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第73回  金田と鉄雄とがんじがらめ (藤江一博) 2017年11月

時代は、1982年に勃発した第三次世界大戦から37年後の2019年。
舞台は、復興を果たそうと超高層ビルが建設ラッシュの新首都ネオ東京。
反対に、新型爆弾で爆心地と成り果てた嘗て(かつて)「東京」であった旧市街は立ち入り禁止。
東京は、再建未着手であり翌年開催される「東京オリンピック」の会場建設予定地となっていたのです。

 

『夜をぶっとばせ』:

未来への意気込みとしての象徴であるかのように聳える高層ビル群である摩天楼と過去の遺物として忘れさろうとしているかの様な廃墟と成り果てた旧市街を橋だけが繋ぎます。

その未来と過去を繋ぐ橋を旧市街に向かって「金田」(金田正太郎)が盗んでチューニングしたカスタム・バイクで「健康優良不良少年」である仲間達と疾走します。

金田チームのスクラムハーフは金田の幼馴染である鉄雄(島鉄雄)が金田への劣等感を払拭するかの様に一緒に爆走します。

この時、鉄雄が誰にも負けていないとアピールするかの如く敵対する暴走族であるクラウンを追って先頭に跳び出して追走しますが、事故が起こります。

敵と見なした相手を追い詰めた先で偶然に逃亡してきた「タカシ」(26号)に出会い、咄嗟に自己防衛本能として発動した「力」に触れて鉄雄は怪我を負ってしまいます。

これが発端となって物語が急速に回転し始めるのです。

 

『道化師のゆううつ』:

現在(2017年末)から遡る事三十数年前の1982年末から連載が始まった大友克洋の作品で「AKIRA」(アキラ)という漫画で描かれた物語の設定でありイントロダクションです。1988年には大友克洋が自ら監督を務めてアニメーション映画化もされました(過去コラム『第71回 シン・ゴジラ』にも顛末が書かれています。併せて御覧下さい)。

登場人物の名前を見ると「金田」(本名:金田正太郎)が「鉄人28号」の主人公から命名とのことらしいのです。
「アキラ」が超能力研究極秘プロジェクトであるナンバーズで「28号」であったことや、金田の相方である「鉄雄」(本名:島鉄雄)が鉄人を創った敷島博士の一人息子で金田正太郎の友人である「敷島鉄男」とリンケージするとこれらのネーミングから大友克洋が夢中になったのであると憶測される作品へのオマージュと作者である横山光輝への畏敬の念であることが理解出来ます。

金田と鉄雄。この二人に化学変化を起こす触媒となるのが28号のアキラです。

 

『マンネリブギ』:

「ザ・ストリート・スライダーズ」"THE STREET SLIDERS" は、日本のロックンロールバンドです。

アキラの連載開始と同時期の1982年の年末に「ニューイヤーロックフェスティバル」"New Year Rock Festival" に出演した後、「BLOW THE NIGHT」(夜をぶっとばせ)でデビューします。翌年発表されたスライダーズの2nd アルバムタイトルが「がんじがらめ」です。

スライダーズのデビュー当時は、一部の批評では「ストーンズのコピー」(「ザ・ローリング・ストーンズ」"The Rolling Stones"の事)だと揶揄されました。

既得権益を優先することで己のことしか考えず、固定観念で自分の狭い視野でしか理解しない狭量の輩の評価はいつもの事かもしれません。ですが、彼らが本物のロックンロールバンドであることはリスナーには分かっていましたし、彼らスライダーズが同じ面子で長年に亘ってバンドを続けてきた時間がそれを証明してくれました。

スライダーズでの化学変化はハリーと蘭丸(村越弘明、土屋公平)を中心に行われている様子でした。それは、清志郎とチャボ(忌野清志郎こと栗原清志、仲井戸麗市こと加藤秀明)の関係に近い様にも見えました。その関係は後に仲井戸麗市と蘭丸がユニット「麗蘭」を組む事になることで距離の近さが示されたように思えます。

ハリーと蘭丸。清志郎とチャボ。ミックとキース。そして、ジョンとポール。

相方もしくは相棒と呼べるような関係が確かに存在するのを魅せ付けられています。
双方への刺激が何らかの触媒を切欠に化学反応を起こした結果を我々が目撃することで生き証人となっています。

 

『あんたがいないよる』:

自分にもいつも傍に頼れる相棒が居た事に気が付きました。

金田と鉄雄の様にケミストリーを興す程にベストマッチとは言えないのかもしれませんが、自分が過ごしたその時代、その場所で相棒と呼べる親友が居たことを思い出したのです。

