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第52回 ロードショーとスクリーン 2015年11月

 手塚治虫、小林旭、ジャパネットたかた創業者の高田明の誕生日でもある11月3日は手塚治虫に因んで「まんがの日」であり、国民の祝日「文化の日」であります。その日に福岡空港に飛行機で久方ぶりとなる九州の地に降り立ちまして空港から地下鉄で二駅のJR博多駅に到着しました。夜の帳が降りた中、煌々と明かりが灯るJR博多駅で出迎えてくれたのはシーナ&ザ・ロケット(SHEENA & THE ROKKETS)の鮎川誠でありました。

 黄色の背景に赤の文字そして黒のサングラスと黒の革ジャンで「黒く塗れ」"Paint it Black"と言わんばかりにいつも通りにバッチリ決めた鮎川誠が、駅ビルのアミュプラザ博多とタワーレコードの連動広告 "NO HAKATA, NO LIFE" というキャッチフレーズの文字を纏って壁いっぱいに鮎川誠が愛機である黒のギブソンのレス・ポール・カスタム(Gibson Les Paul Custom "Black Beauty")を片手にくわえタバコで出迎えてくれたのです。シーナが大好きで鮎川誠が大好きな筆者にとっては感動です。博多まできた甲斐がありました。

 鮎川誠はギタリストなのですが、昔ドラマにも出演した事があって彼の優しい博多弁の語り口が大好きです。シナロケ(シーナ&ザ・ロケット)には学生時代にライブで見たことでの素敵な想い出もあるのですが、女神だったシーナこと鮎川悦子は今年のバレンタインデー(2015年2月14日)に「さよならの向こう側」に旅立って行きました。まだまだこれからいっぱいやりたいことであったのにも係わらず旅立つことを余儀なくされて逝ってしまったシーナ自身が無念でならないのでしょうが、残された鮎川誠はたぶん「スイート・インスピレーション」"SWEET INSPIRATION" 歌詞フレーズのように辛さのあまり「胸が張り裂けそう」だと想うのです。彼の思いを察するだけで自分までが胸が張り裂けそうになってしまい苦しいのです。

 彼にはシーナのハスキーな叫び声の思いの丈も含めマーシャルアンプ(Marshall Amps)のツマミを目一杯回した大音量でこれからもギターを掻き鳴らし続けて欲しいと願わずにいられません。鮎川誠のポスターの前でシーナのご冥福をお祈りして合掌しました「ユー・メイ・ドリーム」"You May Dream" と。

 筆者は久しぶりの出張で九州に出張するのは概ね二十年ぶりでした。浦島太郎です。ですが、方向音痴が故にどこに何度行っても浦島太郎なのです。そんな浦島太郎が故に一つ気が付いたこともあります。それはすごくスムースに東京から博多まで着いたことです。

 航空会社のウェブサイトから当日のフライト予約し座席も指定、支払はカードで済ませて、チケットはeチケットとして二次元バーコードで発行されました。それをiPhoneのWalletアプリ(旧称:Passbook)に入れると準備万端です。羽田空港までのリムジンバスも高速バスのサイトから予約して支払いはコンビニの専用端末で予約情報を発券しレジで会計を済ませてチケットを入手出来ました。当日は時間通りに高速バスで羽田空港に到着しましたが、手荷物もないので航空会社のカウンターにも寄らずにチェックインも不要でボーディングパスはiPhoneを取り出してリーダーにかざすだけで搭乗できました。空港では時間が余り手持無沙汰に眺めていましたら手荷物を預ける「自動手荷物預け機」(ANA BAGGAGE DROP)を発見。まるでサンダーバード2号(THUNDERBIRD 2)のコンテナ(Pod)、もしくは、スターシップのドッキングベイかのような有様です。いつの間にか羽田は未来でした。

