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「Webガバナンス」のススメ

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第6回 Webセキュリティの「穴」はどこに潜んでいる? 脆弱性を見逃さないWebガバナンス体制の作り方 (穂苅 智哉) 2026年3月31日公開

このコラムでは、「Webガバナンス」をテーマに様々な切り口で、突っ込んだ内容までお届けしてみたいと思います。

見えないセキュリティインシデントの脅威が企業のWebを襲う

自社のWebサイトやWebアプリケーションは、今この瞬間も安全に稼働しているでしょうか。多くの企業では、システム部門や協力会社が日々運用管理を行い、定期的なアップデートやメンテナンスを実施しています。しかし、表面的には問題なく動いているように見えるWebサイトでも、実は深刻な脆弱性という「穴」が潜んでいるケースが少なくありません。

2025年上半期だけでも、国内の組織におけるセキュリティインシデント(脅威)は1,027件と、前年同期比で8割増となりました(※1)。IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)の統計によると、2025年にはWebサイトに関する脆弱性の届出が178件あり(※2)、情報漏洩や不正アクセスによって企業の信頼失墜や損害賠償につながる事例が後を絶ちません。

問題は、多くの企業がこうした脆弱性の存在に気づいていないことです。WebサイトやWebアプリケーション開発時には機能要件が優先され、意外とセキュリティは後回しにされがちです。また、外部ベンダーに開発を委託している場合、納品後のセキュリティチェックが不十分なまま本番環境で稼働しているケースも見受けられます。
「うちのサイトは個人情報を扱っていないから大丈夫」「アクセス数が少ないから狙われない」といった思い込みは、脆弱性を放置する温床となっていますので注意が必要です。

(※1)https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC086I90Y5A900C2000000/
(※2)https://www.jpcert.or.jp/pr/2026/vulnREPORT_2025q4.pdf

2025年初頭のWebアプリケーションへの攻撃は1日あたり約692万件

では、Webセキュリティの「穴」についてです。代表的なものとして、SQL呼び出し処理におけるSQLインジェクション、表示処理に伴うクロスサイトスクリプティング(XSS)、重要な処理の際に混入するCSRF(クロスサイトリクエストフォージェリ)などがあります。

2024年には不適切なファイル公開が42.6%と最も多く、XSSも32.7%を占めるなど(※3)、基本的な脆弱性が依然として高い割合で発見されています。こうした脆弱性は、開発者がWebアプリケーションの仕組みやHTTPの基礎を正しく理解していないことから生まれます。さらに、デフォルト設定のまま運用しているWebサーバやミドルウェア、適切に管理されていないセッション管理なども、攻撃者にとって格好の標的となります。
基本的なことではありますが、油断できない部分です。

実際、2025年初頭のWebアプリケーションへの攻撃は1日あたり約692万件にも上り(※4)、既知の脆弱性を悪用した攻撃は前年比35%増加しているという報告もあります(※5)。攻撃は決して特殊な技術を持つハッカー集団だけが行うものではなく、インターネット上に公開されているツールを使えば、比較的容易に実行できてしまうのが現実なのです。

(※3)https://riss000049.jp/archives/591
(※4)https://webtan.impress.co.jp/n/2025/05/26/49255
(※5)https://www.cdnetworks.com/ja/blog/cloud-security/cybersecurity-statistics-and-trends-2026/

組織的なガバナンス体制の構築

こうした脆弱性を見逃さないためには、単に技術的な対策を講じるだけでは不十分です。
重要なのは、企業全体でWebセキュリティに対する意識を高め、組織的なガバナンス体制を構築することです。具体的には、開発段階からセキュリティ要件を明確にし、コーディング規約にセキュアコーディングの基準を盛り込むことや、定期的な脆弱性診断やセキュリティレビューを実施し、発見された問題を迅速に修正するプロセスを確立することが求められます。加えて、CMSやOS・ミドルウェア等のアップデートに関するルールを決めることも重要です。

しかし、社内にセキュリティの専門知識を持つ人材が不足している企業も多いのが実情です。その場合、単純に外部の企業にまかせてしまえばいい、というわけにもいきません。

そこで有効なのが、体系的な研修プログラムの活用です。
CTC教育サービスでは、Webアプリケーションの脆弱性が生まれる原理と対策を実践的に学べる「ウェブ・セキュリティ基礎」や、ハッカーの視点から攻撃手法を体験しながら防御のポイントを理解する「ハッキング:Webアプリケーション」、さらに開発者向けに脆弱性のリスクを事例ベースで学べる「開発者向けアプリケーションセキュリティの基本」といったコースを提供しています。

これらの研修を通じて、開発者はセキュアなコードを書くスキルを習得し、システム管理者は脆弱性を発見・対処する能力を磨くことができます。そして何より、組織全体がセキュリティリスクを共通言語で議論できるようになることが、強固なWebガバナンス体制の第一歩となるのです。

Webサイトの"穴"を放置することは、企業の信頼という大切な資産を危険にさらすことに他なりません。今こそ、自社のWebセキュリティ体制を見直し、組織的なガバナンスを強化するタイミングではないでしょうか。

ご興味ある方は、こちらのリンクをご覧ください。

 

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