旭川で高校に進学して見知らぬ人がいる教室で出会いロックミュージックの洗礼を浴びせてくれた同級生の岩下和彦君には大きく感化されました。
北海道を離れ内地の東京へと上京し大学で出会った東京都出身の別所雄三は、若さ故に一瞬でシンクロして一緒に同じバイトを始めた親友です。
バイト先の三ヶ月先輩で同い年なのに厨房の奥でとても偉そうな石川県出身の池田裕司と混雑した店の怒涛のオーダーをこなしたコンビです。
店のフロアには学校の先輩なのですがバイトでは後輩で同い年の島根県出身の鵜飼政弘くんが真顔でちゃんとダメ出ししてくれます。
バイト先の系列店で一緒になったこれまた同い年の芳賀ちゃんこと東京都出身の芳賀好浩はリーゼントで誰にも親切で優しくて一緒に居たくなります。腐れ縁とも言える程に積年の親友です。
二十歳を迎えるバイトで出会った仲間達は、掛け替えのない宝物です。彼らと一緒に居ることで「私」の人格形成を成してくれました。これからも一生涯で付き合って貰います。
会社に入って出会った上司で師匠である井澤信悦氏は、コンピューター基礎から(本当に一から)のご指南は勿論のこと、一緒に様々な場所で仕事をすることで様々に師匠の偏ったお考えを骨の髄までご指南頂きました。師匠とは年齢が十歳は離れているのですが、まるで友達の様に今でもお逢いしてご指南戴いている大事な師匠です。
師匠に言われて修行の一貫として独りで渡米した際には、当時に米国企業に在籍されていた師匠の師匠であらせられる梅澤洋一大師匠に助けて頂きました。不慣れな運転していて方向音痴で道が分からなくて迷子になって、財布無くして、途方に暮れて居た時にご馳走して下さった暖かい夕飯は一生忘れられない出来事です。福島県出身の梅澤洋一大師匠は震災前に帰郷されていて中々お逢いすることが出来ていません。
蒲田に新設された部隊は鈴木誠治さんが団長となって新技術や開発を模索する新進気鋭の新撰組のような意気込みでした。何でも引き受ける太陽の様な誠治さんは不束者で素行の悪い筆者を長年暖かく見守ってくれた大切な上司でした。
蒲田でご一緒することになった田中満さんは、見も知らぬ程に大きい伊藤忠商事絡みの仕事を後輩の中村薫くんに頼み込まれた時に、どうしてもやるのであれば相方が欲しいので「明るい人」をお願いしますと彼を指名させて頂きました。お互い頼りにならないのですが、欠かすことの出来ない存在です。明るくて能天気に見えるようで繊細な満ちゃんは、ちょうど一見すると神経質そうに見えるのですが大雑把な自分が持ち合わせないものを全て補完してくれる存在です。
誠治さんという人徳に惹かれ蒲田で寄せ集められ出会った彼らは多態性の宝庫で気さくに付き合える健康優良不良な奴らでした。
蒲田を後にして新しい職場となった霞ヶ関に根城を移すと目まぐるしく一気に環境が変化していき戸惑いました。そこで出会ったのは少し年下の韓国出身の李成赫さんです。強面な彼はよく他人から敬遠されている様子でしたが、とても優しくて笑うと破顔して素直さが溢れだします。どういう訳か慕ってくれて霞ヶ関に居る間はいつも二人でつるんでいました。
図らずと出戻りとなったエデュケーションサービスで出迎えてくれたのは上司となった増田裕介さんでした。愛嬌があって人懐こくて、良いことも悪いこともいつも相談してくれて頼りにしてくれて居場所を創ってくれました。
そして現在、同僚で後輩の堀直人は栃木出身です。直人は緊張する場を和ませてくれる憎めない奴です。一緒に働いて楽しく仕事を出来る様にしてくれる大事な存在です。気の利かない彼の気遣いのお陰で何とかやって来られています。

相棒、親友、マブダチと呼べる存在はあまりにも身近にいるので感謝を表現しにくいのですが、気がつけばいつも誰かが居てくれました。

相棒の周りにもたくさんの健康優良不良少年である仲間達がいつも傍に寄り添ってくれていました。

いつも誰かに助けられていることに気付いて改めて感謝しています。

でも一切遠慮しませんので、これからも助けてください。

 

『東京ジャンク』:

