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コラム

sugipoohのデータセンター・クラウドインフラ

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第1回 データセンターには3つの種類がある (杉田正 @sugipooh) 2013年7月

 はじめまして、LXスタイル 杉田正 @sugipoohです。吉政創成の吉政さまからご推薦いただき、「sugipoohのデータセンター・クラウドインフラ」としてクラウド・データセンター設計業務などの経験からクラウドインフラについてコラムさせていただきます。

 クラウドという言葉はすっかり一般化してITに関係する人ならば、空に浮かぶ "雲" と "クラウド" の区別は明確にご理解いただいていると思います。
 "クラウド" から行われるITサービスはサーバーやネットワーク機器から回線を通じて行われます。その機器群を設置するのが "データセンター" です。
 データセンターに集中してサーバー、冷却設備、電源設備を "共用で使用" することにより、高価な機器や設備を安価に利用出来ます。

 伝統的なデータセンターは、電話交換機や大型汎用機が設置されるタイプでした。しかし、クラウドと呼ばれるデーターデンターは明らかに違い、場所が公開されたり、サーバーの台数がとっても多かったりします。また神戸に建設されたスーパーコンピュータ「京」や東京工業大学「TUBAME」などのデータセンターでは高密度にサーバーが実装されています。私はデータセンターを3つに区別しています

  1. 伝統的なデータセンター
  2. スーパーコンピュータ対応データセンター
  3. クラウドサービスに特化したデータセンター

 伝統的なデータセンターは、金融関係などのデータを処理する汎用機と呼ばれる大型コンピュータを安定に動作させ、セキュリティ第一で管理されたデータセンターです。FISC金融情報システムセンター『金融機関等コンピュータシステムの安全対策基準』に適合したデータセンターが多いです。この基準では「場所を公開しない」のがセキュリティ対策として定められていますので、一般的に銀行などのデータセンターの場所はご存知無いはずです。また、NTTが所有する電話交換やインターネットサービスを提供するデータセンターもこの基準に適合する場合が多く、契約者以外にはデータセンターの場所をお知らせしない理由になっています。
 日本の場合、地震対策で耐震構造だけでなく、免震構造などを持つデータセンターが増えています。

 スーパーコンピュータ対応データセンターは、一般公開日などで公開されています。1ラックにたくさんのサーバーを搭載し、高速なネットワークで接続されています。大きな電力を使うので冷却システムも大型です。半年ごとに行われるTop500に2回も世界一になった「京」は新交通の駅に直結した大きなビルです。大学などに設置されるスパコンなども申し込みすれば見学できる場合が多いです。最近の性能指標には、Green500という省電力指標もあり、日本のDEJIMA、TUBAME、京は上位にランクされています。

 クラウドサービスに特化したデータセンターは、スーパーコンピューター対応データセンターと同様に大きな電力を使いますが、運用コストに厳しく、冷却システム効率化技術が進んでいます。
Googleはラック下に熱交換器を設置し効率的にサーバーを冷却しています。Facebookは外気を大幅に導入してサーバーを冷却しています。海外のクラウドサービス用データーセンターは巨大です。

 伝統的なデータセンターでスーパーコンピュータやクラウドシステムのような大量のサーバーを稼働させると冷却効率が悪く、"コストが高いクラウドサービス" になります。
 次回からは、データセンターの仕組みをご説明しながら、伝統的なデータセンターで効率良くサーバーを稼働させる方法なども含めて連載を続けます。

 次回は、「入退室管理、ラック電源容量」です。

 


 

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