 搭乗した飛行機は定刻に離陸し東京を離れ夜のフライトで少し揺れましたが、ほぼ予定通りの時刻に福岡空港に着陸。混み合う機内から降りる際に乗客を横で見送りされていた優しそうなキャビンアテンダントさんに見惚れてしまい、開いている手荷物棚のドアに頭部を強かに痛打して膝から崩れ落ちそうになったものの、何とか膝を着くのを堪え飛行機を降りました。
 痛む頭頂部を片手で抑えながら福岡空港と直結している地下鉄に乗るため切符券売機の前に行くとそこには大きなポスターがあって「はやかけん」というキッチュでカッコいいネーミングのICカードが使えるらしいのです。他にも「SUGOCA」(すごか)や「nimoca」(にもか)の複数ICカードのバリエーションがある様子です。それらに加えて福岡の地下鉄でもJR東日本の「Suica」(スイカ)や首都圏の鉄道とバスで使える「PASMO」(パスモ)も提携されて使える様子。乗車券を購入するために荷物を肩から下ろすことなくPASMOで改札を無事通り抜けることができました。とても便利です。博多駅に到着しホテルでのチェックインでは、予約ウェブサイトから決済システムPayPal(ペイパル)にて支払い済みでしたので、財布を取り出す事もなく予約した名前を言うだけで済みました。
 どうやら世間は二十年前とはだいぶ違ってかなり便利になっているのを実感させて頂きました。たまに出張もしてみるものですね。これらはICカードやスマートフォンの普及と何よりインターネットの恩恵なのだと身近に感じさせられました。

 気を取り直して踵(きびす)を返すと、博多に着いた時刻が地下の飲食店を除いて駅ビルのテナントもそろそろ閉店モードの夜遅めでしたので、そそくさと予約済みの駅近くのホテルにチェックインを済ませると直ぐに腹ごしらえをするために駅ビル地下に潜っての飲食店を探しました。

 博多駅周辺に戻ると博多は噂通り美人さん比率が異様に高くて、どうしてもきょろきょろと辺りを見回さずにはいられません。思わず見惚れてしまう博多美人を目で追ってしまうことに気が付いた自分を戒め自重を促す行為を繰り返し行う羽目に陥りました。自粛全開、初志貫徹、軌道修正するために博多デイトスという名前がついた地下に続く階段を降りると目の前にレトロ風味の「印度カレー」という名前のお店がありました。「インデアンカレー。ドライカレーにハンバーグをのせて、カレーをかけた当店のオリジナルメニュー」という正確な説明書きと昭和の佇まいを思わせるメニュー写真に惹かれて食すのを決めました。店に入り「インデアンカレーをお願いします。」と注文するとイケメンの店員さんに「カツにしますか?ハンバーグにしますか?」と逆に問われて「カツカレー」が史上最強の至高メニューであるのにも拘らず、すかさず「ハンバーグで。」と答えてしまいましたが、差し出された「インデアンカレー」は写真に違わず昭和レトロな味で大満足でした。福神漬と辣韮(らっきょう)が、ちゃんとテーブルに用意されていたのもプラスポイントでして、その辣韮に赤い繊維が付着しており「流石、博多だ。明太子辣韮なるものが存在するのか。」と食してみると、どうやらトウガラシ添え辣韮の様で思い切り勘違いしてしまいました。勘違いついでに「明太子辣韮」というのも乙(おつ)なのではと、博多の新名物候補に勝手に推薦させて頂きます。

 先月(十月)の話になりますが、年に一度の大イベントである "AWS re:Invent 2015"(アマゾン ウェブ サービス リ・インベント)が今年もネバダ州ラスベガス(Las Vegas, State of Nevada)にて開催され大盛況であった模様です。毎年毎年倍々ゲームのように参加者が増え続けイベントが拡大の一途を辿り参加者が膨らんでいく様子は、あたかも"JavaOne"(ジャバ・ワン)の全盛期を彷彿させます。うろ覚えですが(確か2001年に開催されたJavaOne SFに小職が参加した頃は)、会場となったサンフランシスコのモスコーニセンター(Moscone Center, San Francisco) の外周を世界各地から来た参加者(デベロッパー)たちがモスコーニセンターをぐるりと一回り以上の開場前待ち行列が蜷局(とぐろ)を巻いたものですが、それに匹敵する参加者で盛り上がりだったそうです。
 残念ながら小職は参加出来なかったのですが、今年は弊部から二名が参加させて頂きました。世界中からラスベガスに集った方々のAWSへと注がれる熱視線と会場の熱気を間近で感じたのではあるまいかと、その想像に違わないことでしょう。会場を埋め尽くす参加者たちの五感全てをAWSが覆い尽くし、イベントの会期中はAWS漬けになるが如く感覚が麻痺する程だったのではと妄想します。

