server 2012からはこのUEFIに最適化されています。今回このUEFIが仮想マシン環境でも利用可能になりました。
　また、第2世代の仮想マシンではSCSI接続された仮想ハードディスクや仮想DVDからのブートや、レガシーではない仮想NICでのPXEブートが可能になりました。第1世代の仮想マシンではエミュレートされたIDEデバイスやレガシーNICでのみブート可能だったので、第2世代では仮想マシンの更なる性能向上を期待できます。

第2世代の仮想マシン設定画面（左）と第1世代の仮想マシン設定画面

ストレージQoS

　Windows Server 2012 R2 Previewでは仮想ハードディスクのIO制御が可能になりました。いままでネットワークの帯域制御は可能でしたが、この機能で仮想マシンのストレージIO性能を管理することにより、1つの仮想マシンがストレージのIOを大量に行って他の仮想マシンのパフォーマンスに影響するようなトラブルを防ぐごとができます。
ストレージQoSの設定画面 1

ライブマイグレーションの強化

　Windows Server 2012 R2 PreviewのHyper-Vはライブマイグレーションも強化されています。これまでのTCP/IPベースのデータ転送に加えて、データ圧縮を行ってTCP/IPでデータ転送を行うオプションや、SMB 3.0ベースのデータ転送も選択可能になっています。SMB3.0を活用すると、SMBが持つRDMA（Infinibandなどの技術）やSMBマルチチャネルなどの機能を利用してより効率的にデータ転送を行うことができるようになります。
　このように、Windows Server 2012 R2 Previewの環境になると、ネットワークの帯域が潤沢な場合は今まで通りの方法、帯域が狭い場合は圧縮を有効化、RDMAが利用可能なハードウェアを利用している場合は SMB3.0を利用するなど、よりシステムに適した方法を選択することができます。
　このほかに、Windows Server 2012のHyper-VからWindows Server 2012 R2 PreviewのHyper-Vへのライブマイグレーションも可能になっています。これによりHyper-V環境のバージョンアップを簡単かつスムーズに実行できるようになっています。

Linuxのサポート強化

　Windows Server 2012 R2 PreviewのHyper-VではLinuxのサポートも強化されています。具体的には、最新の統合サービスのインストールされたLinuxにおける動的メモリのサポートや、Windows側のバックアップ機能を利用したLinux仮想マシンのオンラインバックアップなどです。
　Windows ServerはHyper-VでもいいけどLinuxは無理だと思っている方は、そろそろ考え方を見直す時期が来ているとも言えるでしょう。

　今回は Windows Server 2012 R2 Previewの新機能から4つだけをお伝えしましたが、ほかにもWindows Server 2012 R2 Previewにはたくさんの新機能が搭載されており、Hyper-Vに関する新機能のほかにもストレージやネットワーク、Active DirectoryやDFS、DHCP、DNSなど、サーバーOSとしての多くの機能が向上しています。ぜひ最新のOSをいち早くお試しください！

※Windows Server 2012 R2 Previewのダウンロードはこちら
　http://technet.microsoft.com/ja-jp/evalcenter/dn205286.aspx?CR_CC=200142594

※Windows Server 2012 R2 Previewの新機能の情報はこちら（英語）
　http://technet.microsoft.com/en-us/library/dn250019.aspx