金田と鉄雄が陽と陰の関係であるように「AKIRA」(アキラ)の背景として映し出される舞台では、戦後の復興の象徴である「陽」の部分として最新技術を駆使して急速に再開発が進む2019年の「ネオ東京」の景観がありました。その対比としての「陰」としてネオ東京から一つ橋を越えたその先にある廃墟と化した旧市街があります。意図的に取り残された風景が既視感を醸し出す感覚を未来世界に観ることが出来ます。

そこには工事中の建造物に看板が掲げられていて「東京オリンピック 開催迄あと147日(原作漫画版では413日)」と画面に映し出されます。旧市街はオリンピック建設予定地となっていたのです。これは「2020年に開催される東京オリンピック」を予言したかのような舞台装置です。

作者である大友克洋の談に拠れば、物語の背景としての戦後の復興期から東京オリンピックまでの混沌とした世界を築きたかったのだそうです。

世界観として画面(紙面)に一面に映し出される未来と過去に擬えることが出来る高層ビルと廃墟の街ですが、廃墟となった旧市街を再生する予感が東京オリンピックによって齎されるのではないのだろうかという予兆とも見て取れます。これはこの物語の冒頭ですが、最後へとリンケージしていくのだと予感させてくれます。

廃墟から蘇ります。転んだら立ち上がります。

 

『踊ろよベイビー』:

様々な資料や映像や逸話で満載だった前回の東京五輪を見る事が出来なかったのが残念で仕方ないです(過去コラム『第59回 祭典の日』も併せて御覧下さい)。
其れ故に初めて目にすることが出来るかもしれない東京オリンピックが待ち遠しくて開催迄あと何日あるのか毎日確認したくてPythonでスクリプトを作ってみました。

 

ファイル名は下記の様な名称が宜しいでしょう。
filename: tokyo_olympics_signs.py

スクリプトは以下に掲載します。

# coding: utf-8
from datetime import date

""" Signboard the remaining days until Tokyo Olympic Games 2020. This is alternate future inspired from comics AKIRA by Katsuhiro Otomo. @author kazuhiro.fujie@ctc-g.co.jp @date November 23, 2017 """
# calcurate the days left until Tokyo 2020 tokyo2020 = date(2020, 7, 24) today = date.today() left_days = tokyo2020 - today
# create the signboard signboard_bars = '+' * 30 signboard_blocks = ' ' * 4 signboard_title = '東京オリンピック' signboard_days = signboard_blocks + '開催迄あと ' + str(left_days.days) + '日' signboard_slogan = signboard_blocks + '国民の力で成功させよう'
# publish the signboard print(signboard_bars, '\n', signboard_title, '\n', signboard_days, '\n', signboard_slogan, '\n', signboard_bars, sep='')

スクリプトでは、前述の通り「アキラ」"AKIRA" に感化されていますのでアニメ版での工事現場に掲げられている看板にしています。是非、お試しください。

 

『とりあえずダンス』:

掲載したスクリプト(日めくりカレンダー、東京五輪のカウントダウン)の実行結果を付記しておきます。

$ python tokyo_olympics_signs.py
++++++++++++++++++++++++++++++
東京オリンピック
    開催迄あと 974日 
    国民の力で成功させよう
++++++++++++++++++++++++++++++

毎日、毎日、辛い日が続きますが、東京オリンピック・パラリンピック開催を糧として今日を耐えて生きます。 毎日、カウントダウン日めくりカレンダーを表示させて残り日数を一緒に指折り数えて楽しみに待つことにしましょう。

 

『チャンドラー』:

2017年現在、渋谷の街では「街の再生」をテーマに各所で再開発が行われています。渋谷パルコでは工事現場に改装中建物の仮囲いに「AKIRA(アキラ)」のアートが描かれていました。

「街の再生」を想起させるという想いが担当者にあってアートとカルチャーを発信するというパルコ担当者の使命感が大友克洋へのオファーへと繋がったのだそうです。

描かれた壁画には「A.D. 2019」という文言に添い寝するように、セラミック製の常温超伝導ツーローター両輪駆動、コンピューター制御アンチロックブレーキ、一万二千回転の二百馬力、そして何よりイカしたデザインでステッカーをベタベタ貼り付けた真っ赤なカスタム・バイクに金田正太郎が跨った雄姿がありました。

 

金田のバイクに皆の想いを載せた「再生」そして「復興」への願いがセラミックツーローターの両輪駆動でシンクロして加速しそうです。

 

次回をお楽しみに。

 


 

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