 この"AWS re:Invent 2015"閉幕後には例年恒例になりましたAWSに関する新しい情報が大量にリークされ参加者たち有志の方々によって彼方此方(あちこち)で情報拡散が為されましたが、これらは機会をみて調査しご紹介出来ればと考えております。
 そしてこの"AWS re:Invent 2015"開催を受けまして昨年に引き続き日本各地でロードムービーの様相を呈するイベントが開始されました。"AWS Cloud Roadshow 2015"(AWS クラウド・ロードショー 2015)と銘打たれたイベントが名古屋、福岡、札幌、大阪といった地方の主要都市で現在行われている最中です。

 限りなく微力ながら小職も今月(11月)初旬、博多のANAクラウンプラザホテル福岡の会場で開催されました「アマゾン・データサービス・ジャパン株式会社」改め「アマゾン・ウェブ・サービス・ジャパン株式会社」主催の"AWS Cloud Roadshow 2015 福岡"でAWSセルフペースラボのお手伝いに行ってきたのです。最近社名が変わりました。引き続きご愛顧の程、宜しくお願いします。

 過去のコラム(「第47回 噂」)にて東京の品川で開催された"AWS Summit Tokyo 2015"(AWS サミット 2015)での様子を書いたのですが、東京から遠く離れた博多に於いてもそれと全く同じ状態でスーツとジーパンが入り混じって様々な方々がAWS(Amazon Web Services)というクラウド・コンピューティング・サービスと既に始まっているパラダイムシフトに多大なご関心とご興味頂いて待ち受けていることを実感できました。また多数の来場者がセッションとセッションの合間を摺り抜けて、担当させて頂きましたセルフペースラボを続々と訪ねて頂き最後の最後まで盛況でありました。そこで会話させて頂いた訪問者の方々は口々に率直にセッションで聴いて来られた内容を様々に自分なりに解釈した疑問を筆者に次々と質問を投げかけ続けられることで、皆様が多大なご興味とAWSに好感触を持たれていることを肌で感じ取ることが出来ました。今後も更なる加速がついて日本中に広まっていくことは疑いようがない程に確定された未来なのでしょう。

 このイベント名称となっている「ロードショー」(Roadshow)は、日本列島縦断するイベントとして「幸福の黄色いハンカチ」(監督:山田洋次、出演:高倉健、倍賞千恵子、武田鉄矢、桃井かおり)を想起させるロードムービー(Road Movie)的意味で地方巡業をイメージさせる意図がこのフレーズにかかっているかと思われますが、所謂「ロードショー」(Roadshow)という単語の発端が「大都市の選ばれた劇場にて、新作映画の封切りを独占上映する」のを指す言葉で1950年代の米国で盛んに行われていたのです。今回のイベントタイトルである「AWSクラウド・ロードショー」"AWS Cloud Roadshow"は、まさに「ロードショー」に似つかわしいものと云えましょう。

 そういえば、筆者が中高生の頃に購読していた映画雑誌の名前も「ロードショー」でした。小学校の高学年にもなると映画館での選択が自然と「東映まんがまつり」を卒業することになります。衝撃的なスティーヴン・スピルバーグ(Steven Spielberg)監督の「ジョーズ」"JAWS" を皮切りに、今までにない映像で壮大なスペースオペラを奏でるジョージ・ルーカス(George Lucas)監督の「スター・ウォーズ」"STAR WARS" と続く頃には、洋画を映画館の大スクリーンで観るのを好む様になりました。ですが当時は未来箱としてのアップルII(Apple II)は登場していましたが(過去コラム「第4回 スタートレック」をご覧下さい)、未だインターネットは存在していません。周辺情報を渇望するものの情報源としていた枯渇しており、テレビと雑誌という限られたメディアソースからの情報に頼るしか他に手段が無かったのです。

 加えてテレビ放送の映像録画する機器(VHS,ベータといった)である家庭用ビデオテープレコーダーが高価で未だ普及していなかったため、(北海道でも系列局でテレビの視聴が出来た)淀川長治解説の「日曜洋画劇場」、高島忠夫解説の「ゴールデン洋画劇場」、水野晴郎解説の「水曜ロードショー」といった映画を放映する番組を夜の九時頃からテレビの前に陣取り便所に行くのもコマーシャルになるまで我慢しながら画面に噛り付いて慎ましく洋画鑑賞していたものでした。自分で観たい映画を選択できない事を除けば、それはそれで待ち遠しくも楽しかった時間でした。

