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第88回 ザ・ストリート・スライダーズ (藤江一博) 2019年6月

雨で濡れてしまった身体
疲れが溜まり鉛と化した体躯
無理矢理に引き摺る
気圧が下がり湿度が増していく
気だるい陰鬱な空気

暗くて狭い部屋の中で
踊ろよベイビー。
踊ろよベイビー。

 
 
 

『のら犬にさえなれない』:

今回もオフィスに独りきり。
残った業務をそそくさと適当に片付けながらコラムを書き始める羽目になりました。
シリーズ・タイトルも独り言ですから、ちょうど良い塩梅かもしれません。
それに「青空ひとりきり」よりは寂しさも視界の狭さから幾許かはましでしょう。

ですが、今日の天気は雨、大雨です。
悪天候に備えてウォータープルーフ仕様で家を出発しましたが、
大粒の雨に風が強くて傘を差していてもずぶ濡れになってまるで野良犬です。
「風の強い日」と「激しい雨が」を同時に聴いているような気もしてきて
案外悪くは無いかもと切り替えることができれば満更でもないのかもしれませんが、
すっかりずぶ濡れになってしまって身体を引きずり歩くのが億劫になってきました。
やっとオフィスにたどり着いて服が生乾きになってくると、ちょっとこれは嫌な感じがします。
「たどりついたらいつも雨ふり」な感じです。
嫌な感じが次第に陰鬱に変化してきました。
「フィールソーバッド」なワケです。
すべては己の「心もよう」次第です。

 
 
 

『夜をぶっとばせ』:

昨年の二〇一八年に「ザ・ストリート・スライダーズ」"The Street Sliders" がデビュー三十五周年を迎えました。

一九八〇年から二〇〇〇年まで長きに亘って活動を続けた後に残念ながら解散してしまいましたが、現在でも間欠的に活動していて三十五周年記念を迎えた二〇一八年にはイベントもあり、ライブを行っています。

このデビュー三十五周年記念盤としてシングル全曲集が発売されています。

スライダーズのシングル全曲集というのは、とても嬉しい代物でファン待望といえる代物です。既に廃盤である12インチでリリースされたシングルバージョンの「カメレオン」や「エンジェル・ダスター」が聴けると思うと涎(よだれ)ものです。
御多分に洩れず筆者も我先にと早速入手して、毎朝毎晩イアフォンから流れるイカしたロックンロールのリズムに身を任せてスライダーズ漬けで電車通勤をしています。

週末で誰もいないオフィスへと荒天にめげずに立ち向かった本日の通勤「風の強い日」にもピッタリの音楽です。

「ハリー(村越弘明)」"HARRY"、「蘭丸(土屋公平)」"RANMARU"、「ジェームズ(市川洋二)」"JAMES"、「ズズ(鈴木将雄)」"ZUZU" の四人が「ザ・ストリート・スライダーズ」"The Street Sliders" 不動のメンバーです。
(過去コラム『第73回 金田と鉄雄とがんじがらめ』も併せてご参照ください)

スライダーズ(というよりもこの頃の多くのバンド)は、シングルの楽曲中心というよりは、アルバムで勝負している感じがありました。シングルをリリースしてラジオで三分程度のキャッチーなナンバーを流して購買欲を唆る(そそる)という商法は健在だったと思いますが、それは呼び水でありアルバム全部の楽曲で世界観を醸し出すというバンドも多かったからです。プログレだけでなくロックバンドのその頃の風潮だったように思います。

ですからスライダーズもシングルカットされた曲がイコール、すべてヒット曲でという訳ではないのですが、それでも良い楽曲も沢山あって今更ながらに廃盤をフルコンプしたいとは思っていたのでシングルの全曲集はとても嬉しいです。

なによりも「カメレオン」です。
当時は12インチ盤でリリースされていてA面はロングバージョン、B面は英語バージョンでした。
筆者はスライダーズといえば「カメレオン」が強烈に染み付いています。
ロック雑誌で取り上げられた断片的なイメージとシンクロした変則的なリズムが耳に残ります。
親友の芳賀ちゃんは、カラオケでスライダーズ歌おうよと誘ったら「Blow The Night!」を歌っていました。
そういえば、「Blow The Night!」は、スライダーズのデビュー曲で「高田奈美江」主演で「可愛かずみ」が出演した「夜をぶっとばせ」の主題歌でした。

 
 
 

『エンジェル・ダスター』:

