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第18回 Hyper-VとAzureを組み合わせて災害対策 (小塚大介) 2015年2月

 この数年に発生した多くの自然災害は、ITシステムを運用するうえで自然災害がリスクになるということを一般的に認知させるきっかけとなりました。

 もともと大規模システムでは、自然災害のほかにも様々なリスクに対処するため遠隔地にバックアップできるようなシステムを運用することは珍しくありませんでした。ただ、その方法もかかっているコストも様々でしょう。それが中小規模のシステムともなると、コストやスキル、手間などの問題で遠隔地の退避先を用意するのは難しいというのが現実でした。しかし、最近はクラウドを利用することで比較的安価に災害対策を実現することができるようになっています。

 その代表例が、Microsoft Azure の Site Recovery というサービス。災害対策用に提供されているこのサービスを利用すると、社内で動いているHyper-V 上の仮想マシンを Microsoft Azure のデータセンターに自動的に複製し、必要に応じて Microsoft Azure 上の仮想マシンとして起動することもできます。利用要件が低いため、大企業だけでなく、中小企業などの遠隔地に拠点を所有していない場合でも災害対策を実現することができます。そこで今回は、Azure Site Recoveryを利用するまでの流れを説明しましょう。

Microsoft Azure のサブスクリプションを作る

 Microsoft Azure の Site Recovery は有償のサービスですが、 Microsoft Azure では1か月の無料評価版を提供しています。無料評価版はこちら (http://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/free-trial/) からサインアップすることができます。この無料評価版では1か月間または \20,500 相当利用することが可能です。利用開始から1か月過ぎた場合や\20,500 分を使い切った場合はAzureのサービスが自動的に停止し、自分で明示的に制限を解除しない限り課金されることはありませんので安心して評価することができます。

Site Recovery コンテナーを作成する

 Microsoft Azure のサブスクリプションを作成したら、災害対策の準備です。 復旧サービスというメニューからSite recovery コンテナーを作成します。Site Recovery コンテナーは Microsoft Azure のWEB管理ポータルの新規ボタンから簡単に作成できます。作成する際には任意のコンテナーの名前と複製先の地域(データセンターの場所)を選択します。この地域は任意の場所を指定することができますが、一般的に近いデータセンターの方がデータの転送が高速になります。

fig01

仮想マシンの複製の設定を行う

 コンテナーの作成が終わった後の手順は管理ポータルに表示されるので迷うことはありません。Microsoft Azure の管理ポータルで作成した Site Recovery コンテナーのクイックスタートページを表示して [回復のセットアップ] のドロップダウンで [オンプレミス Hyper-V サイトと Azure の間] を選択します。すると仮想マシンの複製をするための手順が表示されます。このコラムで詳細な手順は紹介しませんが手順はとても簡単です。

fig02

 また、仮想マシンの複製の設定を行った後に Hyper-V マネージャーを確認すると仮想マシンのレプリカ先として Microsoft Azure が設定されていることが分かります。

fig03

Microsoft Azure に関する情報は公式ページにて

 今回紹介した Site Recovery などMicrosoft Azure についての情報は公式ページ (http://azure.microsoft.com)を参照してください。この Microsoft Azure は日々機能追加が行われているため、このコラムにある情報も含めて公式ページ以外の情報は古くなっている場合がありますので、必要に応じて公式ページにて最新情報を確認する癖をつけておきましょう。実際、今回紹介した Site Recovery による仮想マシンの複製も以前は System Center Virtual Machine Manager (SCVMM) が必要でした。そのため現在検索エンジンなどで Site Recovery なについて検索をすると SCVMM の利用が必須という記載されたサイトが表示される場合がありますが、現在はAzure側の機能追加によってHyper-VとAzureのみ(SCVMM が無くても)利用が可能になっています。

2015年は Microsoft の注目イベントがたくさん

 2015年はWindows や Office をはじめ Microsoft の新しい製品がたくさんリリースされる予定です。そのためエンジニアの方々は情報収集に忙しい一年となると思います。この春にはアメリカで Build 2015 (http://www.buildwindows.com/) や Ignite (http://ignite.microsoft.com/) といった大規模イベントが予定されていますし、日本でも 2015年5月26、27日に de:code 2015 (http://www.microsoft.com/ja-jp/events/decode/2015/default.aspx) というイベントが予定されています。有償のイベントになりますが、Microsoft 製品の最新情報を手に入れる貴重な機会になると思います。ぜひ参加をご検討ください!

 


 

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