 雑誌では、日本でも大人気のブルース・リー(李小龍、Bruce Lee)を筆頭にスティーブ・マックイーン(Steve McQueen)、ポール・ニューマン(Paul Newman)、ロバート・レッドフォード(Robert Redford)などの大物スター以外にもライアン・オニール(Ryan O'Neal)の娘で名作「ペーパー・ムーン」"Paper Moon"で子役時代から突出していたテータム・オニール(Tatum O'Neal)とクリスティ・マクニコル(Kristy McNichol)が共演して話題を呼んだ「リトル・ダーリング」"Little Darlings" が切掛けとなり二人がアイドル的人気を誇っており雑誌の表紙を飾っていたのを思い出します。
 筆者も"Little Darlings"は映画館で観ました。当時、田舎の映画館では二本立てで上映していました。何の映画との同時上映だったかは失念しましたが、クリスティ・マクニコル主演の「さよならジョージア」"The Night The Lights Went Out In Georgia" が併映されていて映画館で観た記憶があります。まさにカントリーウェスタンのシンガーで兄貴役のデニス・クエイド(Dennis Quaid)と一緒に兄妹でアメリカを当て所なく旅するまさにロードムービーでした。

 この燦然と輝く憧れの銀幕スター情報は雑誌の「ロードショー」または「スクリーン」のどちらかが情報源であり、いそいそと情報収集に勤しんでいたのです。

 「スクリーン」(SCREEN)は近代映画社が出版していた老舗の映画雑誌で、「ロードショー」(ROADSHOW)は集英社が出した新興勢力でした。他にも映画雑誌は何誌かあったのですが、当時は洋画中心の映画雑誌として夢見る少年少女が手にするこの二誌があったのです。ですから当時の映画ファンは「ロードショー派」か「スクリーン派」で派閥が出来ていたのです。筆者は「ロードショー派」でありましたが、東京でバイト時代からの親友は「スクリーン派」だったとのこと。ですが、実際には両誌の中身は封切りする新作映画は同じなのですから、どちらも同じような特集記事が掲載されていたものです。当時少年少女だった我々は雑誌から好きな映画スターやアイドルのピンナップを切り抜いて透明の下敷きに入れて学校に持っていったものです。媒体は違うかもしれませんが、それは現在の学校でもたぶん変わらない光景があるのでしょう。

 時代は変わってインターネットという情報ツールが普及した近年に至りまして「ロードショー」は2009年に廃刊になりました。「スクリーン」は先月(2015年10月)に出版会社が破産したそうです(但し、別会社が社名を引き継ぎ出版の継続は行うそうです)。時代は変わるのです(過去コラム「第6回 電子書籍の名前」も併せてご覧ください)。

 ところで、"AWS Cloud Roadshow 2015"が名古屋、福岡、札幌、大阪の主要都市でロードショーとして開催するのとシンクロするのですが、前回コラム(「第51回 七瀬ふたたび」)にて紹介した日本のヒップホップのミュージシャン「神門」(ごうど)がリリースした4thアルバム「神門」に "3days" (スリーデイズ、三日間)という楽曲があります。

 まるでロードショーさながらに「隣は大阪、南は福岡、北は札幌」と日本各地から神戸にやってきた旧知の仲間達と集い合い、またそこでいつしか知り合って新しい友達が増えていくという気の置けない友人達と濃厚なスリーデイズ(三日間)を一緒に過ごす様子を時系列で細やかに描いたバース(verse、序奏部分の歌詞)で埋め尽くされたリリック(歌詞)です。スリーデイズ(三日間)がそのままリリックになったために九分という長尺の楽曲になっておりその濃密さを分かって頂けるかと思います。

 "3days" を聴くと、まるで自分までが一緒に彼らとつるんでいる様なそんな楽しい気持ちにさせてくれます。こんな風に地理的距離と時間軸を縦横無尽のタイミングで、まるで偶然と必然が順序良く交錯するかの様に、自然と出逢うべき仲間に出逢い、仲間と一緒に自由に心の旅をして、融和する如く時が経つのを忘れてしまう程に、心通う時間を過ごしたいものです。

 心に滲みる「感情と出来事」が生きる糧として大事なのです。

 次回もお楽しみに。

 


 

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