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[IT研修]注目キーワード Python Power Platform 最新技術動向 生成AI Docker Kubernetes
改めまして、このコラムを担当する吉政創成の吉政でございます。CTC教育サービスのマーケティング支援を行っているご縁から、この「技術者のほにゃららら」というコラムを月刊連載しています。「ほにゃららら」というのは40歳前後以上の方でないとぴんと来ないかもしれません。「XXXXX」や「なんとか」のような意味です。ちょっと大きな会社の役員をしていたこともあり、技術者の面接で経験したことや、XMLやLinux、Ruby、Ruby on Rails、PHPの認定試験を運営支援する中で感じたことなど、技術者の方々に役に立つような内容を中心に書いていきます。第17回は「OSSの利用推進が1年で8.2%進み、OSSを活用する企業の64.8%は売上増」について書いてみます。
2014年年初にIDC Japan(以下、IDC)が国内オープンソースソフトウェア利用実態調査結果を発表しました。今日はOSSのマーケットというか組織の在り方の話です。このコラムの読者は技術者の方が多いと思うので、市場の話は興味ないかもしれませんが、どうせ学ぶなら今後伸びていく技術を取得したほうがよいと思うので、一つの考え方としてご参考ください。また、OSSを採用している企業はそうでない企業と比べて組織的に違う可能性があると思っています。その点でも読んでみてください。
IDCの解説のポイントは以下の通りです。
OSSの導入率は32%とのことで、まだまだ感じを受けてしまいますが、「試験的に導入」「導入に向けて検証中」「これから導入を検討していく」を含めると、OSS導入する意向の企業は58.2%になります。特に注目いただきたいのは、「今後の予定は分からない」としている企業は15.2%から9.2%に減り、「導入しない」としている企業が34.8%から32.7%に減少している点です。これは全体的にOSS利用へ舵がきられていることを指しています。
一方で、先日、某中国系のIMEが利用者のPCからデータを無許可で自社サーバへ流出させている疑いがある(日本側は断定、中国企業側は否定)事件が起きました。以前、Linuxの仕事をしているときに、中国の担当者が「中国は裏で何をしているかわからないOSを採用できない。OSSならすべて公開されているので、安心して使える。」と言っていたことを思い出しました。普通に使っている分には、なかなか自分のPCが裏で何をしているか意識せずに、ソリューションプロバイダーを信用して使用しています。今回の情報漏えい事件により、OSSが再認識されるかもしれません。
脱線しましたが、IDCはOSSの利用が進んでいることに対して、もう一つ報告しています。それはOSSを利用している企業の64.8%は売り上げが増加しているそうです。(利用検討中を含めたOSS利用推進企業全体では44.4%)さらに、その26.1%は売り上げが10%伸びているそうです。
このOSS利用企業の売り上げ増の利用は、以下であると私は推測します。
「1」と「2」にはコストのことが記載されています。OSSはライセンスが無料なのでコストが削減できると思われている方がいますが、それは少し正確ではないと思っているので、注釈します。確かにOSSはライセンス料が無料なものが多く、有料サービスのOSSでも比較的安価に設定されています。特にライセンス料が無料なものに言えますが、ある程度そのOSSに詳しい方がいないと、かえってコストがかかることにもなりかねません。裏を返せばOSSの利用ができている会社はそのようなOSSを使いこなせるエンジニアがいるという意味になります。そういう会社は売り上げが伸びやすいように思えます。IT市場全体の売り上げで非OSSが主流を占める状況で、非OSSエンジニアもOSSエンジニアも使いこなせる企業ということですので、人材活用が上手な会社である比率が高いということを意味します。それゆえにOSSを活用している企業は売り上げが上がりやすいということだと思います。
「3」については、OSSは普及が始まってから歴史が浅いものも多く、歴史があっても、新しい技術に見えている会社が多いです。そのような状況で、利用を進めている企業像はというと、新しい技術でもよいものであれば採用していく企業風土がある可能性が高いということになります。新しい技術を採用できない会社は風化していくと思いませんか?OSSを採用していく企業に、そのような企業はあまりいないように思えます。
今回はOSSについてのマーケティング話をしました。OSSが直接的に売り上げ増に貢献しているという側面のみならず、企業活性化の1つの指標としてみても面白いのではないでしょうか?という話でした。
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