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第27回 デフォルト 2013年9月

「デフォルト(Default)」という単語を聞いたことがありますか?

「デフォルト」とは、主にコンピュータ分野で使われる単語で「初期に設定されている値」などの意で用いられます。例えば、ハードウェアの工場出荷時の値を指す場合やソフトウェアで指定されない場合に使用される値などを指して「デフォルト値」と言うことがあります。あるいは、普遍的に「標準の」という修飾語として使われる場合が頻繁にあります。

「デフォルト」の用例としては「デフォルトで起動する」という説明や「デフォルト・ユーザー」という用語などがあります。更なる応用例では、単語を省略して「それはデフォでしょ?」という友人間における会話での言い回しもあります。

 ですが、この「デフォルト」の例示が実はデフォルトではない様子です。

 言葉は生き物ですから適用する場面や分野が異なれば使う意味合いも変化してゆきます。場合によっては表現が妥当ではないことがあり、相手に説明する用途で用いる際には文脈(コンテキスト)に注意を払う必要があるでしょう。
 加えて「デフォルト」という単語自身が「欠席」、「怠慢」、「不履行」、「棄権」、「不戦敗」などと複数の意味を持っています。例えば、金融分野で「デフォルト」は「債務不履行」の意味で使われる専門用語だそうです。
 ですから、普段使っている言葉が話す相手によっては意味が通じない時があるのです。

 よく見知っているつもりの単語でしたが、改めて調べてみることにしました。
 ウィキペディア(Wikipedia)では「デフォルト」は下記の様に解説されています。

「デフォルト(default)とは、何もしないこと、あるいは成すべきことが成されないことを意味する。表記ゆれによりデ(ィ)フォ(ー)ルト となる。」
 出典:Wikipedia

「デフォルト」とは「ディ・フォールト」であり、元来「何もしないこと」の意なのだとはじめて理解した次第です。

 ここでRubyに於ける「デフォルト(Default)」の使用例をご紹介します。
 Rubyではメソッド定義の際に使用できるオプショナル引数(Optional Arguments)という機能があり、メソッド呼び出し時に引数が指定されない場合にデフォルト値(Default Value)を採用するというものです。

  | def default(arg = '"default" means do nothing')
  | return "specified value is : " + arg
  | end
  | 
  | word1 = default("some precious words")
  | puts word1   #=> specified value is : some precious words
  | 
  | word2 = default("in any other words")
  | puts word2   #=> specified value is : in any other words
  | 
  | word3 = default()
  | puts word3   #=> specified value is : "default" means do nothing

 ここでの「デフォルト(値)」も「(引数を)何も(指定)しないこと」の意味合いであると理解できます。

 ちなみにですが、Rubyではメソッドのオーバーロード(Overload、多重定義)はサポートされていません(まつもとゆきひろ氏によれば、これは言語を簡単にする目的だそうです)が、このオプショナル引数とレスト引数(Rest Arguments、残余引数または可変長引数)の機能を利用してメソッド定義を行うことで引数の数に対応する実装が可能になります。また引数の型に対応するにはオブジェクトのクラスを知る必要がありますが、Object#classメソッドやObject#instance_of?メソッドもしくはObject#kind_of?メソッドなどを組み合わせることで可能であろうと思います。お試しくださいませ。

 次に音楽における「デフォルト」の使用例も併せてご紹介します。
 アトムス・フォー・ピース(Atoms For Peace)は、英国ロックの雄レディオヘッド(Radiohead)のトム・ヨーク(Thomas Edward Yorke)とレッチリことレッド・ホット・チリ・ペッパーズ (Red Hot Chili Peppers)のフリー(Flea, Michael Peter Balzary)がタッグを組んだスーパー・プロジェクトです。
 彼らAtoms For Peace(平和のための原子)がリリースしたアルバム"AMOK"(自制を失う)に収録されている"Default"という楽曲がありシングル・カットもされています。

 この"Default"という曲の歌詞の中には"Default"という単語は登場しませんが、チェスの駒として比喩した歌詞の内容は、直面する過酷な現状から「逃げ出す」という歌詞であり「棄権」あるいは「不戦敗」といった意味合いとして、タイトルである"Default"が使われていると察することができます。
 また、この"Default"の歌詞に出てくる"the will is strong but the flesh is weak"の行(くだり)は、筆者は特に現状を言い当てられているようで内省として聴くと些少辛いものがありますが、曲調は耽美的な独特の世界感を堪能できる楽曲ですので機会があればご視聴くださいませ。

 加えてアルバム・タイトルの"AMOK"(自制を失う)という単語にも惹きつけるものがあります。マレー語(インドネシア語)の"Amuk"が語源とされており、ポルトガル語の"Amouco"として伝わったものが英語で"Amock"から"Amok"へと幾つかの変遷を経た後に「自制を失い逆上する」有り様を表現する単語となりました。
 スタートレック(宇宙大作戦、Star Trek)のテレビ版オリジナルシリーズ(TOS: The Original Series)での傑作の一つに"Amok Time"(邦題:「バルカン星人の秘密」)という副長兼科学主任スポック(Mr. Spock)のエピソードがあります。
 その放映で普段は何事も論理に基づき行動する窮めて理性的なスポックがバルカン人特有の時期を迎え変貌する彼の姿を想起させます。
 こちらも機会があればどうぞご覧ください。

 普段使っている言葉が話す相手によっては意味が通じない時があります。

 そして、普段見知っているつもりで使っている言葉でも、普段見慣れているつもりの風景でも、当たり前ではないのだという事をまたしても思い知らされました。
 当たり前の事は何も無いのだと、これからも幾度無く思い知ることでしょう。
 筆者は更なる研鑽を積む必要があるようです。

 次回もお楽しみに。

 


 

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