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先週の7月7日、七夕の日にCentOS7.0が公開されました。「7」つながりでちょっとオシャレな感じですが、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)7.0の公開から、1ヶ月弱での公開となりました。今後、業務でRHEL7を使用するケースも増えてくると思います。今後に備えて、「まずは、CentOS7で事前学習!」という方も多いのではないでしょうか。
すでに、さまざまなBlogで、RHEL7/CentOS7の新機能の紹介もされているようですが、今回は、コマンドレベルでのRHEL6とRHEL7の違いをざっくりとまとめたいと思います。Webで公開されている参考資料も紹介しますので、各コマンドの詳細については、そちらを参考にしてください。もちろん、Red Hatの公式ドキュメントもお忘れなく(*1)。
RHEL7で大きく変わったのが、システムの起動処理とサービス管理の仕組みです。従来は、SysVinit/Upstartが利用されていましたが、新しく「systemd」が採用されました。systemdについては、第33回のコラムでも紹介していましたが、下記のBlog記事では、systemd関連のコマンドが早見表形式でまとめられています。
続いて、ネットワーク関連でも大きな変化があります。まず、ネットワークインターフェース(NIC)の設定管理は、NetworkManagerサービスで行うため、IPアドレスなどの設定は、nmtui、もしくは、nmcliコマンドを使用します。従来のように、ディレクトリー「/etc/sysconfig/network-scripts」内の設定ファイルを編集するわけではありません。
nmtui/nmcliコマンドについては、次のBlog記事が参考になります。
・NetworkManagerの設定変更、nmtuiとnmcliについてまとめたよ!
さらに、RHEL7を最小構成でインストールした場合は、ifconfigコマンドが入っていません。代わりに「ip」コマンドを使用する必要があります。net-toolsパッケージをインストールすると、従来通りのifconfigコマンドも使用できるようになりますが、この機会に、ipコマンドを利用する練習をしておくとよいでしょう。
ipコマンドについては、次のBlog記事を参考にしてください。
ネットワーク関連といえば、RHEL7では、ファイアウォールの仕組みもfirewalldに変更されています。firewalldについては、第36回の記事を参考にしてください。
ただし、RHEL7では、firewalldの使用は必須というわけではありません。次のコマンドにより、firewalldを停止して、従来通りのiptablesを使用することも可能です。
# yum -y install iptables-services # systemctl stop firewalld.service # systemctl mask firewalld.service # systemctl enable iptables.service # systemctl start iptables.service
firewalldは、複数のNICに対して、ポリシーベースで動的なフィルタリングを行うことを想定したツールですが、固定的なフィルタリングで十分なケースでは、iptablesを使用する方がシンプルで分かりやすいでしょう。
先週は、「VIOPS Workshop」に参加してきました。「顧客が本当に必要だったもの」をテーマとした複数のパネルディスカッションが開催されて、さまざまな製品/サービス提供者からの発表が行われました。ユーザー企業が本当に必要とするものを提供しようと苦心する製品/サービス提供者の苦労を感じると同時に、新しい製品/サービスを活用するユーザー企業の取り組みの重要性も感じさせられる内容でした。
「新しい製品/サービスで、今までと同じことをより安く、より早く、より便利に」「自分が必要なものは分かっているから、早くそれを作って欲しい」―― ユーザー企業にありがちな考え方ですが、欲しい製品やサービスができあがるのを待っているだけでは芸がありません。まだ未完成の新しい技術を利用して、「自分たちにしかできない何か」を発見する努力も必要です。そのためには、表面的なマーケティングメッセージに惑わされずに、技術の可能性を本質から理解すること、そして、未完成な技術の進化に自らの意思を注入すること、そんな努力が必要なのかも知れません。
次回もまた、RHEL7/CentOS7の新機能に関する情報をお届けしたいと思います。
(*1) 「Red Hat Enterprises Linux公式ドキュメント」
++ CTC教育サービスから一言 ++
このコラムでLinuxや周辺技術の技術概要や面白さが理解できたのではないかと思います。興味と面白さを仕事に変えるには、チューニングやトラブルシューティングの方法を実機を使用して多角的に学ぶことが有効であると考えます。CTC教育サービスでは、Linuxに関する実践力を鍛えられるコースを多数提供しています。興味がある方は以下のページもご覧ください。
CTC教育サービス Linuxのページ
http://www.school.ctc-g.co.jp/linux/
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