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第2回 トラブルシューティングの考え方 その2 (加賀結衣) 2016年10月

こんにちは。加賀結衣(かが ゆい)と申します。

このコラムでは、株式会社リックテレコムの「Windows/Linuxのトラブル追跡実践ノウハウ」をもとに、私が実際にPCに触りながら学んだことをまとめていきます。コラム内のページ表記は、この書籍のページを示します(Pはページです)。日々発生するコンピュータのトラブルに対し、どのようなツールを使い、どのような情報を収集すればよいか知りたいと思われている初心者の方に、このコラムが少しでもお役に立てば嬉しいです。

今回は、前回の続きである第1章 1.2 の1.2.3「初期確認の後にSOAP方式で見てみよう」を確認していきましょう。

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第1章 トラブルシューティングの考え方
1.2 何をトラブルとするのか(p.15)
 1.2.1 「インシデント」「問題」「既知のエラー」の区別と記録(p.15)
 1.2.2 「未知の原因」を「物理障害」と「論理障害」に分けよう(p.16)
 1.2.3 「初期確認」の後に「SOAP方式」で見てみよう(p.18)
1.3 サポートコミュニティ情報の検索(P.21)
 1.3.1 インターネット検索エンジン提供会社を選択しよう(P.22)
 1.3.2 検索クエリとして採用すべき固有表現を抽出しよう(P.23)
 1.3.3 固定表現をブール演算子で組み合わせ検索クエリにしよう(P.24)
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1.2.3 「初期確認」の後に「SOAP方式」で見てみよう(p.18)

「物理障害」と「論理障害」の基本情報をもとに、ハードウェアのシステム要件を満たしているか、ハードウェアの故障がないかを確認し、ソフトウェアのシステム要件を満たしているか、設定に誤りがないかを確認したら、手作業での作業ミスがないかを確認します(この手作業での作業ミスをオペレーションミスといいます)。ここまでの確認により、ほとんどのトラブルは、ワークアラウンド(回避策)が明文化されている既知のエラーとして処理できることになります。

既知のエラーと判断できない場合、トラブルの詳細についてSOAP(ソープ。Subjective Objective Assessment Plan)方式でトラブルの詳細を記録していくことが有効です。SOAP(ソープ)方式とは看護学におけるカルテの書式の1つで、得られた情報をS(主観的情報。患者の訴え。)、O(客観的情報。診察や検査で得られた情報)、A(評価。SとOからの専門家の評価)、P(治療計画、方針)の4つに分けて分類、整理して、患者のかかえる問題(POS:Problem Oriented System)に焦点を合わせて問題を解決しようとする分析手法です。

■S:主観的情報

ITサービスのトラブルにおける主観的情報は、利用者との対話によって得られた情報を可能な限り「そのままの言葉で」記載しておきます。これらは主に、「①動作が重い」「②見た目の変化」「③設定の変更」「④動作の不具合」「⑤その他」の5つに分類することができます。
主観的な訴えは、トラブルなのか、不正プログラム(例えばマルウェア)等によるセキュリティ事案なのか判断しづらいことが多いため、おかしいなと不安に感じることがあれば、まずはセキュリティ対策製品による診断を行っておくことも重要です。

■O:客観的情報

ITサービスのトラブルにおける客観的情報は、調査ツール(※)を使用して収集されたデータやログファイル、メモリダンプ、ネットワークパケットなど、専門家の行動により得られた情報を記録します。必要に応じて、サポートエンジニアが対処療法的に行った操作とその結果についても記録しておくことが重要です。
※第4章にて取り上げます。

■A:評価

SとOをもとに情報を分析評価します。

■P:計画

Aをもとにトラブルを解消するための解決策を計画します。

1.3 サポートコミュニティ情報の検索(P.21)

多くのトラブルにおいて、問題の解決策はすでに文書化されています。その文書に到達するためのツールが「インターネット検索エンジン」です。検索時に入力する単語やフレーズの「検索クエリ」と呼びます。この検索クエリの効果的な作成が、解決策への道のりを決定づける重要な要素となります。
インターネット上には正確性、信ぴょう性の乏しい情報も多いため、内容を精査し、正しい情報にたどり着けるようにする必要があります。

1.3.1 インターネット検索エンジン提供会社を選択しよう(P.22)

