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第3回 クラウドを採用するメリット (小澤昌樹) 2019年12月

1. はじめに

みなさん、こんにちは。株式会社シオラボの小澤です。「今からはじめる Microsoft Azure」も3回目となりました。Microsoft Azureのようなクラウドサービスを使いこなすためにも、まずは基礎知識の習得が必要不可欠です。クラウドコンピューティングの概念から習得してきましょう。前回のコラムでは、クラウドを採用するメリットについて箇条書きしました。それは次のようなものでしたね。
(1) コストパフォーマンスに優れている
(2) スケーラブルである
(3) 弾力性に優れている
(4) 最新の状態が維持される
(5) 信頼性に優れている
(6) グローバルである
(7) セキュリティで保護される
今回は、ここで挙げたメリットについて、一つ一つ解説していくことにしましょう。

2. コストパフォーマンスに優れている

クラウドコンピューティングは、物理的なハードウェアがそこに存在しているのではないので、どこに、どの程度のコストが掛かるか想像がつかず、不安になるかもしれません。オンプレミスでは、ハードウェアが存在していて、電源を入れ、稼働していることも目の当たりにすることができるので、コストに関しての不安感は薄まります。
一般的に、クラウドコンピューティングでは、従量課金か使用量ベースの価格モデルが採用されています。つまり、ハードウェアを調達する初期費用は発生せず、使用したリソースを使用した時間分だけ課金をされるというモデルです。この価格モデルのメリットには次のようなものがあります。
・ 初期段階でハードウェアを用意する必要がないので、そのコストが掛からない
・ 将来的に使用するか分からないようなハードウェアやパーツを購入したり、購入後に管理したりする必要がない
・ 利用していく中で、追加のリソースが必要になった場合には、リソースを追加し、あとで追加リソース分のコストを支払えばよい
・ 逆に、利用していく中で、必要なくなったリソースは停止することができ、停止した場合は課金対象とならない
・ 過去の利用状況を保持して分析することで、将来の利用予測を立てることができるので、コスト見積がしやすくなる

Microsoft Azureの価格モデルも従量課金制を採用しています。ビジネスニーズや予算に合わせてクラウドリソースを調達することができるように、料金計算ツールが用意されています。

fig01

https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/calculator/

また、オンプレミスのインフラの総保有コスト (TCO) と、Azureのデプロイコストを比較するツールも用意されている(https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/tco/calculator/
ので、ワークロードをMicrosoft Azureに移行することで実現可能なコストの削減額を見積もることもできます。

3. スケーラブルである

オンプレミスでは、「スケーラブル」という言葉は聞き慣れません。それもそのはずで、スケーラブルというのは、任意のタイミングや需要に基づいてリソースを増加させることができる仕組みです。これによって、サーバーに掛かっている負荷を低減させることができます。
スケーラブルには次の2つの方法があります。
・ 垂直スケーリング
「スケールアップ」とも呼ばれ、サーバーの能力を高めるためにリソースを追加することです。例えば、CPUやメモリを追加することが挙げられます。
・ 水平スケーリング
「スケールアウト」とも呼ばれ、相互に機能するサーバーを追加することです。例えば、Webサーバーを2台以上用意することが挙げられます。
スケーリングは、CPU使用率などのトリガーに基づいて自動で実行することもできますし、もちろん、手動で実行することもできます。

4. 弾力性に優れている

「弾力性」というのも聞き慣れない言葉です。弾力性とは、需要の急増または減少による変化があった場合に、自動的にリソースを追加または削除して処理能力を補正できる仕組みのことです。
スケーラブルと似ていますが、スケーラブルはリソースを追加して処理能力を向上させることであるのに対して、弾力性は需要に応じてリソースを増減させながら適合させる仕組みのことで、リソースの追加だけでなく削減もありえます。
例えば、急激なトラフィックの増加に対してリソースを自動的に増やしてトラフィックの増加に対処したり、トラフィックが正常に戻り始めたら追加のリソースの割り当てを解除したりすることです。これによって、コストを適切に使えるようにコントロールすることができます。

今回は、ここまでにします。次回も引き続き、クラウドコンピューティングのメリットについて説明していきます。クラウドは、信頼性、セキュリティなどでもメリットがあります。それはどのような点でしょうか。次回もよろしくお願いいたします。

 


 

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