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第21回 地球人のレベル (辻真吾) 2022年1月

はじめに

みなさんは、地球人以外の知的生命体がこの宇宙にいると思いますか?
生命とはなにか?知的とはどういうことか?というあたりを考え出すと話がややこしくなるので、ひとまずここでは、なんらかのコンピュータの開発に成功している生命体と定義しましょう。石器を作ってマンモスをみんなで追いかけているレベルは知的生命体ではありません。アルプスの少女ハイジのような世界もギリギリアウトです。アナログ、デジタル、量子その他なんでも構いませんが、計算する機械を持っている生命体を知的生命体とします。計算機を発明しているということは、ある程度数学については体系が作られているはずです。これは地球のものとは違う可能性もありますが、そのあたりは気にしません。こうした地球人以外の知的生命体が宇宙にいるかどうか。私はもちろんいると思っています。地球人だけがこの宇宙で唯一の知的生命体だと考える方が無理があると感じるからです。というわけで話は、"いる"前提で進めますが、どうしてそう思うのかという話を少ししたあと、地球人のレベルについて考えて見たいと思います。

人間の想像の遥か上

宇宙にはいくつもの銀河があって、太陽系が所属する銀河はその1つにすぎません。宇宙には太陽のような恒星が無数にあり、その周りを周回する惑星がそれ以上あるということです。すこし調べると、この数はとんでもない桁数の数だと推定されていることがわかります。確率的には地球人のような知的生命体が宇宙のあちらこちらにいてもおかしくありません。地球人だけが全宇宙で唯一の知的生命体だと思いたい方もいるかもしれませんが、それは恐らく間違っていると思います。なぜなら、これまで人類が考えてきた人類中心の宇宙像はことごとく間違いだと証明されてきたからです。最初は地球が丸いことも分かっていませんでしたが、地球が丸いとわかると、人類はそれが宇宙の中心にあると思いました。しかしそれは間違いでした。地球は太陽のまわりを回っていたのです。そうなると、太陽が宇宙の中心だと思いたくなりますが、それももちろん違います。太陽系は我々が所属する銀河の片田舎にあります。現代人はかなり正確な宇宙像を手に入れていますが、ほんの数百年前まで、自分が宇宙の中心だと思っていたわけですから、ちょっと調子に乗りすぎでした。

2021年のクリスマスに打ち上げられた新たな宇宙望遠鏡が、生命体が存在する可能性のある惑星を次々に発見したりすれば、地球人が宇宙の中心では無いことがさらにはっきりするかも知れません。ここでは、この宇宙に知的生命体が沢山いる前提で、地球人のレベルを考えて見たいと思います。

問題の解決策

沢山の知的生命体がいるとすると、それぞれいろいろな状況にあると考えられます。その惑星全体を巻き込む戦争をしている奴らもいるかもしれませんし、高度なコンピュータの開発に成功し、ほとんどの人がベーシックインカムのような収入で暮らしているユートピアもあるかも知れません。もしかすると、映画に出てくるように、進化しすぎたコンピュータに支配されてしまっている知的生命体もあるかも知れません。いずれにしても、コンピュータを発明できる程の知的生命体ですから、数が増えてくれば、いろいろと問題が勃発するでしょう。地球でいうなら、環境問題や紛争などがこれにあたります。こうした問題をどのように解決しているかで、知的生命体をランキングします。ちょっと強引ですが、こうした問題をこれをどれほど前向きに、コンピュータを使ったデータ駆動型の方法論で解決しようとしているかを、スコアの根拠にしましょう。

地球温暖化のメカニズムはまだ分かっていない部分もあるかも知れませんが、CO2排出量や気温の上昇はデータとして記録できますし、ある程度コンピュータを使ったシミュレーションが可能です。紛争は起こってしまったらそう簡単にコンピュータで解決できないかもしれませんが、この戦争をしたらどうなるか、さまざまな状況をモデル化して、コンピュータを使って想定される未来を計算することは可能です。圧倒的に不利と分かれば、無謀な戦争をしないという選択肢もとれるでしょう。データとコンピュータでどれくらい問題を解決しようとしているかという視点ですので、全宇宙における知的生命体のDX推進度と言ってもいいかもしれません。

地球人はどのくらい?

これは私の考えですが、地球人のレベルはかなり低いのではないかと思っています。これまでの歴史を見ると、戦争のためにコンピュータを開発し、その性能を進化させることには成功しています。ただ、コンピュータを使ったシミュレーションで、核兵器を増産し有り余る量を保有しています。インターネットは世界中のコンピュータを相互に接続しているにもかかわらず、巨大な富がごく小数の人々に集中し、今日の食べ物にも困る人達がいまだに大勢います。太陽光や風力でかなりの電力を賄えるにもかかわらず、掘ったらブッシャーと出てくるからと言って、今日も原油を燃やしています。プラスチック容器は便利ですが、日頃生活しているとちょっと無駄が多い気もします。と問題を列挙すると枚挙にいとまがありません。これらすべてをコンピュータとデータで解決できるとは言いませんが、真剣に解決を目指すならデータ駆動型の解決策は必須だと思うので、やはりコンピュータの活用が必要です。

まとめ

量子コンピュータはまだ日常的に使われるコンピュータではありませんので、コンピュータ自体の進化も必要です。コンピュータがさらに進化すれば、応用範囲はさらに広がります。ゲームやクオリティの高いCGの映画は素晴らしいですが、人類が抱える問題の解決にもっとコンピュータを活用できるはずです。その意味では、人類は宇宙の知的生命体の中では、まだまだ赤ちゃんだと私は想像しています。人類はここで終わるわけにはいきません。さらなる進化が必要です。ぜひ地球人のレベルアップのために、コンピュータの活用方法を一緒に考えていきましょう。

 


 

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