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一般的なデータセンターは大型ビルである場合が多く、計画開始から竣工までの期間が2年以上も掛かる場合もあります。竣工後、数百ラックが利用され埋まるまで10年以上掛かる場合もあります。
しかし進化の速いIT業にとっては半年ぐらいで、必要な時に必要なラック数を利用しサーバーを増設してサービスを開始したい要望があります。
コンテナモジュール型データセンターは、計画開始から竣工が短期間であることが特徴であり、高圧電源設備などに余裕があれば、発注後半年以内にサービスが開始出来ます。また、必要な設備だけ分割設置出来るため初期投資額が低く、空きラックが埋まらないこともなく投資の無駄が少なくなります。
サーバーを工場でセットアップして運用現地へ運ぶことも可能であり、モジュールコンテナを使えば、サービス立ち上げまでのコストを大幅に低減出来ます。
大型コンテナ船に積み込まれる海上コンテナの長さは、主に20フィート (6,096mm)、40フィート (12,192mm) の2種類あり、幅が8フィート (2,438mm)と狭くなりますが、日本国内公道を低コストで移動出来、輸出も可能です。
ラック前面(コールドアイル)後面(ホットアイル)の通路幅が狭くなるため、冷却システムが工夫され、通常データセンターよりも奥行きの短いラック(0.8m前後)や奥行きの短いサーバーを使います。
高さは8フィート6インチ (2,591mm) と低いので床下からの冷却も難しく、コンテナを2段積みして冷却装置を上段に設置するタイプが米国などでは多く採用されています。
コンテナ幅を3mに拡げISOコンテナと区別するためにモジュールと呼ばれることがあります。搬送に許可は必要ですが専用トレーラで国内を運搬出来ます。設置後ラックやサーバーを組み込むタイプでサーバー設置後のモジュールコンテナ移動は考慮されていません。長さは最大12mまで可能。
ラック前面通路(コールドアイル)を1.2mまで広く出来るため、ラックやサーバーの長さが制限されずに、通常のデータセンターと同じ運用が可能です。
2つのISO規格コンテナを向かい合わせに連結し、ラック前面通路幅(コールドアイル)を広くしたタイプ。奥行き1mのサーバーも利用出来ます。上部にコンテナを積むよりラック数を増加出来ます。
モジュールコンテナ型データセンターはマイクロソフト社の「ITPac」のように10コンテナ以上集合して設置される事例が増えています。合計ラック数は100ラックを越え、1ラックあたりのサーバー搭載数も多いので大型ビル型データセンターと同等な規模になります。集合設置では雨天時メンテナンス対策や冷却効率を上げるために集合設置コンテナ群の上に大屋根を設置します。
また、大型ビル型データセンターに比べ、モジュールコンテナは冷却構造に工夫されている場合が多く、空調効率を示すPUE値は1.1前後であり、設置後の運用コストも安価になります。
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