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第16回 Azureのリソース管理(2)テンプレートからのデプロイ (小澤昌樹) 2021年3月

本コラムは過去コラム「なるほど、Microsoft Azure」の2021年補足版です。

なるほど、Microsoft Azure - 第7回 Azureのリソース管理 (2) Azure Resource Manager その1: テンプレートからのデプロイ

1.はじめに

みなさん、こんにちは。株式会社シオラボの小澤です。

前回より、Azureに用意されているリソースマネージャーと呼ばれる仕組みを取り上げています。このリソースマネージャーをGUI化したものがAzureの管理ポータル (https://portal.azure.com) で、これまで何度も登場してきましたので、もうおなじみですね。前回は、仮想マシンやストレージ、ネットワークなどのそれぞれのリソースをグループ化して管理するためのリソースグループの作成と、そのリソースグループへのリソースの追加について説明しました。

さて、今回は、リソースの構成をコード化した「リソーステンプレート」について紹介し、それを用いてアプリケーションを稼働させるのに必要な環境を一度にデプロイする方法について説明していくことにしましょう。

2. リソーステンプレート

すでに構築されている環境を拡張したい、本番環境と同じ構成でテスト環境を構築したいなど、同じ構成で仮想環境を複製したいといったことはよくあります。特にテスト環境においては、同じ環境を何度も作り直したいといったニーズも出てくることでしょう。また、このようなとき、実際の構築作業以外で苦労するのは、構成や変更履歴の管理です。過去に作成した環境の構成情報や、その変更について管理していくことは非常に重要なことと理解しつつも、作業者がドキュメントなどを作りながら情報を残していくことは手間が掛かるものです。しかし、Azureリソースマネージャーでは、プログラムコードのライフサイクル管理と同じ手法でリソースをコード化することができるので、構成の過去のリソースを参照したり、更新や再利用したりすることは容易です。

また、リソースマネージャーのスキーマや、リソースを定義したインフラ構成のサンプルとなるテンプレートがGitHub上で公開されており、デプロイの際に指定するパラメーターを組み込んだJSON形式のリソーステンプレートを利用してデプロイすることもできます。これらのテンプレートをコピー(フォーク)して、自身でカスタマイズや管理することもできますし、リソーステンプレートを含むGitHubリポジトリから、直接Azureへデプロイすることも可能になっています。

ちなみに、Azureリソースマネージャーのスキーマは、次のリポジトリで公開されています。

https://github.com/Azure/azure-resource-manager-schemas

また、Azureクイックスタートテンプレートのリポジトリは、次です。

https://github.com/Azure/azure-quickstart-templates

Azureクイックスタートテンプレートについては、次のページも参考にしてみてください。

https://azure.microsoft.com/ja-jp/documentation/templates/

fig01

3. クイックスタートテンプレートを用いたAzure Virtual Machineの作成

それでは、GitHubにクイックスタートテンプレートとして公開されているサンプルテンプレートを用いて、仮想マシンとその関連サービスをAzure上にまとめてデプロイする方法について紹介していくことにしましょう。

① Azureの管理ポータル(https://portal.azure.com)にログインし、メニューから「リソースの作成」を選択します。

fig02

② 検索欄に「テンプレート」と入力して検索すると、次のような検索結果が表示されるので、「テンプレートのデプロイ」にある「作成」ボタンをクリックします。

fig03

③ カスタムデプロイの画面が表示されるので、「GitHubクイックスタートテンプレートを読み込む」のプルダウンからデプロイする構成を選択します。このプルダウンの選択肢は、クイックスタートテンプレートのリポジトリ(https://github.com/Azure/azure-quickstart-templates)から読み込まれています。今回は、「101-vm-simple-linux」を選択し、「テンプレートの選択」ボタンをクリックしましょう。

fig04

選択したクイックスタートテンプレートのGitHubリポジトリを見てみましょう。

https://github.com/Azure/azure-quickstart-templates/tree/master/101-vm-simple-linux

fig05

このリポジトリに含まれるjsonファイルに構成情報が記載されており、デプロイに必要なパラメータは「azuredeploy.json」に記載されています。

また、この画面にある「Deploy to Azure」のボタンからもAzureのデプロイ画面に遷移できます。この処理でもazuredeploy.jsonをキックしています。

④ テンプレートを使ったデプロイ画面になったら、必要な箇所を入力します。ここで入力するリソースグループは、新規作成したほうが、管理上、分かりやすいかもしれません。各項目を入力したら「購入」ボタンをクリックします。

fig06

⑤ 購入ボタンを押すと、すぐにデプロイがはじまります。デプロイが完了すると、リソースグループに詳細が表示されます。リソースグループの中に、仮想マシンや仮想ネットワーク、ディスクが作成されていることが分かります。

fig07

今回は、Azure管理ポータルからクイックスタートテンプレートを用いて環境を構築する方法を紹介しました。次回は、Azureポータルを使わずに、Azure Power Shellを用いて構成管理を行う方法を紹介する予定です。次回もよろしくお願いいたします。

 


 

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