インターネット検索エンジンには、例えばGoogle、Bing、Yahoo!Japan、Baidu、Naver、Yandexなど様々な種類がありますが、通常、トラブルシューティングにおけるインターネット検索では、日頃使い慣れたインターネット検索エンジンを無意識に使っているのではないでしょうか。
しかし、より広範囲な情報取集を望むのであれば、アルゴリズムと地域に合わせて、インターネット検索エンジンを使い分けることが望ましいと言えます。
なぜならば、国ごとにインターネット検索エンジンのトップシェア企業は異なりますし、各社は独自のアルゴリズムを有しているため、エンジン提供会社A社とB社では検索結果の表示順位が異なることになるからです。
特定の国における情報の収集を望んでいる場合、その対象国においてシェアの高いエンジンを確認、選択することが望ましいと言えます。

1.3.2 検索クエリとして採用すべき固有表現を抽出しよう(P.23)

トラブルシューティングにおいては、まず、発生している症状から固有表現を選択し、それを検索クエリとして入力することが解決策を探るうえで重要な手がかりとなります。

エラーメッセージを確認したら、まずは、各文言の区切りに注目しましょう。[]角括弧やコロン(:)、スペース記号などが区切り文字として使われることが多いため、区切り文字ごとに各文言を区切ったら、その中からより症状の特徴を示している項目を選んで、その文言を検索クエリとして検索をしてみましょう。

1.3.3 固定表現をブール演算子で組み合わせ検索クエリにしよう(P.24)

固定表現が複数あるなどの場合は、AND、OR、NOTといったブール演算子を使ってそれらを組み合わせて検索してみましょう。

■AND演算子

Google検索ではキーワードを「スペース記号」で区切ると、AND演算子による検索が行われます。
例えば、以下のように入力して検索するとします。

fig01

「0xc0000184」はWindowsシステムにおけるNtSTATUSエラーコードです。
このキーワードのみで検索した場合、執筆時点で検索結果は「約812件」となりました。
ここで、あなたが、出力されたクラッシュダンプを解析したい、と明確に目標が定まっているならば、Microsoftが無償提供しているカーネルデバッガー「WinDbg(Debugging Tools for Windows)」を新たなキーワードとして追加します。

「0xc0000184 windbg」の組み合わせで検索すると、執筆時点で検索結果は「74件」となり、検索結果の絞り込みに成功しました。

■OR演算子

AND以外の演算子についても確認していきましょう。
例えば、スマートフォンのアップデートに関する一般的な問題を調べるのに、以下のような検索クエリを用いれば、AndroidまたはiOSにおいて「アップデートできない」との症状が記載されたウェブページを探すことができます。

fig02

■NOR演算子

特定のキーワードを含まないページを検索したい場合は、NOT演算子を使います。
Goole検索の場合、除外を含むキーワードの先頭に「-」(マイナス)記号を指定することでNOT検索ができます。
例えば、検索結果からブログなどを除きたい場合、以下のようにしますと検索対象から除外することができます。
※特殊構文でさらに絞り込む方法については1.3.4で後述します。

fig03

■キーワードの並び順を指定

検索クエリにおいて重要な点に、検索キーワードの並び順があります。

例えば、キーワードだけを入力する場合と、キーワードをダブルクォーテーション("")で囲んでみる場合(フレーズ検索)と、キーワードを繰り返し入力する場合とで検索結果は異なります。

■ワイルドカード

固有表現にすべき語がうろ覚えのときなどは、検索キーワードをダブルクォーテーション("")で囲んだ上で、分からない単語を「*」(アスタリスク記号:ワイルドカード)に変えることで、検索キーワードの語数制限を回避したり、不明部分を類推して検索したりすることができます。

■とは検索

特に覚えておきたいテクニックとして「とは検索」があります。
これは、検索キーワードに「とは」を含めた検索で、これにより、自然検索結果の最上段にワンボックス(アンサー)形式で語句の定義が表示されます。エラーメッセージに表示された専門用語が理解できない場合などに、積極的に利用してみましょう。

fig04

今日のまとめ

★「SOAP方式」でトラブルの詳細を記録していくことで、問題解決を適切に進めることができる。
★検索クエリの有効な活用方法を理解しておくことが重要である。

なお、顧客システムを十分に理解し、ネットワーク・サーバ(OS)分野における原因究明の仕方や切り分けなどを行う方法を基礎から学びたい方には、CTC教育サービスのオリジナルコースである「システムトラブルシュート(ファーストステップ)」がお勧めです。本コースはトラブルシューティングという現場経験から学ぶことが多い特殊ノウハウを体系だてて学べる特定のベンダーに依存しないコースとしては唯一のものになります。実践的なトラブルシューティングのノウハウを学びたい方は是非受講ください。
詳細は、以下のリンクをご参照くださいませ。
http://www.school.ctc-g.co.jp/course/SSE01.html

最後まで読んでくださってどうもありがとうございました。次回もどうぞお楽しみに。

 


 

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