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第34回 ハイパーコンバージドシステムとは (志茂吉建) 2015年9月

 最近、「ハイパーコンバージドシステム」という言葉をよく耳にすることがあると思いますが、今回は、「ハイパーコンバージドシステム」とは何かに迫ってみます。

 今までのシステムは、サーバ、ネットワーク、ストレージが統合された「コンバージドシステム」とよばれ、複数のサーバから共有ストレージシステムを利用するタイプとなります。一方、話題の「ハイパーコンバージドシステム」とは、共有ストレージを利用するのではなく、各サーバに内蔵されたストレージをソフトウェアによってストレージプールにまとめて利用する構成となります。各サーバのストレージはSSDとSASまたはSATAのストレージで構成され、共有ストレージシステムと比較してコストを低減することが可能です。ストレージプールは冗長構成となりますので、各サーバに障害があっても、比較的簡単にメンテナンスが出来るようになります。代表的な「ハイパーコンバージドシステム」は、2009年に創業された「Nutanix」が提供しているシステムではないでしょうか。また、2014年にはVMwareとハードウェアベンダーがパートナーとなって「EVO:RAIL」を発表しています。両方に共通していることは、専用ストレージを利用せず、各サーバの内蔵ストレージを利用してストレージプールつまり共有ストレージを実現していることです。

 NutanixやEVO:RAILに共通するのはSSDをキャッシュとして利用することでストレージのI/Oパフォーマンスを、SASやSATAを利用することでストレージの容量を確保する仕組みとなっていることです。筐体間でストレージの内容のコピーを持つことで冗長性を確保しています。容量が足りなければスケールアウトすることで容量を拡張できることがもう一つの特徴です。共有型ストレージの場合でも容量の拡張が可能ですが、ハイパーコンバージドシステムのほうが簡単に拡張することが出ます。詳細な手順はありますが、ストレージを内蔵したサーバを追加するだけで容量の拡張が可能となります。サーバを追加すると言うことになりますので、ストレージだけでなく、CPUやメモリを強化され、全体のリソースが拡張されます。

 Nutanixは今までハードウェア・ソフトウェア込みでのアプライアンス製品を発売していましたので「ハイパーコンバージドシステム」を試してみることは出来ませんでした。しかし、今年の5月末に「Nutanix Community Edition」を発表しました。こちらは、ソフトウェアのみで、既存のx86システムを利用して「ハイパーコンバージドシステム」を構築することが可能です。詳しくは、以下のURLをご覧ください。
http://www.nutanix.com/products/community-edition/

 EVO:RAILも同様にVMwareとハードウェアベンダーによるアプライアンス製品となりますが、Virtual SAN(以下、VSAN)とよばれるストレージ技術を利用してストレージプールが構成されています。SSD 1台以上、HDD 1台以上を内蔵したサーバが3台以上必要ですが、VMware ESXiの試用版でVSAN構成を構成することも可能です。

 NutanixやVSANともネットワーク設定なども必要となりますので、少し敷居が高いかもしれませんが、「ハイパーコンバージドシステム」を試しに利用することも可能です。みなさんも挑戦してみてはいかがでしょうか。

 


 

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