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第20回 仮想環境の障害対応について (志茂吉建) 2013年6月

 日経BP社の記事によると、企業IT部門では66%が全部、または一部で仮想化したサーバを利用しているとのことです。
 数年前と比べてサーバを仮想化する率は大幅に向上しました。仮想化して無運用時に、どのような問題点があるかとの問い合わせに関しては、「障害発生時の原因や影響範囲の特定が困難」が20.4%、「障害発生時の対処に制約がある」が18.5%となっており、仮想化環境でも障害対策が課題となっています。

 仮想化環境と物理環境の大きな違いは、CPU、メモリ、ハードディスクなどのリソースを共有するかどうかという点が一番大きな違いになります。物理環境では、一つのOSに対して一つの物理マシンが割り当てられていましたが、仮想環境では、一つの物理マシン上で複数の仮想マシンが動作し、その上にOSが動作することになります。一般的にはハイパーバイザー層が一つ増えるので障害の切り分け方法がより複雑になると考えられています。

fig01

 確かに、ハイパーバイザー層が増えることにより障害対応が複雑になることは事実です。企業のIT部門のみなさまが運用の問題点と考えている部分は、当を得た指摘であるといえるのではないでしょうか。インフラ部分だけを考えてもネットワークやストレージは複雑な接続形態となるので、障害発生時の切り分け作業はかなり難しくなるのは否定できない事実です。しかし、障害対応が難しいからと言って、仮想環境を利用しない手はありません。

 仮想環境の障害対応を的確に行うにはどのような対策が必要でしょうか。インフラ部分を中心に検討してみたいと思います。I/O部分については、ほぼすべてのインターフェイスで冗長構成を取ることが出来ます。ネットワークばチーミングまたはボンディングと呼ばれる技術を利用すれば二重化することが可能です。同様に、ストレージとの接続もマルチパス技術を利用して二重化することが出来ます。ネットワークの接続にはスイッチングハブを利用すると思いますが、スイッチングハブも二台用意することで冗長構成を取ることが出来ます。同様にストレージもFCスイッチを二台用意することで冗長構成を取ることが可能です。ハードウェアの接続構成を検討する場合は、単一障害箇所(Single Point of failure:SPOF)を排除することが重要なポイントになります。SPOF構成を実現することにより、I/O周りのハードウェア障害であっても、仮想マシンの動作にほとんど影響を及ぼさないシステムを構築することが可能です。

fig02

 次回は、CPUやメモリなどの障害の対応方法について検討したいと思います。

 


 

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