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第18回 エンジニアの価値は希少性?再現性? - その2 : 再現性を高めよう (濱田康貴) 2019年5月

前回は市場価値という観点で希少性の高いエンジニアを目指すには、というテーマを取り上げました。繰り返しになりますが、"希少性"はあくまで結果論であって、まずエンジニアとして"再現性"を担保してこその希少性である、という前提です。

エンジニアにとって"再現性"とは何か

エンジニアに限らず、何かしらの仕事の成果を求められるビジネスパーソンは、安定して高いパフォーマンスを発揮すること、つまり再現性を求められます。一方で、芸術家のように一点物のアウトプットを求められる方は、没個性な製品を量産するよりも、その人の個性が発揮される希少性の高い作品を求められます。勿論芸術家も適当に行き当たりばったりな希少性でやっていける、ということではありません。
例えばご自身のスキルを指して「○○ができる」ということは、同じ条件で何度同じことを求められても毎回一定以上のクォリティを担保できるということだと私は考えます。これが再現性です。偶然に、例えば闇雲にコードや設定を継ぎ足して「(たぶん)できました」は再現性があるとは言えません。
つまり、エンジニアにとって再現性が高いということは、いつでも安定したパフォーマンスを発揮できること、偶然に頼らないアウトプットができることを指しています。

自身のスキルの再現性を高めるには

先ほど、エンジニアにとって再現性が高いということは、

  1. いつでも安定したパフォーマンスを発揮できること
  2. 偶然に頼らないアウトプットができること

の2点であると述べました。これら2点のスキルをどうやって得るか、どう再現するかについて深掘りしていきましょう。

いつでも安定したパフォーマンスを発揮するには

エンジニアにとっていつでも安定したパフォーマンスを発揮することは、意外と難しいと考えます。健康状態であったりプライベートとの両立であったり、言わば自身の努力のルーチンだけですべてが解決するとは限らないからです。
ですので、就業時毎分毎秒ずっと緊張状態を維持することがいつでも安定したパフォーマンスを発揮する、と捉えてしまうとフィジカルもメンタルも消耗してしまいます。ここで大事なのは「ほんの少し先の未来を予測して備える」ことに尽きるでしょう。
例えば、「来週のこの時間に予定されている作業の手順を確認する」「事前にできることはやってしまう」「コード書いて再利用性を高められるならコードを書いてしまう」といったような工夫であれば、時間に余裕があるときにできると思いませんか。
ときには過去に体験したことのないような障害対応やクリティカルな判断をしなければならないこともありますが、(そういう役割であることを承知でない限り)そんなことが毎日何度もおきていたら、それはビジネスとして大丈夫なのか?と思ってよいでしょう。
つまり、いきなり慌てて事に臨むのではなく、事前の準備ができるかどうか、これが大事なのです。

偶然に頼らないアウトプットができるということ

偶然に頼らないアウトプットとは、自身のスキルを高め、なぜそれができるのかを誰にでも説明できるくらい熟練していることと同義と考えます。「なんか知らない間にできちゃった」と謙遜することはあっても、誰かがそう言っていたのを真に受けてしまう、というようなことはあってはいけません。
サーバーやネットワークを構築するのも、コードを書くのも、1回やって完璧にできたとは言えません。何度か試行錯誤してはじめて「できた」と実感することもあるでしょうし、恐らく何度かやってみて「このやり方ならできる」と確信を得てはじめて「できた」と言えるのではないでしょうか。
ここまで読まれて「事前の準備と素振りが大事」だと気づいた方もいらっしゃるかと思います。まるでスポーツのようですよね。けれども、これこそが再現性の本質だと考えます。難易度の低い作業を、手順書を見ながらルーチンとしてこなすのとは、まったくの別物なのです。これがオペレーターとエンジニアの違いでもあるのです。

まとめ - スキルの希少性と再現性の掛け算こそが肝要である

スキルの希少性、これは決して「誰にもできないことができる」ということではなく、いくつものスキルや過去の解決事例から、その場その場でおきる課題に対して素早く的確に自分の頭で考えて最短パスで解決することであると考えます。これができるまでには、打席に立つ数を増やすように、積極的に課題に取り組むしかありません。そして、継続して打席に立てることは1つの希少性であると考えます。
一見「誰にもできないことができる」というような解決方法があったとして、そのほとんどはイノベーションではなく、小さなオペレーションの積み上げなのです。そして、そのオペレーションの再現性こそが自身のスキルの確度の証明でもあるのです。これは素振りの回数が物をいいます。
つまり、スキルの希少性と再現性の掛け算、言い換えれば打席に立つ数と素振りの回数の掛け算で市場価値の高いエンジニアになれるということですね。

 


 

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