世界中見渡してこんなにイカした(カッコイイ)、ロックンロールバンドって「ザ・ストリート・スライダーズ」"The Street Sliders" 以外に果たしてあるのでしょうか?
(現在の主観に基づいての個人的見解です。上記の問いに対しての返信は求めていませんので悪しからず。)

それなのに口の悪い批評家さんは「スライダーズってストーンズのパクリだ」とか「スライダーズってマンネリ。」とご意見を賜ることが少なからずあります。
それは、スライダーズの楽曲を聴いてないという事を露呈しているのと同義です。

スライダーズのロックンロールを聴き続ければ、ちゃんと時代に寄り添って創作していているのがちゃんと分かります。「ロックンロール魂」なのです。今回のシングル全曲を通して聴いてもそれは感じることが出来て、シングル曲も常に時代の変化に呼応しているのに気づく筈です。
彼らは自然体で「変化ヲ抱擁セヨ」を実践しているのです。

常に同じでマンネリというのは、大きな勘違いです。
確かにハリーの歌声は一貫して変わらず、聴き手に大きなインパクトを植え付けるのは間違いない事実ですが、バンドの音や楽曲は常に変化をしています。
ブルースやロックンロール、バラードに留まらず、電子楽器のアレンジやレゲエやダブのリズムも巧みに取り入れています。これだけ長くバンドを続けることができたのも常に変化をしてきた証です。シングルだけを通して聴いてみてもサウンドの変化、バリエーションの多さに気づきます。
それでいて何故か一本筋が通っているように感じるのは、バンド自体が楽曲に向き合う姿勢の良さに起因しているのかもしれません。

最初は何かの模倣から始まるのは当然でしょう。
何もない「無」の状態から始めることが出来るのは、世界が創生された瞬間だけだからです。
彼らも例外ではなく「リトル・ストーンズ」と呼ばれた時代を経ていますが、バンド初期状態から完全体となり得て、唯一無二の個性を有してそれを発揮し続けています。
「スライダーズ」は「スライダーズ」でしかないのです。

 
 
 

『マンネリ・ブギ』:

「ザ・ストリート・スライダーズ」"The Street Sliders" デビュー三十五周年記念盤として発売されたシングル全曲集「THE SingleS」。

自分の歩みを振り返るように、年代を遡ってリリースされた楽曲を聴いています。

「THE SingleS」の CD に付属するライナーノートには、松尾スズキが主宰する劇団「大人計画」に所属する「クドカン(宮藤官九郎)」と「蘭丸」(ザ・ストリート・スライダーズ)の対談での会話の一部が記載されていました。
クドカンが「カメレオン」の最初のギターリフを一生懸命コピーしようと頑張ったけど「結局できませんでした」と蘭丸に打ち明けると「それは無理だよ、だって "二本のギター" なんだから」っていう会話がライナーノートの「付記」で回顧されていました。

そういえば、かなり以前に宮藤官九郎がパーソナリティを務めるラジオ番組で「スライダーズ」の「マンネリ・ブギ」を流していたのでクドカンもスライダーズ好きなんだろうなと思いました。
スライダーズだけではなくて往年の日本のロックのメドレーで「RCサクセション」 "RC SUCCESSION" の「トランジスタ・ラジオ」も掛けてくれました(過去コラム『第82回 サニークーペ』も併せてご参照ください)。

他には、「スターリン」 "THE STALIN"、「ボウイ」 "BOØWY"、「ルースターズ」 "THE ROOSTERS"、「エーアールビー」"ARB"、「バービーボーイズ」 "BARBEE BOYS" がオンエアーされました。
ラジオを聴いた時は日本のロック特集の回だったみたいでしたが、他の日程でアイドル歌謡曲、ロック、ポップス、ニューミュージックなどの回も放送されたみたいです。

クドカンといえば、朝ドラ「あまちゃん」で沢山流れていた歌謡曲の選曲でもクドカンの好みが分かりますが、日本のロックも好きなんだなぁとラジオを聴きながらそんな風に想いました。

宮藤官九郎より五つ年上の筆者ですが、音楽の好みはクドカンと同じ線上にあるのかもしれません。

 
 
 

『カメレオン』:

弊社教育サービスを売り込んでくれている営業の方に、
少し大人しくなった「ハリー」に似ている営業さんがいます。

初めて会った時から勝手に似ているなぁと少し思いました。
勝手に思っているだけで本人に伝えたことはありません。
皆さんのオフィスにもハリーを見かけることがあるかもしれません。

 
 
 

次回をお楽しみに。

 
 
 

 


 

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