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筆者は門外漢ではありますが、思うところを今回の記事に書かせていただきます。
その点、ご容赦くださいませ。
以前に、提唱者であるケント・ベック(Kent Beck)さんが自ら講師をされたテスト駆動開発(Test-Driven Development, TDD)講習に参加させていただいた事があります。TDDは、ステップ・バイ・ステップで機能をコツコツと創り上げる開発手法で、道具よりも開発サイクルが重要であると言っています。
ユニットテストという杖(ストック)を突いて一歩ずつ確実に歩みを進め山頂を目指す、これがテスト駆動開発の真意でした。
TDDは、エクストリーム・プログラミング(Extreme Programming, XP)という範疇の一つとされておりますが、XPの中身は「プラクティス」の集合です。ペアプログラミングやリファクタリングなど、日々の開発作業をどのように進めるべきかの示唆であり、日々の慣習とすべき事柄の集合だと理解します。
中でも「価値」としてコミュニケーション、フィードバック、そして勇気などの開発者及びチームを喚起する精神的な指針が提示されています。
そして近年では「アジャイル」という言葉が既に登場しておりますが、XPを含んだソフトウェア開発手法として認知され始めています。但し、企業が採用する予め計画を立てるウォーターフォールとは異なり、変化に応じて計画そのものに変更を加えていくスタイルは、それを適用出来る組織体や土壌が必ず必要となると考えられます。従って適用する形態も限られます。
アジャイルという範疇では、スクラム(Scrum)という手法があります。ラグビーでのスクラムが語源で、チームビルディングでの慣わし事を決めて実践するものだそうです。
つい先日「アジャイル」関連セミナーに参加させていただいたのですが、このスクラムなどを実践するためのツール群があるようです。ホワイトボードに付箋紙を貼り付けるなどしなくても良さそうで、他のツール群と連携して動作できることが利点だそうです。しかしながら、結局はチームを上手く機能させ運営するのが目的であり、そのために日頃の習慣を定例化させるのでしょう。多くの部分がXP同様に精神論に紐付くと考えられます。
スクラムを部分的に実践しているソーシャル系開発企業のお話では、開発エンジニア自身がチームを運営しており、予算や計画変更までエンジニアが決定しているのだそうです。オーナーが一般顧客であり、その多様で刻々と変化するニーズに応えられなければ意味がないからだそうです。
これは暗にアジャイルを適用する周囲の環境が必要であることを示しており、顧客である企業が開発者と共に変化しないと適用が難しいことは明白です。
これら開発手法は道具や手段が主体ではなく、開発メンバーの良好な精神状態を維持するのが重要な項目であり、完成した成果を状況に伴う変化に対応した有意義なものとするのが目的です。成果として、しばしば散見される無用の長物とならないようにするためでもありましょう。
近年全く運動してない筆者ですが、先日、綺麗な空気を吸う目的で郊外に行ってきました。そこで短い距離ですが、山登りをする羽目になりました。急で蛇行する山道ですが、大した距離ではないと思い展望台を目指します。坂を上り始めて、最初の数歩の時点でこれは登り切れないと感じました。案の定、すぐに身体は鉛のように重くなり、汗だくになりながら歩を進めます。下山する方々が横を過ぎ去って行き、次々と後から登ってくる方々が筆者を追い抜かして行きます。それでもめげずに、ゆっくり一歩ずつ坂を上ります。
途中で諦めて降りてくるしかないとも思いましたが、下りは更に大変です。
途中で小休止を取りながら、息を整えます。肺の奥まで深く息を吸い込み、腕を振って、血液に酸素を取り込んで、脚の筋肉よ、動けと脳から命令を伝達します。無数の方々に追い抜かれながらもマイペースを持続しつつ、右脚、左脚、一歩、また一歩と歩みを進めます。やがて、勾配が無くなり、目指していた展望台に着きました。可也の時間を費やし、汗だくになって何とか目的地に到着出来ました。
どんなに歩みが鈍くても、歩みを止めないことで着実に前に進むことを体感しました。少し位、後戻りしたとしても気落ちせず、再度前に進もうという心持ちが大事なのでしょう。そして一緒にゴールを目指してくれる仲間と一緒に登ることが一番大事な要素でしょう。説明せずとも対峙している状況を共有している仲間の存在が力を与えてくれます。達成した際の喜びを分かち合うことが出来るのは、苦楽を共にした仲間なのですから。
そして、色々な方々が登山をされている気持ちがほんの少しだけですが、判ったような気がしました。気のせいかもしれません。
因みに、タイトルの「四肢の王(King of Limbs)」というのは、イングランド南部の森に住む樹齢千年の木(オーク)を意味します。
では、次回もお楽しみに。
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